tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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Happy Valentine~プロポーズ~【会いたい】…<つかつく>  番外編




2月14日…St.Valentine’s Day



【『パーティー三昧の日々~ひなの恋~【会いたい】…<つかつく>  番外編』 と 
 『つくしのBirthday & ゆく年くる年【会いたい】…<つかつく>  番外編』のエピ
 ローグ】


ひなは、自身の父親で在る 司の気持ちを汲んで、『(自身の母親で在る)つくしのBirthday』のお墓参りについて相談して居たのだった。


だが、自身の父親で在る 司からの返答の言葉は、ひなにとって、意外な言葉…だったのだ。


だからだったのだろう。
自身の父親で在る 司からのそんな返答の言葉に、此の時のひなは、思うのだった。


“パパが龍介さんの事を認めてくれたのかも知れない。”と、安堵するかの様に…。



だからだったのだ。
ひなは、自身の父親で在る 司が、二人だけで『(自身の母親で在る)つくしのBirthday』の日のお墓参りに行く事を許してくれた件に関して、自身の恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介に話ししたのだった。


勿論、此の時のひなは、嬉しそうな顔付きで、自身の恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介に話しして居た事は言うまでも無かったのだった。


実は、自身の恋人で在る ひなからのそんな話しを聞いた此の時のひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、自身の恋人で在る ひなとは違う風に思って居たのだった。


“おっさんには、返って、気を使わせちまったのかも知れねぇな。”と…。



そして、自身の恋人で在る ひなと一緒に、つくしが埋葬されて居る 道明寺家所縁(ゆかり)のお寺の中に在る つくしのお墓に向かったひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、つくしの墓前に向かって誓うのだった。


“つくしと会ったのは、俺が5歳のガキの頃…。
 俺の初恋の相手は、其の俺が5歳当時に経った二回しか会った事のねぇ相手…だった。
 だが、其の5歳当時の俺の心の中には強烈に残る相手…だった。
 其の俺が5歳当時に出会った俺の初恋の相手は、そう、つくし…だった。
 其のつくしが産んで育てたひなが、今の俺の恋人…だ。
 ひな共、話しして居たんだが、そう考えると、人の出会い や 縁って、不思議だよな。
 で、俺は、そんな不思議な縁で結ばれたひなと、「将来、結婚してぇ‼」と、考えてる。
 つくしは、こんな俺が、つくしの娘で在る ひなの夫に成る事を認めてくれねぇか?
 俺は、年が開けたら、「ひなにプロポーズし様!」と、考えてる。
 だから、つくしにも、ちゃんと、聞いて貰いてぇ‼
 俺は、頑張るから…よ。
 つくし…見ててくれよな!”と…。



そして、年が明けて、約1か月半が経った2月14日の『Happy Valentine』の此の日に、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、自身の恋人で在る ひなにプロポーズするつもりで居たのだった。
勿論、つくしの墓前で…。


云わば…。
『つくしのBirthday』の日にお墓参りに行った際に、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、自身の初恋の相手で在り、将来的には、自身の義母と成る つくしに、自身の恋人で在る ひなへの想いを誓ったのだ。


だからこそ…。
ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、自身の初恋の相手で在り、将来的には、自身の義母と成る つくしに、見届けて欲しかったのだ。


勿論、自身の初恋の相手で在り、将来的には、自身の義母と成る つくしの墓前で在ったとしても、其処は、お墓が立ち並ぶお寺なのだ。


実は、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、“そんな所で、プロポーズして良いモノなのか?”と、思い悩んだし、色々と考えたりもしたのだ。


だが、“もし、(自身の恋人で在る)ひなにプロポーズするので有れば、つくしの前しかねぇ‼”と、思い直したひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、“2月14日の『Happy Valentine』の日に、つくしの墓前で、ひなにプロポーズし様!”と、誓ったのだった。


何故なら…。
自身の初恋の相手で在り、将来的には、自身の義母と成る つくしにも、自分自身の決意を聞いて欲しかったのだ。


其の為に、準備をして来たひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介…だったのだ。



そして、2月14日の『Happy Valentine』の当日と成ったのだ。


此の日のひなは、自身の恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介とのデートは、“『St.Valentine’s Day』としてのデートの日だろう。”と、認識して居たのだった。


実は、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、此の日に何をするのか?
自身の恋人で在る ひなには、一切、伝えて居なかったのだ。



だからだったのかも知れない。
自身の恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介に寄って、自身の母親で在る つくしの墓前に連れて来られた時のひなは、“何故、此処に…。”と、首を傾げたく成る心境…だったのだ。


勿論、ひな自身、自身の母親で在る つくしの墓前に連れて来てくれた事は嬉しいに決まって居るのだ。


だが、理由(わけ)も無く、此の場に連れて来られると、如何しても、“何が有るの?”と、勘繰ってしまうのが世の常で在り、ひなも、そう…だったのだ。


そして、実は、自身の恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介が、自身の母親で在る つくしの墓前で在るにも関わらず、急に、自身の手を取り話しし始めるそんな姿を見た事で、既に、勘繰ってしまって居た此の時のひなでは在ったのだが、更に、“もしかして…?”と、勘繰ってしまって居たのだった。


