kisshug…<つかつく> 4.
<椿side>
私はあきらから連絡を受け、取るもの取らず、慌てて、日本に帰国して来た。
日本に到着するなり、道明寺総合病院に駆け付け、司を見舞った。
司は過去を彷彿とさせる様な状態で、唯、ベッドに寝て居た。
私はあきらに尋ねた。
「つくしちゃんは…。」
「イギリス何だ。」
「如何いう事よ、司の一大事に…。」
「国際弁護士の資格を取得する為に、あの裁判後、直ぐ、渡英したらしいんだ。」
「何て事なの…⤵。」
つくしちゃんが居ない何て…。
お母様、何て事してくれたのよぅ~‼
「つくしちゃんが居なかったら、司は…、このまま?」
「分からねぇけど、そうかも…な⤵。」
「………」
万事休す⤵。
「私、つくしちゃんを連れ戻しに行ってくるわ。」
「止めとけよ、姉ちゃん。」
「何でよぅ~。」
如何してよ?
何故、迎えに行く事も出来ないのよぅ~。
「自分の意思で牧野が戻って来ねぇと、司を救い出せねぇだろ?
姉ちゃんの気持ちも分かるけど…な。」
「そんな事って…⤵。」
有り得ない、有り得ない、本当に有り得ない。
司~、私は、如何したら、あなたを救えるの?
<類side>
あきらと総二郎と俺は、松岡の携帯から牧野に連絡してもらって、話しをするつもりで居た。
しかし、松岡の携帯でも、牧野に連絡が付かなく成る等、想像を超えていた。
司を救出せるのは今や、牧野しか居ない。
俺達は、動き出そうとしていた。
NYに居る司の母ちゃんの下に…。
牧野の受けた司の母ちゃんの呪縛を解く鍵も、司の母ちゃんだと、俺達は踏んだからだ。
「今日はお忙しい処、すみません。」
「いいえ、あなた達に司を預けたままで申し訳なく思っているのよ。
司はあのままかしら?」
「はい、そうです。」
「そうなのね。
それで、今日は何かしら?」
「牧野が受けた道明寺社長の呪縛を解いて欲しいんです。」
「はぁ~、何の事を仰っているの?」
「司から離れる様に牧野に仰いましたよね?」
「彼女がそう仰ったの?」
「いいえ、牧野は何も言わず、俺達の前から姿を隠しました。
それが何よりの証拠でしょ?」
高校生だけならのみならず、大学生になっても牧野がずーっと、貴女(楓)から受けて来た呪縛。
だから、俺達は、敢えて、探さなかった。
牧野が自ら、俺達の前に現れる事を願って…。
「私がその呪縛を解けば、司は助かるとでも…?」
「ええ、少なくとも、司はそう、願っている筈ですよ。」
「私(わたくし)に助けられないのに、あの娘に助けられるとでも…?」
「はい、牧野でないと、司を救い出せないと思いますよ。」
「………、何を根拠に…?」
まだ、分からない何てな…?
母親の性か?
「少なくとも、司が愛している経った一人の女性だからですよ⤴。」