出会ってしまった…<つかつく> 20.
<司side>
俺は、拍子抜けしてしまった。
牧野は、俺を拒むと思って居た。
なのに…よ。
拒む処か?
俺に、『お供します。』と、来た。
もう、萌え死んでも悔いはねぇわ‼
で、俺は、牧野の気持ちを知りたかったから、メープルの俺のキープしている部屋に連れて行った。
支配人には、ディナーをテーブルセッティングする様に、伝えて於いた。
そして、牧野を部屋に入れた途端、目の前の眼下に広がる景色を見て、うっとりしてやがった。
窓にへばり付いて、“夜の月明かりに…、ネオンがとっても綺麗ぃ~‼”と、感激してやがった。
俺は、完全に、牧野の視界には、入ってねぇよな?
まあ、良いんだけど…な。
で、次は、テーブルのディナーを見て、“美味しそう‼”と、これまた、うっとりとしてやがった。
まあ、牧野は、食事に関しては、何時もの事だから…よ。
分~ってるんだけどよ。
な~んか、今日は、腑に堕ちねぇ。
今日は、何の為に、誘われてるのか?
こいつ、分かってるよな⁉
今一、ピンと来てねぇんじゃねぇよな?
『鈍感 牧野』が、此処へ来て、健在って訳はねぇよな⁉
な~んか、不安に成って来た。
で、俺は、訊いてみた。
「なあ、牧野…?
今日、俺が誘った意味、分かってるよな?」
牧野は、また、ぴくっと震えていた。
此の牧野の行動は、ほんと、傷付くわ、俺っ‼
「はい、一応は…?」
俺は、確認の意味も込めて、訊いてみた。
「じゃあ、言ってみろよ?」
「3ヶ月経ったので、“お試しから、今後、如何するか?”って、事ですよね?」
一応、分かってる様子だな⁉
「ああ、そうだ。
で、牧野の気持ちを訊かせろよ?」
「その前に、了承して欲しい事が有ります。
了承して下さらなければ、お答えせずに、この場を退出させて頂きます。
宜しいでしょうか?」
仕方ねぇ、了承して遣ろうか?
「分かった。
何か、言ってみろよ?」
「はい。
先ずは…?
*今後は、公私混同はしないで下さい。
例えば、リムジンの中や、専務の執務室等で、私と二人っきりに成ったとしても、今
まで見たいに、手を繋いで来たり、抱き締めたり、kissしようとしたりしないで下さ
い。
そういう事は、恋人達の時間に成ってから、お願いします。」
“う~ん…?”って事は、俺と付き合うって言ってんのか?
「言い変えれば、恋人達の時間に成ったら、俺は、お前に何をしても良いって事だよ
な?」
「限度は、有りますが…?
そういう事です。」
「分かった。
了承する。
他にも、何か、有んのか?
有るんなら、言ってみろよ‼」
「其れと…?
*必要以上に、私を専務の執務室に呼ばないで下さい。
業務の妨げに成ります。
本当に、必要な時だけにして下さい。」
成程…な?
此れも、了承するしかねぇのか?
「分かった。
了承する。
他は…?」
「それ位でしょうか?」
じゃあ、本題に移るとしますか?
「って事は、俺と付き合うって事だよな?」
「………、はい。
宜しくお願いします。」
ふん、可愛い所が有るじゃねぇか?
「良し。
じゃあ、俺からも了承して欲しい事が有る。
俺も、了承したんだ。
お前も、了承しろよ‼」
「………、はい。
如何言った事でしょうか?」
はい、牧野は、引っ掛かった。
「同棲な‼」
「えっ??」
「返事は…?」
「酷いです。」
「何が酷い…?
了承するって言ったよな?
了承しろよ?」
「………はい。
分かりました。」
こうして、俺とつくしは、3ヶ月というお試し期間を経て、漸く、本当の恋人同士に成れた。
そして、その後、俺とつくしは、俺が用意したマンションで同棲を開始した。