だからだったのかも知れない。
自身の恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介のそんな話しして居る態度 や 話し振りを聞いて居た此の時のひなは、“やっぱり…。”と、嬉しさが込み上げて来たのだった。


しかも、自身の母親で在る つくしの前で、自身との将来について誓ってくれた事にも、嬉しさが込み上げて来るのだった。



実は、此の時のひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介が、自身の恋人で在る ひなに話しした内容とは…。
先ずは、懇願から入るのだった。


「場所が場所だから…よ。
 此処で、プロポーズする事を、最初は躊躇したんだよ。
 でも、もし、ひなにプロポーズするなら、此処しかねぇと思った。
 其れに、実は、『つくしのBirthday』の日の墓参りの時に、つくしにも聞いて貰える様に
 頼んで置いたんだわ。
 だから、場違いかも知れねぇけど、此処で、つくしと一緒に、俺のひなへの決意を聞いて
 欲しい。」と…。


だからだったのだろう。
もう既に、涙目に成りそうな此の時のひなは、“まだ、泣いちゃあ駄目!”と、自身の心の中で思い乍ら、自身の恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介の話しを聞くのだった。



何故、此の時のひなは、嬉し涙を流しそうに成って居たのか?


勿論、ひなは知って居たのだ。
自身の恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介の初恋の相手が自身の母親で在る つくしだという事を…。


だからこそ…。
ひな自身、不思議な縁に感謝して居たのだ。


勿論、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介 と ひなは、そんな不思議な縁に関しても、此れ迄、幾度と無く、話しして来たのだった。



そして、此の時のひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、自身の恋人で在る ひなが頷いて居る姿を確認した事で、未だ、自身の恋人で在る ひなの手を取り乍ら、話しし始めるのだった。


「ひなは、道明寺家の娘として、道明寺HDの入社式に臨んだ次の日(4月2日)…。
 記者会見を執り行って、正式に、ひなが道明寺家の娘だと言う事を公表したんだって…
 な。
 其の頃の俺は、まだ、正式に、日本支社に勤務して居た訳じゃ無く、副社長と言えども、
 世界中を飛び回って居て、何処が俺の本拠地か分かんねぇ位ぇ…だったんだわ。
 だから、ひなが道明寺家の娘として、正式に公表されて居た事も知らなかったし、其の当
 時の俺は、そんな話が有るという事自体を聞いても無かったんだわ。
 其れに、ひなと知り合う迄の俺は、俺の周りに居る女達に、全く、興味を示さなかった
 し、どんな噂話にも耳を傾けた事は無かったと思う。
 其れに、仕事柄、そんな訳の分かんねぇ様な噂話を信じても面倒臭ぇだけだろ。
 だからこそ、面倒臭ぇ話しには、一切、耳を塞いで来た。
 だからだったのかも知れねぇけど、初めて、あのパーティーでひなを見掛けた時の俺は、
 マジで驚愕した?
 勿論、初めて、あのパーティーでひなを見掛けた時の俺は、“つくしか?”って、思った事
 も事実…だった。
 俺の理想の女は、俺の初恋の相手で在る つくしだし…よ。
 そんなつくしの様な女を求めて来た俺は、初めて、あのパーティーでひなを見掛けた時に
 幻覚を見た様な気分…だった。
 “つくしのような女を追い求め過ぎて、俺は、幻覚を見ちまったのか?”って…。
 で、ひながつくしの娘だと知った時は、“つくしの娘だから、ひなに近付いたのか?”っ
 て、ひなの親父さんから言われて、“心外だ‼”と、思ったけど、良~く考えて視ても、今思
 えば、最初の頃は、そうだったのかも知れねぇ。
 だが、今は、違う。
 “きっと、つくしが、俺 と ひなを引き合わせてくれたんだろう。”って、今なら、そう
 思えるし、分かる。
 其れ位ぇ、今の俺は、ひなに惚れてる。
 だから、俺の嫁さんに成ってくれ‼
 つくしの前でプロポーズしてんだ!
 俺の中には、嘘はねぇよ‼
 なぁ~、ひな…。
 何か言ってくれよ⁉」と…。


其処で、ひなは、漸く、口を開くのだった。


「うん、龍介さん、有難う!
 私も、ママが、龍介さん と 私を引き合わせてくれたんだと思ってる。
 不思議な縁にも感謝してる。
 だから、宜しくお願いします。」と、顔を真っ赤に染め乍ら…。


こう言う恥ずかしがり屋のひなの様子は、間違い無く、つくしに似たのだろう。



そして、自身の恋人で在る ひなから了承して貰えた事で、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、ひなの左手を取り、ひなの左手薬指にエンゲージリング(婚約指輪)を嵌めて遣るのだった。


此の日の為に、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介が用意したエンゲージリング(婚約指輪)は、ひなの誕生月で在る 3月の誕生石の『アクアマリン』が付いた最高級品のエンゲージリング(婚約指輪)…だったのだ。


『アクアマリン』は、青色のベリル(緑柱石<りょくちゅうせき>)で在り、名前は、ラテン語の『海水』を意味する語から懐けられたそうだ。


また、『アクアマリン』は、『幸せな結婚を象徴する石』として人気が高いそうだ。


そう言った処から、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、エンゲージリング(婚約指輪)として、ひなの誕生月で在る 3月の誕生石が付いた最高級品の『アクアマリン』を選んだのだった。



