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花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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Once again~再び~  9.





【『Once again~再び~  4.』の【プロローグ】 と 〈PS.〉のエピローグ と 
 『Once again~再び~  7.』のエピローグ  〈一部有り〉】


〈総優〉


優紀と一緒に自身の自室に入った此の時の総二郎は、真紀が自分自身の娘で在るという事実を優紀自身が認めてくれたお陰で、嬉しさが募り、自身の自室の中に入った途端、優紀の腕を自身の方へと引き寄せて抱き締めて居たのだった。


だからだったのかも知れない。
此の時の優紀は無抵抗だった事も在り、総二郎の腕の中で、ぐらっと、ぐらつくのだった。
勿論、此の時の総二郎は、そんな優紀をしっかりと抱き締めて居た事は言う迄も無かったのだが…。



そして、未だ、優紀を抱き締めたままの其の後の総二郎は、尚も、優紀を抱き締めたままの状態で優紀に訊き始めるのだった。


「なぁ~、優紀…。
 真紀を妊娠したと分かった時点で、何で俺に言って来なかった?」と…。


其処で、優紀は、“其れは、当たり前です。”と、言いた気に言い始めるのだった。


「だって、其れは…。
 あの頃の私は、西門さんに連絡出来る筈が無かったんです。」と…。


だからだったのだろう。
そんな優紀の言い分を聞いて居た総二郎は、“はぁ~??”と、でも言いた気に、更に、優紀に訊き始めるのだった。


「何でだよ?」と、少し、怒った様な顔付きで…。


だからだったのだ。
此処で、優紀は、核心を突く様な事を言い始めるのだった。


「だって、其れは…。
 西門さんは、私の事を嫌って居たから…?」と…。


だからだったのかも知れない。
そんな風に優紀から言われてしまった此の時の総二郎は、更に、“はぁ~??”と、でも言いた気に、更に、怒った様な顔付きで訊き始めるのだった。


「何だよ、其れ…⁉
 何時(いつ)、俺が優紀の事を、“嫌いだ‼”っつーったんだよ‼」と…。


実は、此の時の総二郎の顔付きは、不貞腐れたかの様な顔付きをして居たのだ。
勿論、未だ、優紀を抱き締めたまま…だったので、優紀には、全く、そんな総二郎の顔付きは見えて居なかったのだが…。



其処で、此の時の優紀は、尚も、抱き締められた状況で俯き乍らも、きっと、総二郎からして視れば、『反論』とでも言いたく成る様な言葉を総二郎に言い始めるのだった。


「あの頃の西門さんは、私に仰いましたよね?
 “優紀ちゃんを恋愛対象に見る事は出来無い。”って…。」と…。


だが、此の時の総二郎は、英徳高校時代の自分自身が、其の後、優紀に伝えた言葉を言って遣るのだった。


「けど…な。
 俺は、優紀にそう言った後、更に、言ったよな‼
 “俺にとっては革命を起こしてくれた人だよ。
  大事な存在。
  此れからも仲間として、宜しくっつー事で…。”って…。
 其れの何処が嫌われてるっつー事に成んだよ‼」と…。


其れでも、此の時の優紀は、更に、核心を突く様な話を言い始めるのだった。


「でも、私は、西門さんから、“俺は、いい男だけど、いい奴じゃねぇからいい奴を探
 せ!”とも言われましたよね。
 だからこそ、“私は、西門さんから嫌われてる。”って、思ってました。」と…。


其処で、そんな風に優紀から言われてしまった此の時の総二郎は、溜息を吐き(つき)乍らも、更に、きつく優紀を抱き締め直して言い始めるのだった。


「なぁ~、優紀…。
 俺をディスるのは、もう、そろそろ、良いだろ‼
 優紀は、俺と結婚したくねぇのかよ?
 其れとも、俺を弄って喜んでんのかよ?
 けど…な。
 既に、俺 と 優紀との間には真紀が居んだよ。
 結婚するに決まってんだよ‼
 だから…な。
 先に言って置くが、俺 と 優紀の中では結婚しねぇ選択肢はねぇから…な。
 で、訊いて置きてぇんだけど…な。
 何で、優紀は、真紀のパパが俺だって、認めたんだ?」と…。


