誤解だ…(好きなのに…(続編))<総優> 2.
【恋人 編】
桜子がどうやって女共を成敗したか分からないが、1人の女が戻って来て、少ししたら、慌ててパーティー会場から出て行った。
その後、少ししてから、桜子が優紀を連れて戻って来た。
優紀の様子が可笑しい、完全に俺を避けてる。
目を見たら、泣き腫らしたのか、目が真っ赤だ。
「皆さん、今日は、優紀さんと私、先にお暇しますね。
申し訳ないんですが、優紀さんがお疲れの様ですので…。
それと、西門さん、今日は優紀さんをお預かり致しますわ。
宜しかったでしょうか?
先輩には先に帰る事を、私からお伝え致しますので…。」
総二郎は優紀が気に成って仕方なかったが、取り敢えず、この場では納得するしかなかった。
「分かった、桜子、優紀を宜しく頼む。」
「承知致しましたわ。
あきらさん、後で、連絡致しますわ。」
あきらも頷いた。
「分かった。」
事の発端は、レストルームでの出来事に遡る。
桜子は扉の外から全てを聞いていた。
優紀を慰めたが、優紀が引っ掛かっているのは、『3回ルール』の事だった。
今は遣っていないと信じたいが、あの女が言った、「今も遣っていらっしゃるようね?」の一言だった。
もしも、あの女が言った様にまだ、遣っているなら、裏切り行為だけでは済まない。
総二郎は、全てを敵に回してまで、危険を冒すとは、とても思えない。
でも、過去が有るだけに、俄かに信じ難くとも、心の底から信じきれないのが今の優紀の気持ちだった。
だからと言って、総二郎には聞けない、聞いてはいけないと、思う優紀だった。
桜子は、全てをあきらに伝えた。
あきらも、“今はやって無いだろう。”と、言うが、はっきりとした事は分からない。
そんな時、F4の招集が掛かった。
総二郎は、あのまま、1週間、優紀に会って居なかった。
総二郎は、あきらに詰め寄った。
「あの時、優紀の身に何が有ったか、あきらは桜子から聞いてるんだろ?
何が有ったか教えてくれないか?
あのまま、優紀に会えてないんだ。
お袋は三条邸に行ってるみたいだから、会えてる見たいだけどな。
俺は会わせてもらえねぇんだ、優紀の気持ちが落ち着くまでは…、ってな。」
総二郎は、あきらから、桜子の伝えて来た全てを話しして聞かされた。
総二郎は怒りを露わにして…。
「俺が今でも『3回ルール』を遣ってると思うか?
そんな暇ねぇよ。
優紀にも会いたくても我慢してる時も有るくらいなのに。
それに、今の俺が全てを敵に回してまで、危険を冒すと思うか‼」
「俺もそうだとは思ったが、女が見たように言ってたと成るとな…俺も言い訳出来ねぇだ
ろ。」
総二郎はかなり大きな声で、怒鳴るような、叫ぶような言い方で言った。
「何処の誰だよ、そんな出鱈目言ってやがるのは…?」
「○○産業の娘。
総二郎、お前、昔、“しつこい女が居る”って言ってただろ。
あの時の女って、○○産業の娘じゃなかったか?」
「って事は、昔の『3回ルール』の女って事じゃん。」
「馬鹿だな、総二郎…、だから、あれ程、言っただろ。
“何時までもそんな遊びしてたら、後悔する時が来るぞ”って…。」
「………」
あきらは確認するように言った。
「総二郎、これからどうするよ。」
「どうするも何も、“今はしてねぇ”って、説明するしか無いわな。」
「優紀ちゃんがそれで納得するか?」
「させるしかないだろ。」
「てめぇの女だからな、自分で処理するのが一番良いだろうな。」