ところが、此れまた、偶然が重なったのだった。


何故なら…。
ひなの母親で在る つくしの好きな色は、『青(色)』…だったのだ。


だからだったのだ。
自身の恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介が嵌めてくれた自身の左手薬指を見た此の時のひなは、思わず、呟くのだった。


「私の誕生石の『アクアマリン』…。
 凄く綺麗!
 其れに、ママの大好きな青色の宝石…。
 凄く、嬉しい!
 本当に、有難う!」と…。



勿論、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、知らなかったのだ。
つくしの好きな色が青色だと言う事を…。


だからだったのだろう。
此の時のひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、密かに思うのだった。


“また、偶然が重なったんだな。
 つくし…サンキュー!”と…。



こうして、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介 と ひなの二人の想いは、重なったのだった。


だが、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介にとっては、まだ、強敵が居るのだった。


だからだったのだろう。
此の時のひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、更に、密かに思うのだった。


“俺には、一番、難関の相手が待ち受けてるんだよな。
 出来るだけ早く、おっさんに会いに行かねぇと…な。”と…。


実は、此の時のひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、溜息を吐きたく(つきたく)成る様な心境だった事は言うまでも無かったのだった。


そして、そんな日は、直ぐ、其処に訪れるのだった。



PS.


実は、ひなの父親で在る 司は、自身の愛娘で在る ひなからそんな話しを聞いた事で、密かに思って居たのだった。


“そうか?
 等々、俺に会う為にリュウが来んのか‼
 漸く、あいつを退治出来んな。
 如何遣って、あの男を退治して遣ろうか?”と…。


実は、心做し(なし)か?
端から観て居れば、ウキウキして居る様に見える司…だったのだ。



勿論、此れ迄のひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介は、道明寺邸に訪れて居た事は事実…だったのだ。


だが、其れは、恋人として、唯、道明寺邸に遊びに来て居ただけで、今回は、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介の立場が、恋人としてとは、また、違って来るのだ。


だからだったのだろう。
そんな事情を認識して居た司…だったからこそ、ひなの恋人で在る 葉山コンツェルンの御曹司でも在り、副社長でも在る 葉山龍介の事を揶揄い半分で揶揄して居たのだった。



fin

Close to you~お前の傍に~…<総優>【Close to you~お前の傍に~…<つかつく>】  番外編⑧




【『Close to you~お前の傍に~…<総優>【Close to you~お前の傍に~…<つかつく>】  
 番外編⑦』のエピローグ  <一部有り>】


総二郎は、桜子からの提案に、“【桜子からのお仕置きを受ける】方が良い。”と、判断したのだった。


否、此の時の総二郎は、そんな桜子からの提案に、“「【桜子からのお仕置きを受ける】方がマシだろう。」と、判断した。”と、言っても良い状況…だったのだ。



だからだったのだ。
此の時の総二郎は、桜子にそう報告したのだった。


「俺は、“【桜子からのお仕置きを受ける】方が良い。”と、判断した。
 其れに、俺の責任と否ぁ、俺の責任…何だが…。
 俺に寄って傷付けられた今の優紀ちゃんに、俺は、如何対応したら良いのか?
 実は、分かんねぇんだわ。
 勿論、今の俺は、其の俺の初恋の女に対して、『妹』の様な気持ちしかねぇよ。
 俺 と 其の俺の初恋の女は、タメでは在るんだが…な。
 だから、もし、優紀ちゃんが俺のそんな気持ちを勘違いしてるっつーなら、其れは、俺の
 責任だと思うわ。
 だからこそ…。
 今の俺は、下手に優紀ちゃんに向かわねぇ方が良いと思う。
 徐々に攻めて行く方が良いと思う。
 きっと、優紀ちゃんは、牧野と同類だと思うし…な。
 桜子…宜しく頼むわ。」と…。


だからだったのだ。
此の時の桜子は、総二郎からのそんな報告の言葉を聞いて、三度、不敵な笑みを浮かべて居たのだった。
勿論、此の時の総二郎は、そんな不敵な笑みを浮かべて居る桜子に気が付いて居なかったのだが…。



だが、此の時の桜子は、そんな自身の顔付きに気が付いたあきらに、ニコッと、笑い掛けたまま、総二郎に伝えるのだった。


「承知致しましたわ。
 ですが、“今直ぐ、お仕置きを…。”と、いう訳には参りませんわ。
 勿論、優紀さんに此の事をお話しするつもりは毛頭御座いません。
 何ですが…。
 実は、困った事が起こりましたの。
 優紀さんは、“二度と、西門流のお茶会に出席するつもりは御座いません。”と、お祖母様
 にそう仰いましたの。
 なので、お祖母様は、“其の理由(わけ)を仰らない優紀さんでは埒が明かない。”と、仰
 って、家元夫人に其の理由(わけ)をお聞きに成ったそうですの。
 其処で、お祖母様は、其の理由(わけ)をお知りに成り、西門さんの事をお怒りに成って
 しまわれましたの。
 其れも、かなりの怒り様で…。
 ですから、私は、今回の西門さんのお気持ちを、先ず、お祖母様にご相談したいと考えて
 居るんですが…。
 其れでも、宜しかったでしょうか?」と…。



だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、桜子からのそんな話しを聞いて絶句して居たのだ。


何故なら…。
桜子の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様と言えば、自身の実の孫娘で在る 桜子と同様に、実の孫娘かの様に優紀の事を可愛がって居るのだ。


しかも、自身の実の孫娘同然の優紀を傷付けてしまったそんな総二郎の事を、其の桜子の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様が怒って居ると言うのだ。


だからだったのかも知れない。
此の時の総二郎は、思案し始めるのだった。


“桜子からの話しを聞いたそんな俺が如何出て来るのか?
 桜子は、試してるのか?
 若しくは、『桜子からの話しを聞いたそんな俺が優紀ちゃんから離れるだろう。』と、桜
 子は、考えて居るのか?
 何方にしても、俺が不利で在る事には代わりねぇ。
 だったら、桜子からも、桜子の祖母さんからも逃げずに、優紀ちゃんに向かって遣ろうじ
 ゃねぇの。”と、決意するかの様に…。


だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、桜子に言って除けるのだった。


「どっちにしても、俺が不利な状況なのは変わんねぇだろ。
 だったら、俺は、桜子からも、桜子の祖母さんからも逃げずに、優紀ちゃんに向かって遣
 るよ。
 まぁ~、此のイライラからも、出来るだけ早く、俺の中で解消されてぇし…な。
 其れに、俺は、優紀ちゃんの笑った顔が見てぇんだよ。」と…。



実は、英徳高校時代の総二郎は、一度だけ、其れ迄、総二郎の前で、優紀が見せた事の無い優紀自身の屈託の無い笑顔を見た事が有ったのだ。


其の優紀の笑顔は、実は、総二郎の初恋で在る 更の屈託の無い笑顔に似て居たのだ。


だからだったのかも知れない。
必然的なのか?
自然な形だったのか?
何時(いつ)の間にか?
此れ迄、誰にも見せた事の無い総二郎自身の心の中を見透かしたかの様に窘めて来る姿に、優紀が忘れられない存在に成って居た事は事実…だったのだ。


だが、其れをイライラと勘違いした総二郎は、優紀を傷付け、優紀を避ける様にも成って居たのだった。



其処で、総二郎の話しを聞いて居た桜子は、総二郎の決意した顔付きを見たのだった。


実は、桜子が観て居る感じでは、今迄の総二郎は、「如何でも良い。」と、言った具合で、『ちゃらんぽらん』に生きて居る様に、桜子には見えて居たのだ。



実は、元々、総二郎は、周りの雰囲気を瞬時にキャッチする能力に長けて居るのだ。
仲間だけでは無く、世間にもそんな総二郎の姿を見せた事は無かったのだが…。


云わば…。
総二郎は、『ちゃらんぽらん』に生きて居る様でも、周りの空気を読む事に長けて居るという訳…だったのだ。


だからこそ…なのだろうか?
其れ共、世間には、其れとは反対の面を見せる為…だったのだろうか?
此れ迄、総二郎は、自分自身の心の中を誰にも見せる事は無かったのだ。


だからだったのかも知れない。
総二郎は、優紀に寄って、初めて、自分自身の心の中を読まれた様で、イライラして居たのだろう。



だが、漸く、自分自身の中の何かを悟ったからだろうか?
此の日の総二郎の顔は、生き生きして見えるのだ。


だからだったのだろう。
此の時の桜子は、そんな総二郎を見て居て、密かに思うのだった。


“先輩を追い掛け廻して居た道明寺さんを見て居ても感じた事ですけど…。
 愛おしい女性を見付けられた殿方は、人格が変わってしまう程、其の女性を追い掛けたく
 成る様ですわね。
 しかも、顔付き迄、別人かの様に変わられるとは…。
 今の西門さんの顔付きは、普段のクールな顔付きでは無く、優しい顔付きに成ってらっし
 ゃいますわ。
 西門さんは、優紀さんに本気だという事ですわね。
 其れも含めて、お祖母様にお話しし無ければ…。”と…。



だからこそ…。
此の時の桜子が総二郎に返答出来る言葉が有るとする成らば、こう言うしか無かったのだった。


「私は、西門さんの本気度を見た様に思いますわ。
 ですが、今回に限っては、お祖母も一丁噛んで居りますの。
 と言う事は、お祖母様の判断で此のお話しはコロッと変わってしまうという訳ですわ。
 取り敢えず、私は、西門さんの優紀さんへの本気度は、お祖母様にお話しする事は出来ま
 すわ。
 ですが、お祖母様のお仕置きの仕方は、私の非では御座いませんのよ。
 ですから、西門さんは覚悟をお決めに成った方が宜しいかと思います。」と…。


其処で、総二郎は、桜子からの話しを聞いて覚悟を決めたのだった。


だからだったのだ。
此の時の総二郎の顔付きは、清々しいモノ…だったのだ。


「ああ、分かってる。
 今回ばかりは、俺自身、何の反論も出来ねぇよ。
 どんなお仕置きでも受けて立って遣るよ。」と…。


だからだったのだろう。
此の時の桜子からの返答の言葉は、「承知致しました。」…だったのだ。



そして、総二郎 と あきらと別れた後の桜子は、其の日の内に、総二郎と話しした内容を、自身の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様に話しして聞かせるのだった。


