一方通行の恋…<つかつく> 4.
<楓side>
私(わたくし)は、司が、牧野財閥の令嬢 つくしさんに惹かれて居るという報告を、SPより受けた。
司もパーティー嫌いだが、つくしさんはその上を行く、パーティー嫌いという情報は、兼ねてから、噂で聞いて居た。
成らば、此方から、打診すれば良いだけの事…。
道明寺財閥にとっても、牧野財閥との縁組は、『喉から手が出る』程、欲しい縁組…。
ましてや、恋人同士として、お付き合い後に結婚したと成れば、道明寺HDも安泰間違い無しだろう…?
成らば、此方から、仕掛けるのみ…‼
私(わたくし)は、間違い無く、此方に有利な方向で、此の縁組を引き寄せる様にする決断をした事は、言うまでも無かった。
<司side>
まさか、ババアから呼び出しを受けて、牧野を容認する様な発言を聞かされるとは思ってもみなかった。
如何遣って、俺が、牧野に惹かれている事を知ったか…⁉
何~て、聞かなくても、分かる。
が、どのSPが言ったんだ⁉
まあ、良い…。
何れはバレる事だっただろうから…な。
で、俺は、英徳高校のカフェ内で併設されている、F4専用・F4ラウンジで、あいつ等 F3に、今回のパーティーの話しを吹っ掛けた。
「お前等、今週の土曜日に開催されるジュニアのパーティーに出席するのか?」
類は、面倒臭そうに聞いて来た。
“類なら、そう聞いて来るだろうな。”と、俺は、思って居た。
「そう言う司は、如何なの?」
俺から聞き出す事は、今まで、無かったからな。
あきらが、違和感有り気に聞いて来た。
「出席するのか?」
俺が、珍しく、間髪入れずに答えるので、総二郎が、驚愕していたみたいだった。
「其のつもりだ‼」
「へぇ~、パーティー嫌いの司が、出席…か?
何か有ったのか?」
「………」
俺は、答えなかった。
唯、こいつ等の眼が不審者を見る様な目付きって、如何、何だよ…⁉
で、類の鋭さに、“磨きが掛かってんじゃねぇのか?”と、冴え思って居た。
何故なら、俺は、類の言葉に、“こいつ、予知能力が有るのか⁉”と、更に、疑いたく成ったからだった。
「ねぇ、司…。
まさかの、“T4全員、出席する‼”って、噂に関係してる…⁉」
“T4全員の出席は如何かまでは、知らねぇけど…?”と、思いながら、類の質問に答えていた。
「嫌、俺は、知らねぇけど…⁉
T4全員、出席するのか?」
類は、首を傾げて聞いて来た。
「そう聞いたけど…⁉」
あきらと総二郎は、興味無さそうだった。
「まあ、良いんじゃねぇ‼
T4が全員出席するなら、『F4 vs. T4』って、構図が成立するだろ?」
「まあ、F4とT4、どっちが、人気有るかだよな⁉」
類が、首を傾げながら、言って除けていた。
「そんな、悠長な問題…⁉」
俺は、類の言葉に、一瞬、戸惑った。
「はぁ~??
如何いう意味だ?」
「T4の人気調査みたいな『人気投票』が、『Twitter』で挙げられてて…⁉
牧野が1位で、松岡が2位だったみたいだね?」
あきらが、類に確認していた。
「何で、類がそんな事、知ってんだ‼」
「ああ、うち(花沢家)の使用人達が、その事で、騒いでたから、聞いたの⁉
今、凄いらしいよ‼
『英徳の令嬢 T4』って…‼」
何か、俺は、不機嫌に成って居た。
其れを見落とさねぇのが、『類』、何だよな⁉
「何、急に、不貞腐れて…司⁉」
「うるせぇ~‼
放っとけ‼」
F3は、何か、ニヤニヤしてやがる。
お前等、何か、鬱陶しいんだよ‼