春のお彼岸参り【もしも類とつくしが、兄妹だったら】…<つかつく> 番外編
【花沢つくし 編】
<つくしside>
3月21日 春分の日…。
私が、【花沢つくし】だった事が分かって、早8年…。
まだまだ、『牧野つくし』として過ごした歳月の方が遥かに長い。
でも、産まれた時から、私は、『花沢つくし』だったかの様に、今では、馴染んでしまって居る。
で、もう直ぐしたら、私は、『道明寺つくし』としての第2の人生のスタートが始まる。
否、私にとっては、第3の人生のスタートかも…。
第1の人生は、『牧野つくし』として、牧野家で育てられた人生の始まり…。
第2の人生の始まりは、本当の私の父と兄が居る私の郷…。
『花沢つくし』としての人生。
第3の人生の始まりは、私の好きな人の下に嫁ぐ事で、姓が変わる人生のスタート…。
『道明寺つくし』としての人生。
此方は、まだ、始まって無いし、先の事は、如何成るかは分からない。
でも、好きな人と歩める人生にワクワクして居るのは、確か…。
此れを機に、私の産みの親で在る『松村千賀子』…。
その人の下に、“会いに行こう‼”と思った。
そして、私を育ててくれた私の両親だと思っていた牧野家の伯父と伯母…。
そして、弟と思っていた従姉弟の進にも…。
お彼岸のお墓参りとして…“会いに行こう‼”と、思う。
私には、4人の母親が居る事に成る。
私を17年間、実子の進、同様、分け隔てなく育ててくれた、私の伯母に当たる『牧野千恵子』、その人。
そして、私が、『父の元恋人の娘(こ)』と、分かって居ながら、私を受け入れてくれた現在の私の母親『花沢かすみ』、その人。
そして、フランスに居る類お兄様と、TELで話しした時に言われた言葉…。
お兄様曰く…。
「母さんは、実子の俺より、つくしの方が可愛いらしいよ。
娘が欲しかったらしいからね。
もう、『実の娘』以上の気持ち何じゃないの?」
私は、幸せなのかも、知れない。
私は、お兄様のその言葉を聞いた時、私の産みの母親が、現在の母親から、許された様な気がしていた。
そして、将来、司の下に嫁いだ時、私の義理の母親に成って下さる『道明寺楓』、その人。
私が、高校生の頃は、司と私の付き合いを反対されていた張本人。
でも、今は…。
「司には、つくしさんしかダメな様ね。」
と、仰って下さる。
近い将来、同じ『道明寺家』の嫁としての立場。
仲良く遣って行けたらと思って居る。
そして、私の産みの母親『松村千賀子』、その人。
私には、顔も知らない、存在さえ分からない…。
でも、死ぬ覚悟で私を産んでくれた母親…。
一生、会う事は出来ないかも知れない。
でも、私は、私を産んでくれた事を感謝している。
私は、産みの母親に似ているらしい。
牧野のママの手紙だけでなく、パパも、言って居た。
「つくしは、『千賀子』にそっくり何だよ。
容姿だけでなく、性格も、知性も…。
つくしを見てたら、偶に思い出すんだよ。
若かりし頃の『千賀子』を…な。」
で、私は、パパとママに、“3月21日にお墓参りに行きたい‼”という事を告げた。
一度、私の記憶が戻って、病院を退院した時に、パパとママに連れられて、牧野家のお墓参りには行って来た。
その時も、実は、産みの母親のお墓参りにも、行きたかった。
でも、言えなかった。
何か…、ママに悪い気がして…。
私を実の娘同然に接してくれる母親に対して、何か、裏切って居る様に感じたからだった。
でも、私だけなら…。
許されるよね?
だから、お彼岸を機会に、“行ってみたい‼”と、思った。
で、其の代わり、SPが就いて来る事・リムジンでの送迎で有る事…。
を、パパとママから、約束させられた。
一度、SPを撒いて居る私だから、“心配だ‼”と、パパとママから念押しをされた。
“私は、小学生じゃないっつーの‼
私は、一端の大人だっつーの‼”と、言いたかった。
でも、まだ、私は、パパとママにとって、娘で居られる事も、また、嬉しかった。
で、何故か、お墓参りの計画を司に知られていた。
何故だろう?
まあ、大方、パパからだろう事は分かり切って居る。
心配して、司を就いて行かそうという、魂胆は、丸見えだった。
でも、“仕方ないか?”と、知らぬ振りをしていた。
だが、司から、就いて行く宣言をされてしまった。
「お墓参りには、就いて行くからな。
心配で成らねぇんだよ。
良いな?
それに、産みの母親のお墓参りにも行くんだろ?
牧野家は、俺の存在は知ってるだろうけどな。
お前の産みの母親は、知らねぇだろ?
挨拶位ぇさせろよ?」
何ちゅう言い草?
でも、其れも一理あるよね?
だから、就いて来る事を了承してしまった。
満面の笑みで嬉しそうに喜んで居る司の顔を見て、“そんなに嬉しいの?”と、聞きたくなった。
多分、私の恋人として、墓前に紹介される事が嬉しいんでしょうね?
ほんと、『単純、俺様 司様』だわ‼
で、私は、3月21日 春分の日に、司と私の二人で一緒に、牧野家、そして、私の産みの母の墓前に、司との恋人としての復活と、婚約報告をした。
何時の日か、司と私が、結婚する事が決まった日には、また、“報告に来たい‼”と、思って居た。
fin
<つくしが、花沢のパパとママと一緒に、お墓参りに言って居る時の詳細は、下記をご参照下さいませ。>