だからだったのだろう。
此の時の優紀は、素直に総二郎に話しし始めるのだった。


「実は、おばあ様…。
 桜子さんのお祖母様から言われてしまったんです。
 “父親が近くに居るのに、何時(いつ)迄も、父親の居ない娘(こ)にするのは如何(い
  かが)なものかしらね。
  優紀さん…何時(いつ)迄も、頑固を張るのは真紀ちゃんの為に成らないわよ。”っ
 て…。
 実は、桜子さんのお祖母様からそう言われてしまった時に、本当の事を言うと、私は、少
 し、ショックだった事は確か…だったんです。
 だからこそ、考えました。
 “私って、頑固…だったんだぁ~。
  其れが真紀の為に成らない…か‼
  ホント、そうかも知れないなぁ~。”って…。
 で、“私の身勝手な考えだけで真紀を不幸にしてはいけない。”って、反省したんです。」と…。


そして、優紀からのそんな話しの中で、総二郎自身が知りたかった其の理由(わけ)が分かった事で、更に、総二郎は、優紀に訊くのだった。


「そう言う事か‼
 分かった。
 だが、何で、優紀 と 真紀は、三条家で世話に成る事に成ったんだ?」と…。


だからだったのだ。
此の時の優紀は、あの頃の事を思い出し乍ら、総二郎に話しし始めるのだった。


「実は、あの頃の私は、妊娠したと気が付いた時に、如何し様か?
 悩んで居たんです。
 そんな風に悩んで居た頃に、偶々、T4女子会が開催されて、其の時に、桜子さんにバレて
 しまったんです。
 “顔色が悪いですよ。”とか…。
 “何か、身体がしんどそうですよ。”とか…。
 で、桜子さんから、其の後も、色々と、聞かれてしまって白状する羽目に成ったんです。
 だから、桜子さんに訊いて視たんです。
 “如何して、分かったんですか?”って…。
 そうしたら、“優紀さんを見て居たら、確信したんです。”って、当然の様に…。
 で、其の後、桜子さんがおばあ様にお話しして下さって、私におばあ様が仰って下さった
 んです。
 “赤ちゃんを産んで子育てする気なら、赤ちゃんを産んだ後、うち(三条邸)で育てなさ
  い!”って…。
 しかも其れだけじゃ無くて、私の両親に迄、説得して下さって…。
 だからこそ、此れ迄、遣って来られたと、思います。」と…。


其処で、此の時の総二郎は、優紀からのそんな話しを聞いて居て、ふと、思うのだった。


“って事は、全てが桜子の祖母さん と 桜子のお陰っつー訳か‼
 桜子の祖母さん と 桜子には感謝しねぇとな。”と…。



そして、更に、此の時の総二郎は、気に成って居た事を優紀に訊き始めるのだった。


「っつーか、今更だけど…よ。
 真紀は、あん時…。
 俺が優紀の『初めて』を貰った時のガキだよな⁉」と…。


だからだったのだろう。
此の時の優紀は、総二郎の腕の中で恥ずかしそうにし乍らも、返答するのだった。


「はい、そうです。」と…。


だからだったのかも知れない。
優紀からのそんな返答の言葉を聞いて居た此の時の総二郎は、『真紀』の顔を見た時点で、薄々、気が付いて居た事が確信に変わったのだった。


だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、密かに思うのだった。


“やっぱり…な。”と…。


勿論、『真紀』が産まれる切っ掛けに成ったのは、其の時しか考え様が無かったのだが…。



だからだったのだ。
其れでも、此の時の総二郎は、確認するかの如く、優紀に訊くのだった。


「っつー事は、優紀が真紀を産んだのは、7年前だよな⁉
 と言う事は、真紀の歳は6歳か?」と…。


其処で、此の時の優紀は、総二郎の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人も知って居る事を口にするのだった。


「実は、真紀のお誕生日は、『12月3日』…何です。
 ですから、真紀は、今日で6歳に成りました。
 先程、家元 と 家元夫人から真紀のお誕生日プレゼントを頂戴して居た所でした。」と…。


だからだったのだ。
此の時の総二郎は、優紀からのそんな話しを聞いて、「マジか⁉」と、嬉しそうにそう言い乍らも、密かに、悔しく思うのだった。


“だからこそ、さっき、居間で、真紀の周りにだけ、玩具(おもちゃ)が転がって居たんだ
 な。
 親父も、お袋も知ってんだったら、俺にも教えて置けっつーんだよ‼
 父親の立場がねぇだろうが…。”と…。


