もしも類とつくしが兄妹だったら…<つかつく>42.
【花沢つくし 編 42.】
この時点で、孝はつくしの行動が全く読めないでいた。
秘書より、伝言を伝えて来た。
「つくし専務、本日は、社長と奥様は藤堂家にご挨拶に出向かれた様でございまして、直
帰なさるそうです。
先程、社長秘書から連絡がございました。」
「そう、了解しました。
有難う、下がって良いわよ。」
「承知しました。」
う~ん??
藤堂家……藤堂商事?
お爺様の代からの古い付き合いとは聞いているけど、ここ最近は仕事の絡みは無い筈…。
何故、急に…??
何か有れば、パパが事前に言ってくれる筈…よね?
確か、F4が幼馴染って、言ってたっけ…??
何か有るわよね…?
皆に、集合してもらおう‼
海外組のお兄様と滋さんを外した6人バージョンの『F4&T4LINE』に集合メッセージを入れた。
『今日、空いてますか?
聞きたい事が有るの?』
皆の返事は即、『OK‼』 だった。
何時ものF3&T3が、いつものレストランに集結した。
「つくしからの招集って、珍しくないって…?
初めてじゃないの?
しかも、つくしが時間通りに来てるし…。」
「………」
つくしは行き成り、切り出した。
「聞きたい事が有って…、単刀直入に聞くわね。
『藤堂静さん』って、私、知ってる??
って、言うより、花沢とは縁が有るようだけど、お兄様にも関係有り??」
全員が無言になった。
「「「「「………」」」」」
「何??
皆、揃いも揃って、だんまりって…?」
司が確認した。
「急に、どした?」
「う~ん?
私の知る限りでは、殆んど、縁は切れ掛かっていた筈なのに、秘書の話しでは、パパ
とママが、藤堂家にご挨拶に出向いていて、今日は直帰するって、連絡して来たらしい
の。」
あきらが、透かさず、フォローに回る。
「仕事絡みじゃねぇのか?」
「仕事絡みなら、私にも情報が下りてくる筈なのよね?
それにプロジェクトに繋がる絡みも無かったの。
完全なるプライベートだと思うの?」
優紀もつくしが心配になり、聞いて来た。
「つくしが知らないような隠し事が有るかもって、思っているの?」
「そうだとしか思えないの。
パパとママの動きが怪しいのよ?
何か知っている事が有るなら教えて欲しいの。」
皆、フランスで何か起こっているんじゃないかと、察知したものの、教えて良いものか迷っていた。
つくしが最後のお願いかのように、懇願して来た。
「教えてもらえない様なら、『静さん』って方の画像だけでも良いから見せて~。」
つくしは、皆に手で拝むように懇願して来た。
皆は迷って、司の方を見ていた。
“おい、皆で俺を見るな。
目配せするな、ややこしいわぃ!”
取り敢えず、画像だけを見せる事にした。
あきらが持っていた、静がフランス留学する時に空港で取ったF3&静の画像をつくしに見せた。
画像を見たつくしは、途端に頭を抱えて、一瞬、蹲り出した。
それも2~3分くらいの事だったので、皆は気にして居なかったが、何か有れば病院に行くと約束させられて、つくしは皆とは別れていた。
司はあの時、ちゃんと着いて居て遣るべきだったと、後悔していた。
あの日以来、つくしの様子が可笑しくなって行った。