もしも類とつくしが兄妹だったら…<つかつく> 11.
【花沢つくし 編 11.】
NYに戻って来た楓は、夫である道明寺会長に事の経緯を話しした。
話しを聞いた道明寺会長 保は、幼馴染である親友の花沢孝(こう)に電話した。
「やあ、孝、久し振りだね。」
「ああ、保…か?
久し振りだったね。
先日は忙しい中、楓さんにパーティーに出席してもらって悪かったね。」
「否、大丈夫だよ。」
「ところで、つくしさんが実子とは、どういう事、何だ?」
「ああ、その件か?
保に嘘を付いても仕方ないから、正直に話すよ。
実はな、………………………と、言う事、何だよ。」
孝は、事の経緯を包み隠さず、全てを保に話しして聞かせた。
「そうだったのか。
なら、孝に頼みが有るんだ。
司を日本に帰国させようと、考えている。
司がつくしさんに接する事を許しては、もらえないだろうか?」
「それは無理だな。
かすみも類も司君とつくしが会う事は良くは思っていない。
それにさっき話ししたが、つくしには過去の記憶が無い。
今、司君につくしが会えば、苦しむ事になるんじゃないかと危惧してしまう。
子供の心配をする事は親の性だろ。
悪いが、いくら親友の保の頼みでも、こればかりは聞けないな。」
「やっぱり、無理か?
いくら頼んでもか?」
「楓さんの考えが変われば…、かすみにも類にも話ししようが有るだろうが…な。
今の現段階では難しいだろうな。」