bad love…<つかつく> 20.
ここ最近のつくしの様子が変な事に司は、気付いた。
「つくし、何か遭ったのか?」
「えっ??
そんな事無いよ…。」
「そうでも無さそうだな⁉
俺に言えねぇ事か?
俺は、そんな頼りねぇのか?
言ってみろ‼
お前を助けて遣れるかも知れねぇじゃねぇか?」
つくしは言おうか迷った。
でも、言えば、間違いなく滋に怒られると思うつくしだった。
「プライベートの事だし、ましてや、家族の事だから、余り、曝け出したくないか
も…。」
「家族って、また、姉ちゃんの事か?」
「えっ??」
「やっぱりな‼
お前が悩むとか、家族の事で悩むとかって言えば、お前の姉ちゃんの事以外ねぇだ
ろ?」
「そうだよね…。
そう何だ、お姉様の事なの⤵。」
「何か遭ったのか?」
「うん、何か遭ったんじゃなくて、私がお姉様を探ら無きゃならないの。
お姉様を探るだ何て、出来そうにも無くて…。
罪悪感しか残らないでしょ?」
「じゃあ、探らなきゃあ、良いんじゃねぇのか?」
「そうはいかないの。
パパの命令だから…。」
司は、何か、ややこしい事を、つくしが親から頼まれたのだろうと推測した。
なら、“俺も手助けして遣ろう。”と、思った司だった。
「どんな探りの命令を親から受けたんだ?
言ってみろよ‼
此処まで、聞いたんだ。
俺も手助けして遣るよ‼」
つくしは言って良いものか迷ったが、口が勝手に口走っていた。
「お姉様に何方かお好きな方が出来たみたい何だけど…。
何方か、“探りを入れろ‼”って、パパから言われたの⁉」
「へぇ~??
あの姉ちゃんを受け入れてくれる奴が居んのか?」
「そんな言い方、酷い‼
仮にも、婚約者のお姉様でしょ?」
つくしは、真っ赤な顔をして、プリプリして怒っていた。
司は自分自身で言ってしまった失言に気付いたが、『後の祭り』だった。
つくしの手助け処ではなく、つくしの機嫌を取る事の方が先に成っていた司だった。
しかし、失言に失言を重ねてしまい、より一層、つくしを怒らせてしまった。
「つくし、そんなに怒ったら、眉間に皺が寄ってしまうぞ‼」
笑わせ様と、思って言った言葉が、更に墓穴を生む。
もう、司は、遣る瀬無さが募るばかりだった。
つくしはベッドから出て、シャワーを浴びにバスルームに向かおうとしていた。
其処を制したのは司だった。
「何だよ、何処行くんだよ?」
「帰るの‼」
「はぁ~??
何でだよ?」
「………」
つくしは、無言だった。
司はどんな失言を吐いてしまったか、最早、忘れてしまっていた。
無意識に発した言葉だったのだ。
司が覚えている筈はなかった。
しかし、つくしは、容赦ない態度だった。
「私を怒らせた言葉、司が言った言葉、覚えてる?」
「………」
司は、覚えて無いのだから、無言に成らざるを得なかった。
謝る事が、今や、司の最終手段。
今や、つくしは司にとって、絶対的な存在だった。
今、つくしを失ってしまったら、何も出来なくなる事が分かって居る司だった。
“こんな風に謝るのは、つくしだけ…。”と、思ってしまう司だった。
「つくし、悪かった‼
つくし、機嫌、直してくれ‼
謝るから…。
なっ、ごめんな‼」
後は、つくしが司の顔の中で弱い『寂しげな・辛そうな顔』を、つくしに見せて、つくしを擽るだけの司だった。
笑い転げるつくし。
つくしは、呆れて、許してしまう。
バカップルのイチャ付きは此れにて終了‼
後は、司の独壇場だった。