もう、逃げられない…<あき桜> 後編
<桜子side>
その後、私と美作さんとが、お付き合いした切っ掛けは、美作さんが、美作邸にいらっしゃった時…。
美作シスターズと約束して、私が、美作邸にお邪魔していた時に、美作シスターズが、言った一言からだった。
「「桜子お姉ちゃまが、絵夢と芽夢の本当のお姉ちゃまに成ってくれたら、嬉しいのに
なぁ~‼」」
美作シスターズが言った一言に、気を良くした美作さんが、美作シスターズに約束を交わしていた。
「桜子が、良い返事してくれねぇんだ‼
けどな、桜子に、“うん‼”って、言わせるから、待ってろ‼」
「「うん、お兄ちゃま、頑張ってぇ~‼」」
美作シスターズは、美作さんにエールを送り出した。
で、私は、夢子さんから、突っ込まれる事態に成ってしまって居た。
「何で?
桜子ちゃん、あきら君の事、嫌いに成ったの(泣)?」
と、言われる始末。
嫌いな訳じゃない。
唯、有り得ないと、思って居るだけ…。
だって、美作さんが、私を好きに成って下さって居るという、そんな素振りを、私は、こんなに、美作邸にお邪魔して居るのに、一切、感じた事が無かったのだから…。
だから、私は、美作さんと二人っきりで、訊きたい事が有ったので、美作さんの部屋に連れて行ってもらった。
「お伺いしたい事が有るので、二人で、お話し出来ませんか?」
「じゃあ、俺の部屋にでも、行くか?」
「はい。」
で、私は、美作さんのお部屋で、話しする事に成った。
私は、意を決して、美作さんに訊き出して居た。
「美作さん、私と付き合うと大変だとは思わないんですか?
私を、“『女策士』だ‼”と、散々、西門さんとご一緒に成って、弄っていたのに…。
今更ですよね?」
美作さんは、“ヤバい‼”って、顔に成って居た。
「………。
そうだよな、嫌がらせだったよな?
反省してるよ。」
美作さんは、一呼吸置いて、尚も、私に告白して下さった。
「俺な、桜子に此処まで入れ込むとは思って居なかったんだ。」
「………。
そうでしょうね。
そんな素振り、見た事、無いですもん。」
「なぁ、桜子、俺にしとけって…⁉
後悔はさせねぇから。」
「………」
どうしよう?
OKするの?
ああ~、どうにでもなれ…。
「桜子…??」
「私を大切にして下さいますか?」
「勿論、当然だろ‼」
「じゃあ、分かりました。
宜しくお願いします。」
まだ、疑わしいのか、美作さんは、再度、私の顔を、じーっと、見ながら、私に確認して来た。
「マジ、何だな?
OK、何だな?」
「はい。」
「よっしゃー!
桜子、サンキューな。
これから、宜しくな‼」
こうして、私達は付き合う事と成った。
"付き合う事に成った‼”と、美作シスターズに話しする為、また、美作さんと私は、リビングに下りて行った。
絵夢ちゃんと芽夢ちゃんは喜んでくれた。
また、何処からともなく現れた美作さんのご両親にも、喜んで頂いた。
で、絵夢ちゃんと芽夢ちゃんから、“えっ??”と、私が、驚愕する様な言葉を言われた。
「「桜子お姉ちゃま…。
早く、お兄ちゃまと結婚して、絵夢と芽夢の本当のお姉ちゃまに成ってね‼」」
夢子さんから、“先走りでは…?”と、訊き返したく成る様な言葉を、私は、言われてしまった。
「嬉しいわ。
私(わたくし)には、3人も娘が出来るのね。」
あきらさんと私は苦笑いで在った。
私は、あきらさんと、お付き合いする事と成って直ぐ…。
『美作さん』呼び➡『あきらさん』呼びに変えさせられていた。
また、F3&T3にも、報告した。
「「「「「良かったな(ね)‼」」」」」
と、喜んでくれた。
で、こうして、あきらさんと私のお付き合いは今も続いている。
その後、先輩と道明寺さんの婚約パーティーが開催された。
其れに伴い、私達も、あきらさんのご両親から、催促される毎日に成ってしまった。
特に、あきらさんのお父様から、言われていた。
「そろそろ、考えないとな。」
私は、“まだ、良い。"とは言えず、誤魔化していたのに…。
まさかのあきらさんから、誤魔化しが利かない言葉を言われてしまった。
「俺もそろそろと、思ってるんだが…。
桜子はまだ早いと思ってるみたい、何だ。」
何て、言い出すもんだから、夢子さんからは、泣きながら言われてしまった。
「桜子ちゃん…?
あきら君との結婚は、嫌なの…(泣)。」
嫌な訳がない…。
それ処か?
前よりもっと、好きになってる…。
でも、押しに推されて、結局、私達の婚約パーティーが開催された。
私は、美作家から、『もう、逃げられない』のだろうか?
其れが嫌って訳じゃない。
でも、美作家の押しの強さに、驚愕しか無い。
でも、美作さんとなら、“其れも有りか⁉”って、今では、思えてる。
そして、先輩達は来年の道明寺さんのお誕生日の1月31日に…。
私達は、来年のあきらさんのお誕生日の2月28日に…。
それぞれ結婚式を執り行う事になった。
そして、西門さんと優紀さんは、やっと、優紀さんが何もかも知ったらしい事で、私達の結婚式から、約1年後に結婚式を執り行った。
私は、あきらさんから、“もう、逃げられない‼”と、悟った。
もしかしたら、私は、美作家からも、もう、逃げられないかも知れない。
こうして、私は、美作家にも、そして、一番には、あきらさんからも…。
もう、逃げられないという事に成ったのだった。
fin