だからだったのだ。
此の時の桜子の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様は、率直な自身の気持ちを、桜子に話しして聞かせるのだった。


「そうなのね。
 次期家元は、そんなお気持ちで居らっしゃるのね。
 優紀さんへの想いは本気だという事なのね。
 でも…ね。
 今の次期家元が如何で在れ…。
 過去の次期家元の姿を考えた時、其れが本当のお話しなのか?
 首を捻りたくも成るわ。
 次期家元の事を信用して居ないというのでは無く、あの日の優紀さんのあの顔付きを見て
 しまったから…。
 如何しても、次期家元が信用出来無く成ってしまうのよ。」と…。



実は、桜子の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様は、元々、旧 華族出身で在り、凛として居て、普段は、優しい女性なのだ。


唯、育った環境がそうさせるのか?
自分自身に厳しい所が有り、良い悪いの判断が、しっかりと、出来て居る女性でも在るのだ。


また、人の見る目にも長けて折り、誰からも信頼される女性でも在るのだ。


其れ故、桜子の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様に対して、あの次期家元夫人でさえも、何も文句が言えない人物という訳…だったのだ。


だからだったのかも知れない。
あの次期家元夫人でさえも、実の孫娘で在る 桜子と同様に、実の孫娘かの様に優紀と接して居る桜子の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様の事を静観して見て居る位…だったのだ。


だからこそ…。
普段、優しい自身の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様が、一旦、怒ってしまえば、怖い事を知って居る桜子は、“今回の判断は、お祖母様にお任せしましょう。”と、思えた位…だったのだから。



と言う事は、如何足掻いても、桜子の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様という人物は、【総二郎が太刀打ち出来る様な人物では無い。】という訳…だったのだ。



そして、其の後、もう一度、優紀の気持ちを訊き出した桜子の祖母で在る 旧 華族 三条家の大奥様は、総二郎へのお仕置きについての方向性に、漸く、思い至ったのだった。



<此の二次小説『Close to you~お前の傍に~…<総優>【Close to you~お前の傍に~…<
 つかつく>】  番外編⑧』は、其の後、場面が変わる為に、一旦、此処で、切らせて頂
 きました。
 短めにて、終了致して折ります事をお詫び申し上げます。
 了承の程、宜しくお願い致します。>

まだ、好きだから…唯、言えなくて…<つかつく>  4.




『ジュン』こと織部順平と会った日から、更に、数週間が経った頃の牧野翔は、学校帰りに、自身が在籍して居るモデル事務所のレッスンを受ける為に、今も尚、モデル事務所に現れて居たのだった。



実は、此の日の牧野翔は、モデル事務所に到着後、直ぐに、自身が在籍して居るモデル事務所の社長から呼び出しを受けるのだった。


「翔…レッスンの前に話しが有る。
 悪いが、社長室迄来てくれるか?」と…。


実は、此の頃に成ると、牧野翔に目を掛けて居た牧野翔が在籍して居るモデル事務所の社長は、自然な形で、牧野翔の事を『翔』と、呼び捨てで呼ぶ様に成って居たのだった。



其処で、牧野翔は、自身が在籍して居るモデル事務所の社長室に入った途端、自身が在籍して居るモデル事務所の社長から或る話しを切り出されるのだった。


「実は、或る企業でオーディションが行われる事に成った。
 其のオーディションは、其の企業が初めて手掛ける若者向けのメンズカジュアルファッシ
 ョンブランドのオーディション…何だよ。
 (資料を見せ乍ら)此れが其の資料だ。
 其処にも記載されて在る通り、其の企業が初めて手掛ける若者向けのメンズカジュアルフ
 ァッションとは、其の企業が手掛ける初めての10代向けのメンズカジュアルファッション
 と成る。
 という訳で、我が社から今回のオーディションを受けて貰うのは、『翔』に受けて貰う事
 が決定した。
 此の数ヶ月間の翔は呑み込みが早い上に、うちに在籍して居るレッスン生の中の誰よりも
 成長速度が速い。
 だからだよ。
 うち(牧野翔が在籍して居るモデル事務所)の全てのインストラクターの満場一致で、今
 回のオーディションを受けて貰うのは、『翔』と決まった。
 だから、此れは、決定事項だと思い、翔は、其のつもりで居なさい。
 其れと、其れに伴い、翔のモデル名を『ショウ』とする。」と…。


勿論、牧野翔の父親は、何でも誰よりも器用に熟すあの『道明寺司』なのだ。
当然、牧野翔自身、呑み込みが早く、(牧野翔が在籍して居るモデル事務所の)レッスン生の中の誰よりも成長速度が速いのは頷ける処…だったのだ。


だが、其れでも、例え、不安がる此の時の牧野翔が、“まだ、早いでしょ!”と、反論し様としても、既に、自身が在籍して居るモデル事務所の社長に寄って、反論出来無い様に仕向けられて居たという訳…だったのだ。


