tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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イタキス…<イリコト>  前編




【『ふぐ吉』にて…】


重樹は、ふぐ吉で行われた『パンダイ』の接待の後、一人残り、重雄と話しをしていた。


「なぁ、アイちゃん、琴子ちゃんを斗南に入れないかい?」
「えっ~、如何いう意味だい、イリちゃん?」
「アイちゃんとこんな風にまた、会えて嬉しくてねぇ、家族ぐるみのお付き合いをまた、
 したいと思ってねぇ‼
 如何だろ、考えて見てくれないかい?」
「そりゃあ、無理ってもんだいっ‼
 琴子の成績じゃあ、とても斗南は無理無理っ‼
 確か、直樹君は斗南だったなっ‼」
「まぁねぇ。
 直樹は、小学校から斗南だよ。」
「直樹君は、IQ200だったか?
 琴子は、下位の下位だな。
 直樹君と琴子を一緒には出来んよっ‼」


重樹は項垂れていた。


「やっぱり、無理かぁ~。」


だが、重樹は諦めては居なかった。


まだ、中学3年まで日が有る…。
“その日が来たら、琴子ちゃんを説得してみよう‼”と、考えて居た重樹だった。


そうなのだ。
偶にでは有るが、琴子は、お店のお手伝いに現れる事が有ったのだ。



そして、その時が来た。


重樹は、琴子ちゃんに話ししていた。


話しして居る琴子は、あの、『なお』ちゃんのお父さんだとは知らずに、重雄の古い友人としての認識で話ししていたのだった。


「琴子ちゃん、何処の高校を受験するか、もう、決まって居るのかい?」
「いいえ、まだ何です。」
「そうかい。
 斗南は如何だい?」
「えっ‼
 斗南…ですか?
 無理ですよ‼」
「如何してだい?」


琴子は、身の程知らずも良い処だと思っていた。


尚も、重樹は、琴子に話ししていた。


「斗南はA~F組まで有って、成績順でクラスが決まるんだよ。
 取り敢えず、合格すれば、何とか成るよ。」


琴子は、納得してくれない重樹を重雄に説得してもらうべく、相談するという事にした。


「う~ん、お父さんと相談しても良いですか?」
「勿論だよ‼」



だが、結局、重樹の強いプッシュに負けた重雄が、琴子を説得して、斗南を受験した琴子だった。


それが、何の奇跡か、琴子は斗南高校に合格した。
クラスは、勿論のF組だった。


そのF組では、後の琴子の親友と成る理美とじん子と、入学式早々から仲良く成るのだった。



その日の朝、入学式早々から、遅刻した琴子に奇跡の再会が待って居ようとは、誰も思わなかったのであった。



直樹は、入学式で、新入生の挨拶を仰せ遣っていた。
その打ち合わせの為に、職員室に朝から居たのだった。


少し、打ち合わせが長引き、入学式が始まってからの入学式会場への移動となってしまった。


慌てて、入学式会場に向かって居たのだが、下足室辺りに差し掛かった時、慌てて入って来た女子生徒と、身体ごと、ぶつかってしまった。


女子生徒は、飛ばされる形で倒れ込み、尻餅を付き、それでも、慌てて、起き上がろうとしていた。


本来、直樹は、人と接する事を拒んでいた。
だが、何故か、急いでいるにも関わらず、その女子生徒を助けようとしていた自分自身に驚愕していた。


その女子生徒が叫んだ。


「痛っ‼」


直樹は、右手を出して、その女子生徒が起き上がるのを補助していた。


「ほれ、大丈夫か?」


その女子生徒は、ニコッと笑って、お礼を言った。
そして、直樹の右腕を掴んで、起き上がった。


「有難う‼」


その時だった。


直樹は、その女子生徒の笑顔に気付いたのだった。


“琴子っ‼”


直樹は、琴子の顔を直視出来なかった。
其れ処か、素っ気ない態度しか出来なかった。


「気を付けろよっ‼」


そして、直樹はスタスタと、入学式会場に向かって歩いて行ったのだった。


琴子は、呆気に取られて、何も応えられなかった。
そして、我に返って、慌てる様に琴子も入学式会場に向かって走り出したのだった。

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