bad love…<つかつく> 9.
類は、確信を付こうとしていた。
「で、あんたは如何したい訳?」
「えっ??」
つくしは、次は自分に降り掛かって来るとは思わずにいた。
何せ、つくしは、ずーっと、俯いたままの状態で居たのだから…。
「これからの事だよ?
司の事は嫌い?」
「えっ??
そんな事は…。」
「そうだろうね‼
あんたの性格なら、嫌いな男性とパーティーの様な人目に触れる所で、パートナーをし
たいとは思わないよね。
だったら、司の事は好き何だ?」
つくしは、“この人、何なの?”と、武者震いを起こしていた。
つくしは、何もかも、見透かされて居る様で、怖かったのだ。
「それも分からなくて…。
今回のパートナーの件は、父親から言われた事だから…。」
つくしは、俯いたまま、類の質問に答えていた。
「それは、お姉さんを見捨てられないって事?」
「私は姉を見捨てる気は毛頭有りません。」
「ふ~ん、それじゃあさあ、道明寺HDとの提携話も断るんだ?」
「それは、出来ないと認識しています。」
「それって、狡くない?
結局、何方も、有耶無耶にしようとしてるじゃん?」
「そんな事は…。」
司は居た堪れなくなり、類の言葉を制止し始めた。
「類、もう良いから、止めてくれ‼
つくしが悪ぃ訳じゃねぇだろ?
俺がつくしを好きに成らなければ、こんな騒動を起こさなくても良かったんだろ?」
「じゃあさあ、司はあの子を諦められるの?」
司は、無理に決まってるだろと、言わんばかりに、類を睨み出した。
「ほら、司のその俺を睨め付けてる目付き、あの子を諦め切れないんだろ?」
「当然だろ‼」
「だったら、如何していくか、揉める前に決めて於いた方が良くない?
本人は、お姉さんも見捨てられない。
司の事も、道明寺HDとの提携上、断る事も出来ない。
しかも、司の事も嫌いじゃない。」
つくしは驚愕していた。
今までの自分自身の人生は、全てが曖昧だった。
『他人(ひと)と競う事』・『他人(ひと)を傷付ける事』、全てから避けて来た人生だった。
それが一番、楽だったから…。
でも、今は、何方かを選べと言われている。
何方かを選ぶ事はつくしには出来ない。
そんな、選択を今までして来た事が無いのだ。
つくしには出来る筈が無かったのだ。
しかし、類には分かっていた。
今まで、選択肢と言うハードルの中で生きて来なかったで在ろうつくしに、“何方かに選択をしろ‼”と、言われたからと言って、そう易々と、選べる事は出来ないだろうと…。
『他人(ひと)に傷付けられる事は在っても、他人(ひと)を
傷付ける事を嫌う人種何だ。』と、類はつくしを分析したのだった。
反対に、滋は、
『他人(ひと)を傷付ける事は在っても、他人(ひと)から傷
付けられる事を嫌う人種何だ。』と、悟ったのだった。
だから、『滋はつくしと居る方が居心地が良いのだ。』とも、悟ったのだ。
だったら、司にも同じ事が言えるのかと…。
類は、つくしの事を、“『猛獣使い』決定だな‼”と、認識したので在った。