云わば…。
此の時の牧野翔は、自身が在籍して居るモデル事務所の社長に寄って、既に、外堀を埋められて居た状態…だったという訳なのだ。


だからだったのだろう。
此の時の牧野翔が、自身が在籍して居るモデル事務所の社長に返答出来る言葉が有るとする成らば、其れは、「はい。」と、しか言い様が無かったのだった。


なので、牧野翔は、了承したと言う事も有り、其の時に備えて、今迄とは違う別メニューにて、レッスンを受ける事と成ったのだった。



勿論、此の時の牧野翔は、どんなに、今迄とは違う別メニューにて、レッスンを受けて居たとしても、不安でしか無かったのだ。


其れが、例え、自身の母親で在る つくしの為に決心して分かって居乍ら、モデルの世界に飛び込んだとしても、牧野翔の年齢は、まだ、二十歳にも満たない弱冠12歳の中学1年生なのだ。


そんな牧野翔…だったからこそ、例え、不安に成ったとしても、致し方無いと云えたのだった。


だが、もし、牧野翔が今回のオーディションに合格したら、オーディションを開催した或る企業の専属モデルとしてデビューする事が出来るのだ。


と言う事は、もしもそう成れば、牧野翔はモデル名を『ショウ』とし、プロのモデルとして、モデルの世界で生きて行く事と成るのだ。


そして、もしそう成れば、勿論、牧野翔は、モデル料として給料という名のお金を手にする事も出来るのだ。


だからだったのだ。
もしも、今回のオーディションに合格したとしたら、今後の牧野翔は、プロのモデルとして、もう浮ついた気持ちのままでは居られないという訳…だったのだ。



だが、此の時の牧野翔は、まだ、其の自覚さえも、ましてや、自信も無い状況…だったのだ。


何故なら…。
此の時の牧野翔が不安がる理由は、モデルとしての実績も無いまま、急過ぎる話…だったからなのだ。


と言うのか?
頭では分かって居ても、今の牧野翔の心が追い付かない。
今の牧野翔は、10代の男子に良く在りがちな状況…だったのかも知れない。



だが、其の後、日にちが経ち、そんな状況のままだった牧野翔は、等々、或る企業のオーディションを受ける日と成ったのだった。


実は、其の或る企業とは、『美作商事』…だったのだ。


勿論、此の時点に於いての牧野翔は、資料は貰って居たのだが、自身が受けるオーディションが『美作商事』だという事は、一切、知らなかったのだ。


何故なら…。
此の時点に於いての牧野翔は、10代の男子に良く在りがちな、其処迄、深く考えて居なかったから…だったのだ。


云わば…。
此の時点に於いての牧野翔は、安易に考えて居たのかも知れない。



そして、更に言う成れば、此の時点に於いての牧野翔は、自身の母親で在る つくしにとって、『美作商事』が如何言う企業で在るのか?
此れ迄、自身の母親で在る つくしからも『美作商事』について、一切、話しを聞いた事が無かったのだ。


そして、更に言う成れば、此の時点に於いての牧野翔は、自身が未だに知らない自身の父親で在る 道明寺司 と 美作商事の副社長と成った 美作あきらが幼馴染で親友だと言う事も知らなければ、当然乍ら、自身の母親で在る 牧野つくしは、美作商事の副社長と成った 美作あきらと、元々、仲間だと言う事も知らなかったのだ。


ましてや、自身の母親で在る つくしの弟の『牧野進』は、『道明寺司』以外のF4の中で言うと、『花沢類』の事は知って居たのだが、『西門総二郎』と『美作あきら』に関しては、知らない存在…だったのだ。


だからこそ…。
牧野翔にとって、『美作商事』について、知る由も無かったという訳…だったのだ。


だからだったのだろう。
此の時点に於いての牧野翔は、其の点に関して云えば、オーディションを受ける際に戸惑う事等無かったのだった。



ところが、美作商事の副社長と成った 美作あきらは、『道明寺司』とは幼馴染で親友で在るので当然では有るのだが、牧野翔が未だに知らない牧野翔の父親で在る 道明寺司の事を、良~く知って居る美作あきらの父親で在る 美作商事 社長は、牧野翔を見た事で、実は、冷静では居られなかったのだ。


だからだったのだろう。
美作あきらの父親で在る 美作商事 社長は、オーディションを受ける為に自身達の目の前に現れた牧野翔を見た事で、“取り乱すまい。”と、必死に成る程、驚愕して居たのだった。


何故なら…。
牧野翔の容姿は、自身が未だに知らない自身の父親で在る 道明寺司と、瓜二つ…だったのだから…。



勿論、其の自身が未だに知らない自身の父親で在る 道明寺司と瓜二つの容姿を持つ牧野翔は、『美作商事』の重役達の満場一致で、『美作商事』の新ブランドの専属モデルに起用される事と成ったのだった。


そして、其れに伴い、「『ショウ』と面談したい。」と、言う理由で、牧野翔が在籍して居るモデル事務所の社長に連絡を入れた美作あきらは、牧野翔と会い、話しする事と成ったのだった。


実は、其の場を設けたのには理由(わけ)が有ったのだ。


其れは、何故なら…。
勿論、美作あきら自身、当然かの様に、そうするつもりでは居たのだが、自身の父親で在る 美作商事 社長からも打診が有った事案なので、即、行動に移しただけ…だったのだ。



