記憶の上書き…<総優> 続編⑫
<総二郎side>
俺と優紀は、俺の仕事が休みの日に、あのビルに登った。
登ったからと言って、如何いう意味もねぇ。
確かに、あの頃には、意味が有ったと思う。
だが、今は、唯、優紀にとって、俺がして来た数々の失態を無い物にしたいだけだった。
だから、登り切った後は、唯、優紀を抱き締めて遣るだけ…だった。
で、屋上に着いた時…。
俺は、優紀に声を掛けた。
「優紀…。
俺との結婚に承諾してくれて、サンキュな‼
此れから、俺と優紀の二人で、幸せに成ろうな‼
やっと、俺と優紀との『記憶の上書き』が、出来て良かったよ。
優紀、愛してる‼」
そう言った後、俺は、優紀を抱き締めた。
やっと、俺は、俺と優紀との『記憶の上書き』をする事が出来た。
俺は、感無量の気持ちで居た。
『記憶の上書き』の件に関して、細かく言えば…。
もっと、有るかも知れねぇ。
けど…。
俺が、思い当たる記憶の中で、この3つだけは、如何しても、『記憶の上書き』をして於いて遣りたかった。
優紀は、そんな事には、拘っては、居ねぇとは思う。
けど…。
ふとした時に、嫌な思いに成って欲しく無かっただけだった。
優紀は、俺の腕の中で、泣き出した。
泣くとは、思って居たが…。
それ程までに、高校の頃の優紀は、俺に苦しめられて居たって事だよな⁉
その事が、今日で、解消されて居たら、嬉しいと、俺は思う。
<優紀side>
私は、総二郎さんの気持ちが嬉しかった。
総二郎さんが、私を好きに成ってくれただけで、本当に、私は嬉しかった。
けれど、私の事を思って、『記憶の上書き』をしてくれた事が、凄く、嬉しかった。
私は、この人と、結婚出来る事を誇りに思う。
私は、これからの、大変に成ると予想される日々を乗り越えられると思って居た。
<総二郎side>
俺は、報告しねぇと行けねぇ奴等が居る事を思い出して居た。
そうなので在った。
F3だ‼
T4が、女子会で集まるという日に、俺は、F3を呼び出して、報告をして居た。
「やっと、終わったわ。」
「そうか?
良かったな。」
俺は、司に礼を言って居た。
「司…?
高校の頃、かなり、優紀に、後押ししてくれてたらしいな。
牧野から聞いたわ。」
司は、首を捻っていた。
だから、俺は、続けて言った。
「『今の自分をブチ壊せ‼』と、『一回きりの人生だろ?』…。
名言だよな‼」
司は、照れてるのか?
俯いたまま、答えていた。
「ああ。」
F2は、きょとんと、して居た。
で、あきらは、訊いて来た。
「何だ其れ?」
俺は、司の方を向いて言って遣った。
「優紀を後押ししてくれた司の名言…‼」
「「………」」
F2は、納得してるのか? or してねぇのか? は、分からねぇが…。
それ以上、訊こうとして来なかった。
そうなのだ。
司のあの名言のお陰で、俺は、優紀の『初めて』を貰えたんだから…。
司には、感謝だな‼
まさか、俺でも、将来、俺と優紀が、こう成ってるとは、あの頃の俺は、思いもしねぇもんな⁉
“人生って、面白ぇ‼”って、思った事は、言うまでも無かったが…。
こうして、俺と優紀は、結婚に向かって、毎日を謳歌する事に成った。
その後、優紀の修行は、2年を掛けて、やっとの思いで許される形と成り、俺と優紀は、結婚出来る事に成った。
まだ、今の処は、婚約者の立場だが…。
“早く、その日が来る事が待ち遠しい‼”…俺だった。
fin
<一部の文面に、神尾葉子先生の漫画の『花より男子』の『花男』メンバーのセリフを勝
手に拝借させて頂いて折ります。
勝手致しております事をお詫び申し上げます。
関係者各位 様、お詫び申し上げます。>