有り得ないっつーの‼…<つかつく> 2.
<司side・回想>
道明寺司 33歳 独身 勿論、×(バツ)も付いてねぇ。
道明寺HD 副社長を務めて居る。
俺は、一方的に牧野からメールで別れを伝えられた後…。
牧野に了承して居なかった筈の俺は、ババアより、牧野とは別れたとされ、ババアに了承もしてねぇのに、勝手に、婚約発表の為の記者会見をされていた。
勿論、俺は、其の記者会見には、了承もしてねぇし、同席もしてねぇ‼
なのに…だ。
俺は、ババアから、言われた言葉に驚愕した。
「もう、婚約発表して、記者会見までしたんです。
今更、無かった事には出来ません。
従って、貴方には、政略結婚に応じて頂きます。
宜しかったかしら…?」
俺は了承しなければいけねぇ状態にされていた。
「分かった。
但し、名前を貸すだけだ。
俺は、そいつとは、一緒には住まねぇし、相手が誰だろうと俺は知らねぇ。
結婚式、披露宴も俺は出ねぇ。
勝手に、俺の身代わりを立てろ‼
俺には、そいつだけでじゃなく、パーティーのパートナーは、今後も要らねぇ。
俺は、道明寺HDの為だけに生きる。
後継者は、養子を貰ってくれ‼
此れの全てに了承するんだったら、受けて遣る。
もし、俺を裏切ったら、道明寺HDを潰す。
嘘じゃねぇぞ‼
文書化して渡すからサインしろよ‼」
俺は、此れだけ言って、後日、誓約書を西田に預け、ババアにサインをさせ、今でも、俺が預っている。
その後、訳の分からねぇ婚約者とか名乗っている女が、“此れでは、婚約者とは言わない。”と、言ってほざいたらしく、婚約破棄して来たらしい。
ババアが勝手にした婚約発表から、3年は経っていた。
欲を考えての事だったのだろうが…。
相手側の企業から、弁護士を通じて、莫大な慰謝料請求がされ、此の事が親父にバレ、親父に寄って、ババアは経営権から撤退させられた。
親父はババアだけでなく、婚約者とされた親の企業との提携を解消し、一切、無かった事にした。
その為、他企業からの信頼をも失墜する形に成った相手企業は、経営が成り立たなく成り、倒産に追い込まれた。
かなり、反発して来たそうだが、親父は応じなかったそうだ。
相手企業も甘い汁を吸うだけ吸って居ただろうに…。
吸わせた方が悪ぃんだろうけどな。
今でも、後悔して居る事が俺には有る。
牧野から貰っていたメールを、“何故、もっと早く読まなかったんだ…。”という事。
牧野から、携帯に入っていたメールは、届いてから1週間は経っていた。
あの頃は、次から次に難問が降り掛かり、メール処では無かった。
言い訳じゃねぇが、『牧野なら、分かってくれる』という甘い考えが俺の判断を疎かにさせた要因だった。
牧野からのメールの内容は、今でも、削除出来ずに残している。
多分、ババアから、強要されたんだろう事は推測出来た。
多分ではなく、ぜってぇそうだろう。
~~【牧野から、貰ったメール】
『道明寺へ
元気にしてますか?
仕事、頑張っている様だね。
道明寺、私、此れから、司法試験現役合格を目指す事に成ったんだ。
此れからは、学業と司法試験の勉強とバイトも掛け持ちで忙しく成りそうだか
ら、道明寺の相手をして居られなく成りそうなの。
だから、別れましょ‼
今まで、本当に、有り難う‼
道明寺、幸せに成ってね‼
くれぐれも、身体には気を付けてね‼
食事と睡眠は大切だよ。
つくし』~~
“何だよ、『俺の相手』って…⁉
いい加減にしろよ‼
一方的に、別れ宣言って、何だよ。
俺は了承してねぇぞ‼
今まで、頑張って来れたのも、牧野が居たからだろ‼
牧野、俺は別れてねぇからな‼”と、俺は、牧野のメールを読み乍ら、心の中で、叫んでいた。
だが、どんなに叫んでも、あいつには通じねぇ。
会えずして、声も聞けずして、終わりはねぇよな。
俺は、少しの間、立ち上がれずに居た。
何故なら、メールを見た直後、牧野に連絡しても、携帯が繋がらねぇ。
メールもLINEも通じねぇ。
西田に調べさせた処…。
如何も、携帯を解約してやがった。
<此の二次小説『有り得ないっつーの‼…<つかつく> 2.』は、<司side・回想>の
為、短めに成っております事を了承願います。>