そして、其の後の美作あきらは、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔と会う事と成ったのだった。


だが、牧野翔が在籍して居るモデル事務所の社長に入って来た美作商事の副社長と成った 美作あきらからの提案は、「『ショウ』の素直な意見を聞きたいので、二人だけで話しさせて欲しい。」と、言う話し…だったのだ。


だからだったのだろう。
渋々では在ったのだが、“此れからの事も有るので、致し方無いだろう。”と、言う思いで、牧野翔が在籍して居るモデル事務所の社長は、美作商事の副社長と成った 美作あきらからのそんな提案を呑む事としたのだった。


だからだったのだ。
(モデル名)『ショウ』こと牧野翔は、今後、自身のマネージャーと成る 自身が在籍して居るモデル事務所のスタッフと共に『美作商事』に入ったにも関わらず、今後、自身のマネージャーと成る 自身が在籍して居るモデル事務所のスタッフは、美作商事の秘書に寄って、別室に誘導されるのだった。



だからだったのかも知れない。
異様な緊張感に包まれて居た(モデル名)『ショウ』こと牧野翔は、緊張の余り、自身の手足が冷たく成る程…だったのだ。


其れは、何故なら…。
自身の手足が冷たく成る程の此の時の(モデル名)『ショウ』こと牧野翔は、独り言ちて(ひとりごちて)居たから…だったのだ。


“僕は、一体、何を訊かれるのかなぁ~⁉”と…。



だが、流石は、牧野つくしの息子と言うべきなのだろうか?
牧野翔自身、“独り言ちて(ひとりごちて)居る。”と、思って居たそんな自身の独り言は、しっかりと、美作あきらに訊かれて居たのだった。


だからだったのだ。
此の時の美作あきらは、下を向き乍ら、自身の口元を押さえつつ、クスクスと、笑って居たのだった。


”流石、牧野の息子だよな。”と、思い乍ら…。



そして、其の後の美作あきらは、真顔に成り、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔に質問し始めるのだった。


「モデル事務所から提出された此の資料に寄ると、君の本名は、『牧野翔』と言うんだよ
 な?
 って事は、君の母親の名前は、『牧野つくし』と言うんじゃねぇのか?」と…。


だからだったのだ。
此の時の牧野翔は、驚愕顔と共に、美作商事の副社長と成った 美作あきらに訊き返すのだった。


「何故、僕の母親の名前を知って居るんですか?
 其の資料には、僕の母親の名前は書いて無いと思うのですが…。」と…。


其処で、美作あきらは、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔に、其の訳を言って除けるのだった。


「実は、俺も英徳(学園)の出身者…何だよ。
 だから、其処で、君の母親とは知り合ったという訳…何だ。
 俺は、君の母親の…牧野の一つ上の先輩だ。」と…。



実は、此の時の牧野翔は、そんな話しを美作あきらから聞いて、或る思いにぶち当たって居たのだった。
其の或る思いとは…。


“と言う事は、此の男性(ひと)は、僕の父親の事を知って居るのかも知れない。
 でも、もしかしたら、知らないかも知れない。
 だから、今は、訊かずに居よう。”と…。


だからだったのかも知れない。
此の時の牧野翔は、自身の父親の事を伏せたまま、美作商事の副社長と成った 美作あきらに或る話しを訊き始めるのだった。


「もしかしたら、ジュンさんの事を知りませんか?
 ジュンさんは、僕の事務所の先輩…何です。
 しかも、ジュンさんも英徳学園出身者だと言ってました。」と…。


だが、此の時点に於いての美作あきらの頭の中では、男女問わず、『ジュン』と言う名前に思い当たる人物が居なかったのだ。


だからだったのだ。
此の時の美作あきらは、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔に訊き返すのだった。


「『ジュン』って、誰の事だ⁉」と…。


其処で、驚愕顔に成った(モデル名)『ショウ』こと牧野翔は、美作商事の副社長と成った 美作あきらに、尚も、同じ事を訊くのだった。


「えっ、知りませんか?
 『ジュンさん』は、僕の母親の英徳学園の一つ下らしいんです。
 でも、『ジュンさん』は、英徳高校1年で転校したとか言ってました。
 『ジュンさん』の本名は、『織部順平』さんと言うんですけど…。」と…。


ところが、其れでも、此の時点に於いての美作あきらの頭の中には、男女問わず、『ジュン』と言う名前に思い当たる人物が居なかったのだ。



だが、此の時の美作あきらは、“其の『織部順平』とやらに会って視てぇな。”と、考えた事で、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔からの話しを繰り返すかの如く、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔に訊く様に返答するのだった。


「そうか、其の『織部順平』とやらは、俺と同じ英徳(学園)の出身なのか?
 で、俺の後輩って訳か?」と…。


其処で、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔は、美作商事の副社長と成った 美作あきらから納得して貰えたと思い、そんな美作商事の副社長と成った 美作あきらに対して、嬉しそうな顔付きのまま、「はい。」と、返事するのだった。


だからだったのかも知れない。
此の時の美作あきらは、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔のそんな顔を見た事で、ふと、思うのだった。


