夜桜パーティー…<総優>・<つかつく> 6.
<総二郎side>
類が、唐突に、俺に声を掛けて来た。
驚愕の余り、俺は、一瞬、類の顔を見る事しか出来なかった。
「総二郎…?
約束してるから、このまま、藤堂邸に向かって…。」
「「はぁ~??」」
俺だけじゃねぇ、あきらも、驚愕してやがる。
「如何言う意味だ?」
「良いから…。
後で、説明するから…さ。」
俺は、取り敢えず、運転手に場所の変更を伝えて、藤堂邸に向かわせた。
で、藤堂邸に着いた時、類は、一旦、下りて、静を迎えに行った。
類は、静をエスコートして、類は、一緒に、静の手を支えて遣りながら、リムジンに乗り込んできた。
俺とあきらは、驚愕ってもんじゃ無かった。
類と静の其の動きが、スマート過ぎる位ぇ、自然で…。
類と静の其の動きを見ていた俺は、言葉が出なかった。
否、俺だけじゃなく、多分、あきらもか…?
で、声を掛ける事が遅れてしまった。
だからだろう。
類から、口火を切って来やがった。
「何々、総二郎もあきらも、静が、綺麗に成ってるから、言葉も出ない様子だね?」
「「………」」
否、そう何だけど…よ。
違ぇ意味で、驚愕だわ?
俺は、やっとの事で、言葉が出た。
「類、如何言う事だ?」
「う~ん、そういう事?」
「「はぁ~??」」
意味が分かんねぇ?
あきらも、そういう顔付きで居るのが分かった。
「だ・か・ら~。
静は、俺のなの‼」
「「はぁ~??」」
もう、驚愕を通り越えて、俺もあきらも、“何も言えねぇ‼”状況だった。
静は、苦笑い状態だった。
多分、司と牧野が見たら、もっと驚愕するだろう事は言うまでもねぇよな?
あきらが、類に追及する様に聞き出そうとしていた。
「類…?
静と付き合ってんのか?」
「まあ、そういう事。」
俺も、参戦した。
「何時からだ?」
「最近、だよね?」
類は、静の方を向きながら、言って居た。
静も頷いて居た。
あきらが、切り出した。
「何処で、再会したんだ?」
「うん…?
パーティーで…。」
類は、いつも、そうだが…?
類の答えが、簡潔過ぎるんだよな?
簡潔過ぎて、意味が分かんねぇ時が有る位ぇだ‼
あきらも、詳しく言わなさそうな類を突っ込んでも埒が明かねぇ事は分かり切っているので、その時は、それ以上、ツッコミはしなかった。
まあ、元々、類は、静に惚れて居たんだし…よ。
牧野は、今や、司の彼女だしな。
再会してしまえば、“類と静も成る様に成ったんだろうな。”って事は、俺には、分かった。
けど、あきらが、更に、食い込んで聞いて居た。
「静、フランスで結婚したんだよな?
俺等 F4&牧野が、結婚式に招待されたよな?」
静は、聞かれる事は、承知してんのか?
静かに口を開いた。
「そうね。
あれから、2年後には、離婚して居たの。
お互いの仕事の多忙さに、擦れ違いは否めなかったの。
勿論、分かってた事よ。
でも、彼が、女性秘書と浮気して居る事が分かって、『The end』よ。
私は、日本人。
相手の女性は、彼と同じフランス人。
“考え方の違う相手と口論するより、同じ考え方の出来る相手の方が気が楽だ‼”って、
言われてしまえば、何も言えないでしょ?
だから、そういう事よ。」
俺とあきらは、静の潔さに、感服していた。
あきらは、尚も、突っ込んでいた。
「で、静は、今は、日本か?」
「日本とフランスを行ったり来たりかな?
彼と一緒の事務所は辞めたから…。
今は、日本人の依頼を目的としたフランスの事務所と契約して居るのよ。」
成程な‼
俺とあきらは、納得していた。