tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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まだ、知らない世界…<つかつく>  9.




【桜子の回想…。】


あの日から、数日が経った頃…。


そう、『あの日』とは…。
椿さんが、弊社に来訪された事で、私が、F3の皆さんと、私単独で、会ってから…。


そう、『あの日』から、数日が経ったのだ。



先輩を可愛がって下さって居る商工会の重鎮の企業経営者の会長から、先輩との会食のお話しの為…。
商工会の重鎮の企業経営者の会長の秘書の方から、私に連絡が入って来た。


お断りする理由が無く、私は、先輩に会食の打診を申し出ていた。


「○○会長より、会食のお話しが入って来ました。
 如何(いかが)為されますか?」


先輩も、二つ返事で了承してくれた。


「了解しました。」



先輩は、あれから、道明寺さんの件に関しても、一切、触れて来なく成って来て居たので、私は、油断していた。



実は、先輩は、強硬手段に出て来たのだ。


会食先での会長との会食中に、座布団から下りた先輩は、土下座をする様に、三つ指を突いて、頭を深く下げ、会食相手で在る 会長に懇願していた。


驚愕して居たのは、会長だけでは無く、勿論、同席していた会長の秘書も、先輩の秘書で在る 私もだった。


先輩は、会長に頭を下げたまま、懇願していた。


「会長に、ご相談が御座います。
 私を企業人として、此処までに育てて下さり、感謝の気持ちで一杯です。
 しかし、今回は、そんな会長を裏切るかも知れない事案が御座います。
 私は、『道明寺司』を助けたいんです。
 いいえ、救い出したいんです。
 如何か、私の願いを叶えて頂けないでしょうか?」


会長は、優しい顔付きで、孫を見る様な目付きに成り、先輩に訊いて居た。


「つくしちゃん…。
 其れは、元恋人として、助けたいのかね?
 其れとも、一企業人として、助けたいのかね?」


先輩は、頭を上げ、会長の顔を見詰めていた。


だが、先輩は、我に返って、其の後、直ぐ、会長に返答していた。


「元恋人として…です。」
「其れは、今でも、彼を好きという事かな?」
「はい。
 今までは、事情が有っての事でしたので、敢えて、気持ちを抑えて参りました。
 ですが…。
 先日、『道明寺司』の現状を伺った時、胸が苦しく成って仕方なかったんです。
 ですから…。
 私自身の為にも、もう、後悔したく無いんです。
 また、彼を失う事に成れば、多分、私自身が、今後は、生きてはいけないと思います。
 だから、今回は、私を見逃して頂きたいんです。
 如何か、お願い致します。」


其の時の先輩は、また、深々と、頭を下げていたのだ。


私は、其れ程までに、先輩の心を掻き乱す道明寺さんが許せなかった。


だが、其の時の私は、気付いてしまった。


“私が、先輩を失いたく無かったんだ‼”と…。


先輩の幸せは、花沢さんが仰る通り、“道明寺さんと共に在ったんだ‼”と…。


“先輩を引き留める事を止めにしよう。”と、私は、心の中で、思えていた。


其の時、会長が、先輩を諭し始めて居た。


「つくしちゃんの気が済むまで、NYに行ってお出で。
 しかし、企業人としては、会社を見捨て無い事。
 其れが、第一条件だ‼
 皆には、私から伝えて於こう‼」
「会長…。
 有難う御座います。」


先輩は、また、深々と頭を下げたまま、会長にお礼を言って居た。


先輩は、涙を流し始めて居た。
いいえ、既に、先輩は、涙声で、会長にお礼の言葉を伝えていた。


そして、先輩は、頭を上げて、私の方を向き、私にも、訊いて来た。


「桜子…?」


だから、先輩の言葉を最後まで聞く前に、私は、頭を縦に振った。


先輩は、私にも、礼を言って来た。


「桜子…。
 有難う‼」
「………」


私は、何も、言えずに居た。


唯、頭を縦に振っただけだった。



会長は、更に、先輩に言って来た。


「つくしちゃん…。
 クラウンCEOにも、会って、きちんと、話しして来なさい。」


先輩は、涙を流しながら、間髪入れずに、会長に答えて居た。


「はい、其のつもりで居ました。」



そして、会食が終了して、会長を見送った後…。
私と先輩は、(三条)邸に、帰って来た。


そして、其の後の先輩は、(三条)邸に戻って直ぐ、先ず、お祖母様の部屋に向かい、許しを請うて居た。


お祖母様も、会長から、既に、お聞きに成っていた様で、優しい顔付きをしていた。


先輩は、如何も、お祖母様から、怒られるとでも思って居た様子だった。


で、緊張の面持ちで居た先輩は、お祖母様に、深々と、頭を下げたまま、許しを請う為…。
お祖母様に、話し始めていた。


「おばあ様…。
 此れから、私が、行う行動は、決して、おばあ様に、許される行動では無いと、認識し
 ております。
 私が、此れから行う行動は間違い無く、おばあ様を裏切る行為だと認識もしておりま
 す。
 ですが…。
 もう、此れ以上…。
 彼を失いたく無いんです。
 如何か?
 私を見逃して遣って下さいませ。」


そして、先輩は、お祖母様からも、許しを得ていた。


「つくしちゃん…。
 貴女の本気度を、私(わたくし)に、見せて頂戴‼
 貴女が、起業家の皆様 や 私(わたくし)に、許しを請うてまで、道明寺家の御曹司
 を救いたいと言うのなら、つくしちゃん自身が、彼を立ち直らせて魅せなさい。
 其の上で、また、私(わたくし)達の下に、戻っていらっしゃい。
 宜しくて…?
 つくしちゃん…。」
「はい、有難う御座います。
 おばあ様…。」


もう、先輩の顔は、涙で、ぐじゃぐじゃだった。


かく言う私も、先輩同様、涙で、ぐじゃぐじゃだった。


そして、先輩は、“此れで、大手を振って、NYに行く事が出来る‼”と、ホッとしていた様子だった。




だから、此の事は、私から、F3に、報告した。


勿論、報告したのは、“美作さんに…。”と、言う事は、言うまでも無い。


私は、F4の中では、一番、美作さんが、喋り易い事に気付いて居た。



先輩が、NYに渡米するに当たり…。
私は、先輩から、弊社の『社長代行』という任務を仰せ付かった。


そんな私が会社を取り仕切る際に、“手助けする‼”と、美作さんは、仰って下さった。


“頼って視ても良いんじゃない?”と、先輩から、後押ししてもらっていた私だった。


他人(ひと)に頼る事に慣れて居ない私だったが…。
美作さんなら、“頼っても良いかも‼”と、私が思った事は、言うまでも無かった。


先輩は、優しい顔付きで、私を観て居た。


何か、照れてる私が、其処に居た事は事実だった。

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