“翔は、牧野の様に、コロコロと、顔の表情が変わる。
 翔は、確かに、牧野の息子の様だな。
 と言う事は、翔の容姿は司似で、翔の中身は牧野似って訳か。
 司が翔の存在を知ったら、きっと、喜ぶだろうな。”と、物思いに耽るかの様に…。



だからだったのだ。
此の時の美作あきらは、自身のもう一人の仲間で在る『牧野つくし』の安否が知りたくて、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔に訊くのだった。


何故なら…。
牧野翔が在籍して居るモデル事務所から提出された資料に寄ると、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔の保護者の記載が、実は、牧野翔の母親で在る筈の『牧野つくし』では無く、自身の叔父で在り、つくしの弟で在る 『牧野進』と、成って居たから…だったのだ。


「なぁ~、翔…。
 君の母親で在る『牧野つくし』は、元気…何だよな?」と…。


だが、此の時の牧野翔は、如何言ったら良いのか?
返答の言葉に困るのだった。


だからだったのだ。
此の時の牧野翔は、美作商事の副社長と成った 美作あきらへの返答の言葉自体、遅れるのだった。


だが、其れでも、此の時の牧野翔は、美作商事の副社長と成った 美作あきらから不審がられる事を恐れて、美作商事の副社長と成った 美作あきらに返答の言葉を伝えるのだった。


「う~ん、元気と言えば、元気…何ですが…。」と…。


そして、此の時の牧野翔は、まだ、二十歳にも満たない弱冠12歳の子供故に、其の場で、嘘を付く事が出来ず、有りの儘(まま)かの様に、美作商事の副社長と成った 美作あきらに返答するのだった。



だからだったのかも知れない。
此の時の美作あきらは、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔からのそんな返答の言葉を聞いて居て、より一層、『牧野つくし』の安否が気に成り始めるのだった。


だからだったのだろう。
此の時の美作あきらは、訊き出す相手として、牧野翔から聞いた(モデル名)『ジュン』こと『織部順平』に焦点を絞るのだった。


だからだったのだろう。
此の時の美作あきらは、別室にて待機して居た今後、牧野翔のマネージャーと成る 牧野翔が在籍して居るモデル事務所のスタッフに声を掛けるのだった。


「『ショウ』から話しを聞いたんだが、お宅のモデル事務所に俺の英徳(学園)時代の後輩
 が居るらしいな。
 『ショウ』が、其の俺の後輩の名を『ジュン』とかって、言ってた…な。
 もし良かったら、其の俺の後輩と会って視てぇんだが…。
 今度、此処(美作商事)に呼んでくれよ。」と…。


だからだったのだ。
其の今後、牧野翔のマネージャーと成る 牧野翔が在籍して居るモデル事務所のスタッフは、自社のモデル事務所の社長に連絡を入れ、要件を伝えて判断を仰ぐのだった。


そして、自社のモデル事務所の社長からの了承が得られた事で、美作あきらは、(モデル名)『ジュン』こと『織部順平』と会える事と成ったのだった。



勿論、(モデル名)『ジュン』こと『織部順平』と会えた此の時の美作あきらは、先ずは、自身が気に成って仕方が無い『牧野つくし』の安否を訊き出そうとするのだった。


だが、実は、(モデル名)『ジュン』こと『織部順平』は、例え、美作商事の副社長と成った 美作あきらから『牧野つくし』の安否を訊かれたとしても、『牧野つくし』の安否を知らなかったのだ。


だからだったのだ。
此の時の(モデル名)『ジュン』こと『織部順平』が、もし、美作あきらに言える言葉が有るとする成らば、こう言うしか無かったのだった。


「『牧野つくし』に理由(わけ)が在るとは思うんですが…。
 私自身、『ショウ』から話しを聞いて居ませんし、全く、知らないんですよ。
 もしかしたら、『牧野つくし』が『ショウ』に伝えて居るのかも知れません。
 “此の事は、誰にも言わない様に…。”とか…。」と…。


だからだったのだろう。
此の時の美作あきらは、(モデル名)『ジュン』こと『織部順平』からのそんな返答の言葉さえ、胡散臭さを感じない迄も、信じる事が出来無かったのだった。



だが、其の後の美作あきらは、(モデル名)『ショウ』こと牧野翔から聞いた話しも、(モデル名)『ジュン』こと『織部順平』から聞いた話しも、全て含めて、自身の父親で在る 美作商事 社長に、一応、報告するのだった。



PS.


実は、『美作商事』の新ブランドのオーディションを受ける事に成った(モデル名)『ショウ』こと牧野翔は、(モデル名)『ジュン』こと『織部順平』の提案に寄り、眼鏡を掛けて、オーディションに臨んで居たのだった。


何故なら…。
織部順平自身もそうだったのだが、牧野翔が未だに知らない牧野翔の父親で在る 道明寺司の容姿に瓜二つの牧野翔の事を心配した織部順平は、自身達が在籍して居るモデル事務所の社長に、牧野翔の眼鏡着用に関して、提案したという訳…だったのだ。


だが、其れでも、美作あきらだけでは無く、美作あきらの父親で在る 美作商事 社長も、牧野翔が誰の息子で在るのか?
牧野翔の容姿を見ただけで、悟って居たという訳…だったのだ。