お見合いパーティー…<つかつく> 短編①
11月6日…お見合い記念日
(未来の社会の為に、1947(昭和22)年に東京の或る場所(河畔)にて、集団お見合いが
開催された日と言う事で制定されたそうです。)
〈此の二次小説『お見合いパーティー…<つかつく> 短編①』は、諸事情に寄り、11月
6日から少し遅れての投稿と成って折ります事をお詫び申し上げます。
了承の程、宜しくお願い致します。〉
【分岐点…司が港で暴漢に遭った後、つくしだけの記憶を失くし、椿だけでは無く、タマに
も手に負えない程、元に戻ってしまった司は自身の母親に寄ってNYに渡米させられて、
其の後、数年経って日本に凱旋帰国して帰って来た所から…のお話し。】
実は、此の日のつくしは、英徳高校の後輩で在り、其の後も、親友で在る 桜子から呼び出しを受けて居たのだ。
「先輩…そろそろ、道明寺さんの事を諦めたら如何(いかが)ですか?
あれから数年経っても先輩の事を思い出さない何て…。
今の道明寺さんは、先輩の事を思い出す気が無いんじゃ無いですか⁉
だったら、一層の事…次の恋でもして視ませんか?」と…。
勿論、此の時の桜子は、態と、つくしにそう言って居たのだ。
其れは、まるで、つくしを挑発するかの如く…。
だが、此の時のつくしは、既に、【待つ】という事に疲れて居たのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしは、何時(いつ)もとは違い、桜子が拍子抜けする位に、素直に桜子に返答するのだった。
「そうだよね。
何時(いつ)迄経っても、私の事を思い出してくれない様な道明寺寄りも、次の恋に向か
うべきだよね。
もう、そろそろ、道明寺の事を忘れなくちゃ…ね。」と、切なそうに…。
だが、如何しても、此の時の桜子にはつくしに言わなくてはいけない話しが有った為に、態と、つくしに仕掛けて居たのだ。
だからこそ、此の時の桜子は、そんなつくしの様子を伺い乍らも、軽快な様子で言って除けるのだった。
「其処迄、先輩が道明寺さんの事を忘れる気に成ったのなら…。
私と一緒に、『お見合いパーティー』に出席して視ませんか?
優紀さんは、既に、西門さんとお付き合いなさって居ますから、今回は無理でしょうけ
ど、滋さんならお誘い出来ると思い、既に、お誘いして居るんです。
だから、先輩も私と一緒に行きましょ!」と…。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、そんな桜子の様子に挑発されたかの如く、思わず、口に出してしまうのだった。
「そうだね。
私も其の『お見合いパーティー』に出席するよ。」と…。
実は、つくしからそんな返答の言葉を聞いた此の時の桜子の心の中では、密かに、ほくそ笑んで居たのだった。
“此の時点で、既に、私達の作戦は成功したも当然ですわ。”と…。
其処で、此の時の桜子は、“先輩の気持ちが覆らない内に…。”と、云わんが如く、理由を付けて、さっさとつくしと別れ、其のままの足であきらに連絡を入れてつくしの意思を伝えるのだった。
だからだったのだろう。
此の時のあきらは、桜子からのそんな話しを聞いて、“桜子、良く遣った!”と、云わんが如く、桜子に返答するのだった。
「そうかぁ~。
等々、牧野は、司の事を忘れる気に成ったのか?
何か、複雑な様な気もするが…。
まぁ~、今は、其れで仕方ねぇな。」と…。
何故、あきらがそんな風に桜子に言って居たのかと言うと…。
実は、此の時のあきら と 桜子には成し遂げなければ成らない作戦が有ったから…だったのだ。
其れは、実は、未だ、つくしの記憶を取り戻して居ない司の(脳の中の『古い記憶』をファイリングされた)『大脳皮質』を刺激する為…だったのだ。
云わば…。
此の時のあきら と 桜子は、司が失ったつくしだけの記憶を取り戻させる事が目的…だったのだ。
だからこそ、此の時の桜子は、態と、つくしを『お見合いパーティー』の場に誘ったのだから…。
そして、此の時のあきらは、桜子からのそんな話しを聞いて直ぐに、司の顔の表情を見て視たいという理由で、ビデオ通話にて、司と連絡を取るのだった。
勿論、此の時のあきらが司に連絡を入れた理由(わけ)は、唯一つ…だったのだ。
「よぉ、司君…司も凱旋帰国して帰って来た事だし…よ。
司にお願いが有るんだわ。
俺と一緒に行ってもらいてぇ所(とこ)が有んだけど…よ。
司は、俺と一緒に行ってくれるか?」と…。
だが、如何言う意図が有ったにしても、例え、自身の幼馴染で親友で在る あきらからそんな話しを聞いても、此の時の司は解せなかったし、勿論の事、此の時の司の顔付きは怪訝な顔付き…だったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時の司は、怪訝な顔付きのまま、あきらに訊き始めるのだった。
そして、此の時の司は、更に、あきらに自己主張するのだった。
「何で、俺がお前と一緒に行かねぇといけねぇんだよ⁉
俺は行かねぇぞ‼」と…。
だが、此の時のあきらは、そんな風に司が自身に言い返して来る事自体、既に、分かり切って居た事なので、更に、司自身が気に成るで在ろう言葉を呟く様に言って除けるのだった。
「そうかぁ~、司は俺と一緒に行く気がねぇのか?
