一方通行の恋…<つかつく> 2.
<つくしside>
その日の夜、ディナーの後、私は、パパの書斎に呼ばれた。
いつもより、早目の帰宅だった事に、少々、テンパっていた私だったけど…⁉
取り敢えず、呼ばれたので、パパの書斎に向かった。
パパの書斎に入るなり、例のジュニアのパーティーの招待状をパパから、見せられた。
「此の招待状は、今週の土曜日に開催されるジュニアの為のパーティーの招待状だ。
つくし、出席にして在るので、そのつもりで居なさい。」
つくしは、間髪入れずに、パパの言葉に否定的な言葉を返して言って除けていた。
「行かないわよ。
何で、行かないといけないの?
あんな、色目を使って来る様な輩しか来ない様なパーティーに…。」
つくしパパは、怪訝な顔をして、つくしを睨み付けた。
仮にも、牧野財閥の令嬢が言う言葉でないのだから、当り前と言えば、当り前だった。
「つくし、いい加減にしなさい。
お前には、言って来た筈だ。
つくしは、牧野財閥の娘だ‼
それが、如何言う意味だか分からない様な娘では有るまい⁉
パーティーに行かないというなら、もう、つくしは、『牧野』を名乗らなくて良い‼」
つくしは、悩んでしまった。
其の隙に、パパから、パパの書斎の退席を促されてしまった。
「つくし、頭を冷やし為さい。
もう、良い…。
下がりなさい。」
つくしは、パパを怒らせた事を、後悔していた。
否、“ヤバい‼”と、実感していた。
つくしパパは、一回、怒らせると、中々、許してはくれない。
と言うより、後が大変に成るのだ。
遣ってしまった感MAXのつくしだった。
次の日、私は、優紀に昨夜の事を話ししていた。
「昨日の夜ね、パパを怒らせちゃったみたい。」
「何したの…つくし⁉」
私は、言い難そうに、優紀に話ししていた。
「うん…。
例のパーティーの招待状が、うち(牧野財閥)にも、来たらしくて…ね。
パパから、“行く様に…。”って、言われたの?
でも、行きたくなくて、パパに反論したの。
そしたら、怒り出して…。
朝は、早目に出勤したらしくて…。
顔を合わせて無いんだけど…。
ばあやが言うには、パパの朝は、かなり、“不機嫌だった。”って…。
嫌だけど…。
パーティーに行かなくちゃならなくなりそうなの…⁉」
優紀は、優紀の本音が声に成って出て来たのだろう⁉
「そう何だぁ~⁉
大変だね‼
企業経営者の娘って…。
私は、企業経営者の娘じゃなくて、つくづく良かったと思うもん‼」
私は、優紀が羨ましく感じていた。
<司side>
俺は、日本に出張だか何だか知らねぇが、日本に帰国して帰って来たババアに、邸のババアの書斎に呼び出された。
俺は、呼び出された事に、不服を漏らしていた。
「何なんだよ‼」
「これを渡して於きます。」
で、俺は、手渡された物に見る事も失せていた。
「はぁ~??
何だよ?」
俺は、それを見て、怪訝な顔をしていたのだろう?
「何なの、其の不貞腐れた顔は…⁉」
俺は、更に、機嫌が悪く成って居た。
「うるせぇ~な。
行かねぇからな‼」
其処に、俺が、反論する事を承知でもして居たかの様に、間髪入れずに、ババアが、言って除けていた。
「牧野財閥の令嬢のつくしさんが来ると言っても…⁉」
だから、俺も、間髪入れずに答えて遣った。
「嫌、言った方が良いなら、行くに決まってんだろ‼」
俺は、ババアが、ニヤッと、笑った顔を見て居なかった。
俺は、その時、招待状の日付と時間を確認していた。
俺は、あいつがパーティーに出席するなら、“当然、行くだろ‼”と、心の中で叫んでいた。