後悔と言う名の元に…<つかつく> 6.
<司side>
俺は思わず、つくしの先輩と言うつくしの主治医に背後から声を掛けていた。
「おい、つくしの主治医だな。
つくしの病状を詳しく教えてくれ‼」
「あの、貴方はつくしとは如何いう御関係でしょうか?」
俺は、躊躇した。
蘭の言葉を思い出したからである。
『母とは、それ切り、疎遠になっていたって事ですよね?
なら、会わせられないです。』
だが、“俺はつくしを救いたい‼”
“もう、後悔だけはしたくねぇ⤵。”
その一心だけで、つくしの先輩に白状した。
「つくしは、俺の女だ‼
翼と蘭の事を知っている様だから言うが、俺が翼と蘭の父親だ。」
つくしの先輩も理事長も、翼と蘭の事は、幼少期から良~く知っている。
つくしの先輩も理事長も、この男 道明寺司が、翼と蘭の父親だと言うように、翼が容姿だけでなく、性格も似てるで有ろう事は、他人とて理解出来る。
(つくしの先輩も理事長も、一目見ただけで、既に、この男性が『道明寺司』だという事
は認識していた様だった。)
だからと言って、身内じゃない相手に個人情報を言える訳がない。
「例え、つくしと恋人関係だと言われても、配偶者じゃない貴方に、つくしの個人情報を
お伝え出来る訳がありません。
医者の執務執行妨害に当たります。
お許しください。
ですが、独り言を言う成れば、つくしに手術をお勧めします。」
俺は如何すれば良いのか悩んだ。
俺は翼と蘭に会う事でこの状況を乗り切ろうと考えた。
そして、翼にTELを入れた。
「翼か?
父さんだ‼」
「『父さん』??
俺には父親は存在しません。」
「………。
翼、俺を許してくれねぇか?
これからは、お前等の幸せを守るだけでなく、つくしの病気も直して遣りてぇんだ
⤴。
頼む、翼‼
俺と一緒に、つくしの主治医に会ってくれねぇか?
今の俺は、つくしの配偶者じゃ無ければ、家族でもねぇ⤵。
今の俺の現状は、つくしには何もして遣れねぇんだ⤵。
翼、俺をまだ父親だと思えねぇなら、それでも良い⤵。
でも、俺は今でもつくしを愛してる‼
つくしを守りてぇんだ‼
ダメか、翼‼」
翼は一言も発しなかった。
唯、小声で一言、言ってくれた。
「分かりました。」
そして、病院の入り口で待ち合わせする事に成った。
其処に、翼と蘭の二人が居た。
蘭は、つくしの病室に向かい、翼は俺と一緒に、主治医の元に向かった。
俺は、主治医に懇願した。
「俺は、つくしを、あいつを救いてぇんだ。
愛してる女を救いてぇんだ。
頼む、先生さんよぅ…。
翼を連れて来た。
つくしの病状を教えてくれ‼」
「翼っ‼
翼は、道明寺さんを父親だと認めているの?」
翼は自覚はしていた。
司が父親だろう事は…。
でも、認めたと言われると…。
「先生、多分、この人は、父親だと思います。
遺伝子工学的にも…、生物学上に於いても…。
でも、認めたかと、言われると、微妙です。
母さんが認めない限り、俺は認められないですよ。」
つくしの主治医は、首を縦に振った。
「道明寺さん、翼の言葉通り、父親だと認められていない方にお伝え出来ません。
ご了承下さい。」
司は、落胆していた。
翼にも蘭にも、認められていねぇ、今の自分自身を…⤵。
俺は、最終手段は、つくしに会う事だと思った。
俺は、つくしには夫として、翼と蘭には父親として、認めてもらえるまで、3人に向かう事を誓った。