俺と一緒に行かねぇと、後々、司が後悔すると思うんだけど…なぁ~。
其れでも、司は、俺と一緒に行く気がねぇんだな!」と、煽る様に…。
だからだったのだろう。
其処迄、あきらからそんな風に言われてしまった此の時の司は怪訝に思い乍らも、結局、了承の意をあきらに伝えるのだった。
何故なら…。
此の時の司は、あきらからのそんな誘いの話しを聞いて、“一体、何が有るんだ⁉”と、興味が湧いたからこそ、あきらに了承の意を伝えたのだった。
「分かったよ。
お前の言う通りに一緒に行けば良いんだろ、行けば…。」と…。
だが、実は、此の時の司の心の中では、半分、自棄糞(やけくそ)気味…だったのだ。
だからだったのだ。
此の時のあきらは、そんな司からの返答の言葉を聞いた事で、密かに、ほくそ笑むのだった。
“ほんと、司は、単純明快で助かるよ!”と…。
という訳で、数日後に執り行われる予定に成って居る『お見合いパーティー』の場には、あきら と 桜子から誘われた司 と つくしは勿論の事…。
それぞれ、司 と つくしを誘ったあきら と 桜子だけでは無く、桜子から誘われた滋と、『お見合いパーティー』の話しを聞いて興味を持った総二郎と、今では、其の総二郎の恋人で在る 優紀と、何故か、“牧野に会いたい!”と、言う理由だけで就いて来た類が出席する事と成ったのだった。
実の事を言うと、あきらの知り合いで在る 此の『お見合いパーティー』の主催者は、あきらに頼んで置いた事が有ったのだ。
「F4&T4の出席を頼んで置いても良いだろうか?」と…。
だからだったのだ。
F4&T4の出席を頼んで置いたあきらからそんな話しを聞いて、此の『お見合いパーティー』の主催者は、自身の希望通りにF4&T4の出席が叶う事を、勿論、喜んだのだった。
そして、其の後、『お見合いパーティー』の当日の日と成ったのだ。
実は、此の日のつくしは、憂鬱…だったのだ。
何故なら…。
『パーティー』と言うもの自体に、元々、良い印象の無いつくし…だったのだ。
と言う事は、そんなつくしにとってすれば、例え、此の日のつくしの顔付きが浮かない顏付き…だったとしても、其れは其れで仕方が無いと言えたのだ。
だからだったのかも知れない。
そんなつくしの顔付きを傍で見て居た桜子は、そんなつくしに苦笑めいた顔付きに成るのだった。
そして、そんな浮かない顏付きのつくしが此の日の『お見合いパーティー』の当日に着用するドレスは、勿論の事、桜子が用意して、つくしのお支度は、勿論の三条邸…だったのだ。
だからだったのだろう。
此の日のつくしは、密かに、思って居たのだった。
“其処迄して、此の『お見合いパーティー』に出席し無いといけないのかなぁ~⁉
だったら、私は出席し無くても良いんだけど…なぁ~。”と…。
だが、つくしのそんな独り言は、しっかりと、桜子に聞かれて居たのだ。
だからだったのだ。
此の時の桜子は、そんなつくしの呟きに一言物申すのだった。
「先輩は言ってましたよね⁉
“何時(いつ)迄経っても、私の事を思い出してくれない様な道明寺(さん)寄りも、次
の恋に向かうべきだよね。
もう、そろそろ、道明寺(さん)の事を忘れなくちゃ…ね。”って…。
でしたら、そろそろ、覚悟を決めて下さいよ。
今日は、私も素敵な殿方を見付けるつもりで『お見合いパーティー』に出席する
んですから…ね。
先輩も気合を入れて下さいよ。」と…。
「………」
だからだったのだろう。
密かに、独り言ちて(ひとりごちて)居た筈の此の時のつくしは、自身の独り言が桜子に聞かれて居た事自体、驚愕…だったのだ。
だからだったのだ。
更に、此の時のつくしの中には桜子に言い返せる言葉が見付からない程…だったのだ。
そして、『お見合いパーティー』の会場の場と成って居る其のホテルに、其の後、落ち合った滋 と 桜子と一緒に到着した此の時のつくしは、更に、驚愕するのだった。
何故なら…。
其の場にはあきらに寄って連れて来られて居た『道明寺司』が其の場に居たから…だったのだ。
実の事を言うと、此の『お見合いパーティー』の出席を切っ掛けに、“『道明寺司』の事を全て忘れてしまおう。”と、考えて居たつくし…だったのだ。
だと言うのに、此の『お見合いパーティー』の場に、更に、つくしの目の前に、【あの『道明寺司』】が居るのだ。
だからこそ、此の日のつくしがそんな『道明寺司』を見て驚愕して居たとしても、其れは其れで仕方が無いと言えたのだ。
何故なら…。
あの事件以来、つくしの記憶だけを失った英徳高校当時と全く変わらない冷たい目をした【あの『道明寺司』】が、其処に居たから…だったのだ。
(※あの『道明寺司』とは…。
勿論の事、つくしだけの記憶を失ったままの『司』と、言う意味です。)