慕情そして恋情…<つかつく> 29.
<司side>
俺の執務室に総二郎が血相を変えて、入って来やがった。
「司、お前、知ってたのか?」
「はぁ~??
何をだ?」
「翼が、『麻耶』を好きだって事だ?」
「はぁ~??
俺は、聞いてねぇ?
つくしなら、知ってるかも知れねぇな?」
「ああ、そうかも知れねぇぞ‼
俺も優紀から、聞いたからな。」
「まあ、取り敢えず、つくしの執務室に行くか?
西田、悪ぃ、つくしの執務室に言って来るわ‼」
「賜わりました。」
<つくしside>
私の執務室は、行き成り、賑やかに成った。
何故か、私の執務室には…。
私が、此処に呼んでいた翼に、血相を変えて入って来た、司と西門さん、それに、元々居た桜子に、秘書の麻耶ちゃんに、私…。
今日に限って、“如何言う事よ‼”と、叫びたくなった。
「はぁ~??
翼、お前まで、居んのか?」
「俺は、母さんに呼び付けられただけ。」
「如何して、叔父様が此処に居るの?」
「それを言うなら、何で、桜子まで居んだ?」
「私は、あきらさんに頼まれて…。」
「はぁ~??
何で、あきらがつくしに用が有んだ?」
「先輩じゃなくて、翼君にですよ‼」
ああ、もう、ややこしいったら無い。
「だから、翼の件で、皆、此処に居るって事でしょ?」
「えっ、俺?」
「翼、白状しなさい‼
桜子から、聞いたわよ‼」
「はぁ~??
今、此処で~?」
まあ、確かに、本人の居る前では言い難いわよね?
でも、このままでは、埒が明かないのよ…。
翼、観念しなさい‼
「翼、何時(いつ)からだ?」
「何で、父さんが怒ってるんだ?」
「これは、うち(道明寺家)だけの問題じゃねぇだろ?」
「ちゃんと、叔父に当たる総二郎にもキチンと話しを通さねぇとな‼」
ちょっと、告白される本人が、此処に居る事を忘れてません?
麻耶ちゃんが首を捻り出したじゃないの…。
「司、話しをややこしくしないで‼」
「はぁ~??
何で、俺がややこしくしてんだよ?」
気付いてない父親って、拙くない?
「道明寺さん、本人を飛ばして、話しをややこしくしない方が良いと、思いますが…?」
何故か、其処に美作さんが、私の執務室に入って来た。
「はぁ~??
あきらまで、何で来てんだ?」
「私が呼んだんです。
このままだと、埒が明かなそうだったので…。
それに、如何考えても、翼君が不利そうだったので…。」
「ああ、もう直ぐ、類も来んぞ‼」
「はぁ~??
何で、花沢類まで来るのよ?
余計、ややこしく成る一方じゃない?」
「類が、見付けたんだよ。
翼の変化を…。」
司と私は、一斉に、驚愕した。
「「はぁ~??」」
其処に、扉の向こうで話しを一部聞いて居た類が、私の執務室に入って来た。
「誰が、余計に話しをややこしくするの?」
此れは非常に拙い⤵。
此処は、素直に謝って於こう‼
「ごめんなさい、花沢類‼」
「つくし、お前、類には自棄に素直じゃねぇか?」
こっちも拙いじゃん⤵。
「司、その話しは、後にしよ‼」
「分かった。
その言葉、覚えて於けよ‼」
やっぱり、寄り拙く成ってんじゃん‼
で、翼の話しは何処に行ったのよぅ~⁉