記憶を失って…<つかつく> 14.
あの関西でのパーティーの際に知り合いになった滋とは会って居ない事に気付いたつくしだった。
また、“東京で再会しよう。”と、言って居たが、“滋さんは元気なんだろうか?”と、ふと思っていたつくしだった。
そんな時だった。
偶然にも、取引先と会食後の料亭で滋とばったり会ってしまった。
「つくし、だよね?」
「あっ、滋さん?
ご無沙汰してます。」
「ほんとそうだよね、あの日以来だよね?」
「ええ、そうですね。」
「ねぇ、今、少しの時間だったら、大丈夫?」
「はい、大丈夫ですが…?」
滋は意を決して話し出した。
「つくし、相談したい事が有ってね?
あの、関西のパーティーの時に、つくしが話ししていた男性が居てたでしょ?
紹介して欲しいんだけど…。
如何かな?」
「じゃあ、もう耕平さんとは会い辛いので、パパに相談してみます。
お見合いって形では如何ですか?」
滋は相談して良かったと思っていた。
「うん、大丈夫⤴。
宜しくお願いします。」
「分かりました。」
つくしは、つくしパパに連絡を入れ、耕平に滋をお見合いという形で紹介してもらえるようお願いをしてみた。
古菱社長も、耕平には悪い事をしていると認識をしていたので、つくしの話しに乗る事にした。
つくしがつくしパパから聞いた処に寄ると、この話は、どんどん先に話しが進む様に成ったとの事だった。
大河原家は滋が前向きになってくれた事で安心していた。
それと同時に、滋パパはつくしに感謝していた。
一方、優紀と桜子もつくしと連絡を取り合っては、友好を深めていた。
ある日の集まりの際、『呼び名』を如何するかと話ししていた。
「私は、同い年だし、『つくし』で、良い?」
「うん‼
じゃあさあ、私は、『優紀』で、良い?」
「「じゃあ、そうしよう‼」」
つくしと優紀は、ハモった。
「私は、『先輩』って、呼んで良いですか?」
「えっ、何で??」
「実は、つくしさんって、高校の時の私の先輩に似てらっしゃるんですよね⤴。
だから、そう呼ばせてもらえると嬉しいかなと…。」
「うん、良く分からないけど、親しみを持ってくれているって事だよね?
じゃあ、良いよ‼」
「有難うございます。
じゃあ、私の事は、『桜子』で、お願いします。」
「了解‼」
実は、総二郎とあきらと一緒に優紀と桜子が居た時、優紀と桜子が相談していた話しの内容を総二郎とあきらが聞いていたらしい。
で、改めて、総二郎とあきらに相談した結果が、この内容だったという訳である。
呼び名を決めてからのT3はかなり、急接近したようで、友好がより深まって来たと、
優紀と桜子は感じていた。
そんな事が有ってからの数日後に、T3が集まった際、つくしが突拍子もない事を言い出した。
「関西のパーティーでね、東京在住のお嬢様と知り合ってね。
今も会ってたりするの。
今度、連れて来るね‼」
優紀と桜子は、ダメとは言えず、了承した。
その了承がとんでもない事に成るとは、優紀と桜子は予想出来ずに居た。