慕情そして恋情…<つかつく> 18.
つくしが女の子を出産した。
名前を『蘭』と、名付けた。
喜んだのは、司だった。
何故なら、容姿がつくしそっくりだったのだ。
お見舞いに来ていた椿が、つくしと蘭にデレデレの弟の司を見て、翼に嘆いて居た。
「翼、ちょっと、見なさいよ?
あなたのお父さん、如何成ってるの?」
「椿伯母さん、諦めて…。
蘭は、母さんにそっくり何だし、父さんを攻めても、多分、攻めた方が疲れるだけだ
よ。」
「翼は、司にそっくりだから、何か、話しのテンポが崩れるのよね。
馬鹿な司に対して、容姿は同じなのに、賢くて、物分かりの良い甥っ子の翼。
翼は、司の賢い版ね。
ほんと、中身はつくしちゃん似で良かったわ。」
「買い被り過ぎだよ。」
病室で、椿と翼がこんな話しをして居るなど、司とつくしは気付かずに居た。
其処に、F3&T3がお見舞いに来た。
「先輩、身体の具合は如何ですか?」
「有難う‼
久々だったから、ちょっと、疲れたかな。」
優紀も声を掛けた。
「つくし、顔色は良さそうだね。」
「心配掛けたね、優紀。
有難う‼」
F3は、絶対、病室に、司は居るだろうと、踏んでいた。
「おお、やっぱり、司、居るのかよ。」
「如何いう意味だ‼
此処に居るのは、俺の妻に、俺の娘なんだ。
此処に居て、悪ぃのかよ⁉」
「って、言うか、現在、此処が父さんの住まい…⁉
はぁ~⤵。」
翼は、溜息を此れ見よがしに、見せながら付いていた。
「翼、ヤキモチを焼くな‼
父さんはお前も大事だぞ‼」
司は翼の肩を抱き締め乍ら、言っていた。
「父さん、俺は、もう、高校生なの‼
いい加減にしてくれる?」
此れが、現在の翼に対する司の愛情表現で有る。
翼は、そろそろ、鬱陶しくなって来ていた。
F3は、翼を、憐れ見る様に言っていた。
「「「翼、大変だな‼」」」
翼は大きい溜息を付いた。
「はぁ~⤵。」
皆が帰り、つくしの夕食も済んだ頃、楓が病室に入って来た。
「つくしさん、お疲れ様。
そして、つくしさん、有難う‼」
楓は泣きながら、つくしに話ししていた。
「つくしさん、貴女が、司を男にしてくれたのね。
本当に、有難う‼」
「いいえ、私は、何もしていません。
寧ろ、傍に居ただけです。」
「ええ、それで良いの。
これからも、司の傍に居てやってね。」
楓は、蘭のベビーベッドの傍に行き、蘭の顔を見た。
「良かったわ、つくしさん似で…。
司みたいな子だったら、如何しようと思って居たの。
苦労するのは、私だけで充分ですからね。
抱かせてもらって良いかしら?」
「はい、抱いて遣って下さい。」
楓は、更に、泣きながら、蘭を抱き上げた。
楓は、こんな日が来るとは思わずに居たのだから…。
仕方無い事なのかも知れなかった…。