輝きの中へ…<つかつく> 8.
あれから、1か月が経った頃、つくしは、徐々に、司に慣れ出した。
朝、ダイニングで会えば、つくしも、司に向かって、笑顔で挨拶する様に成って来て居た。
実は、つくしは、つくしから、タマに、『つくし』呼びをしてもらう様にお願いしていた。
タマから、『牧野先生』と、道明寺家のスタッフ同様、言われたのでは、他人行儀過ぎて、つくしが、タマに対して、遣り難いと思っての事だった。
で、タマも、頃合いを見て、つくしに頼み事をしようとしていた。
「つくし、頼み事が、有るんだよ。」
つくしは、怪訝な顔をしながらも、タマに確認していた。
「何でしょうか?」
タマは、つくしの其の顔付きを見て、苦笑いするしかなかった。
「毎朝、司坊っちゃんを起こしに、司坊っちゃんの部屋に行ってもらえないかい?」
つくしは、最大級な声で、驚愕声を出して居た。
「はぁ~??」
タマも、つくしの此の声には、吃驚で有った。
「つくし、煩いよ。」
つくしは、タマに詰め寄りながら、訊いて居た。
「何故、私が…?
メイドさんもいらっしゃいますよね?」
「私がさね、毎朝、起こしに言ってるんだけどさね。
坊っちゃんを起こしに行くのも、結構の重労働でさね。
くたくたに成るんさね。
だから、若いつくしなら、大丈夫だと思ってさね~。」
タマは、悪い顔に成って、つくしに詰め寄っていた。
つくしは、其れでも、断っていた。
「困ります。
それに、若い女性の私が、若い男性のお部屋に朝から、起こしに行くって、其れこそ、
如何かと思いますが…?」
タマは、思案した。
此処で、折れてしまえば、つくしは、二度と、司に向かわなく成る様な気がしたのだった。
だから、タマは、ドクターとしてのつくしに賭けてみたのだった。
「毎朝、坊っちゃんを起こす事に加えて、もう、一つ、つくしにお願いしたい事が有るん
ださね。
ドクターの観点で、坊っちゃんの体調管理もお願い出来ないかね?
親子2代で、過労で倒れたって、成れば、道明寺家としても、格好が付かないだろ?」
つくしは、“其れはそうだろうけど…。”と、思いながらも、タマの真剣に縋る様な眼を見てしまい、断れずに居たのだった。
で、次の日から、つくしは、毎朝、司を起こしに行く事に成ってしまった。
で、次の日の朝…。
つくしは、タマから、確認していた時間に司の部屋に向かった。
そして、つくしが、司の部屋の扉をノックしても、司が、起きて来る様子も無く、扉を開けなかった時の為に、一応、タマから、司の部屋のスペアキーを預かっていた。
そして、司は、起きて来る様子も無く、つくしは、仕方なく、スペアキーを使って、扉を開けて、部屋に入った。
其処で、つくしの瞳(め)に入って来たモノは…⁉
上半身裸の司だった。
つくしは、思いっ切り大きな声で、叫んでしまった。
「きゃーーー‼」
その声に、慌てて起きた司。
司は司で、つくしが、目の前に居る事に驚愕していた。
何が、何だか分からず、戸惑うしかなかった司だった。
思わず、司は、つくしに声を掛けた。
「何で、お前が、此処(司の部屋)に居んだよ?」
つくしは、司に背を向けた状態で、言って居た。
「タマさんに頼まれたんです。
“坊っちゃんの体調管理もお願いしたい。”と…。
だから、“時間的に朝しか確認出来ないと思うから、毎朝、坊っちゃんを起こしに行っ
て遣って欲しい。”と…。
それで、序でに、体調管理もお願いされたんです。」
其処で、司は、ピンっと来た。
タマは、司とつくしを繋げようとして居ると…。
成らば、“こいつ(つくし)に身を任せるのも良いのか?”と…司は、思って居た。
「ああ。
分かった。
宜しく頼むな‼
だけど、何で、背を向けたまま何だ?」
つくしは、顔が真っ赤に成って居る様子だった。
それには、司も気付いて居た。
司は、ニヤ気顔が収まらないで居た。
「此れからは、上半身裸のままで、寝ないで下さい。
私は、ドクターですが、一人の女、何です。
常識を弁えてもらえますか?」
司は、“常識って、何の常識だよ‼”と、思いながらも…。
つくしには、応えていた。
「分かったよ。
だから、こっちを向けよ?」
つくしは、眼を閉じたまま、司の方を向いた。
「お願いですから、今直ぐに、何か、服を着てもらえますか?」
司は、面倒臭がりながらも、つくしに応えていた。
「面倒臭くせぇなぁ~。
ほら、Tシャツを着たから、此れで良いだろ?」
司のその言葉に、つくしは、安心して、司の傍に寄り、血圧と脈拍を取って、記録していた。
そして、つくしは、司に体温計を渡し、計る様に伝えた。
「体温を測ってもらえますか?」
司は、態と、甘える仕草をして、つくしに、甘い声で、言ってみた。
「お前が、計ってくれよ?」
つくしは、『目が点』に成り、大きい目が、寄り一層、大きく見開かれていた。
「えっ??」
司は、首を傾げながら、体温計をつくしに差し出し、“ほれっ‼”と、言わんばかりに突き出した。
司のその仕草には、つくしは、驚愕して居たのだった。