だが、其れでも、嬉しい事には違い無く、此の時の総二郎は、自身の誕生日に娘を産んでくれた優紀にお礼の言葉を伝えるのだった。


「優紀…俺の誕生日に真紀を産んでくれてサンキューな!
 俺にとっては、嬉しいBirthday presentだわ。」と…。


だからだったのだろう。
未だ、優紀を抱き締めたまま…だった総二郎は、漸く、優紀を開放して遣り、其の代わりに優紀の唇を塞いだのだった。



だからだったのかも知れない。
長い間、総二郎から唇を塞がれたままだった優紀は、お互いの唇が離れた途端、総二郎に訊くのだった。


「今度は、私が西門さんに訊いても良いですか?」と…。


だからだったのだ。
此の時の総二郎は、そう訊いて来た優紀に、“優紀は、一体、俺に何を訊く気…何だ⁉”と、そんな優紀を不審に思い乍らも、其れでも、「ああ…。」と、優紀に返答の言葉を口にするのだった。


「西門さんは、私と結婚して下さるんですよね?
 まさか、真紀が居るから、私と結婚して下さるとかじゃ無いですよね?
 違うのでしたら、私に西門さんの気持ちを教えて下さい。」と…。


だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、照れからなのか?
“そう来たか?”と、思い乍らも、また、優紀を抱き締めた状態で言って遣るのだった。
勿論、溜息混じりに…。


「はぁ~
 俺が優紀と結婚するって、言ってんだから…よ。
 本来なら、悟って欲しいんだけど…な。
 仕方がねぇから言って遣るわ。
 俺は、優紀の事が好きだ‼
 分かったか、優紀…?」と…。


其処で、此の時の優紀は、嘗て、総二郎が優紀に惹かれた切っ掛けと成った好きだった優紀の満面の笑みを見せ乍ら、返答の言葉を口にするのだった。


「はい、良く分かりました。
 有難う御座います。」と、未だ、総二郎に満面の笑みを見せ乍ら…。



PS.


そして、其の後の総二郎 と 優紀は、漸く、お互いの気持ちを確認し合った事で、『恋人同士』を通り越して、『夫婦』に成る事と成ったのだった。




〈此の二次小説『Once again~再び~  9.』は、一部の文面の中に、神尾葉子先生の漫
 画『花より男子』の花男メンバーのセリフを無断で借用して記載致して折ります。
 神尾葉子先生に於かれましては、無断で借用して記載致して折ります事をお詫び申し上げ
 ます。
 また、関係者各位 様に於かれましても、無断で借用して記載致して折ります事を、重ね
 てお詫び申し上げます。
 ご了承の程、宜しくお願い申し上げます。〉


〈また、此の二次小説『Once again~再び~』は、神尾葉子先生の漫画『花より男子』のス
 トーリーの流れ(順序)を、多少、変えてしまって居る所が在ります。
 此方に関しましても、無断で変えてしまって居る事を、重ね重ねお詫び申し上げます。
 ご了承の程、宜しくお願い申し上げます。〉

Once again~再び~  8.





〈総優〉


実は、「チェッ」と、悪態を吐いて(ついて)居た総二郎…だったのだが、後悔せずに済んだ事で、後々、自身の母親で在る 西門流 家元夫人に感謝する事と成るのだった。


実の事を言うと、自身の母親で在る 西門流 家元夫人からのそんな物言いに悪態を吐いて(ついて)居た総二郎自身、腑に落ちない中でも、“何か在るんじゃねぇのか⁉”と、勘繰った事で、自身の母親で在る 西門流 家元夫人からのそんな物言いに従って視ただけの話し…だったのだ。


だが、其の結果、此の時の総二郎は、後悔せずに済んだという訳…だったのだ。


という訳で、後々、自身の母親で在る 西門流 家元夫人に感謝する事と成ったという訳…だったのだ。



実は、総二郎の誕生日で在る『12月3日』という日は、優紀 と 優紀の娘で在る 真紀が総二郎の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人に寄って、西門邸に招待されて居た日…だったのだ。


何故、総二郎の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人が、西門邸にて、総二郎の誕生日で在る筈の『12月3日』の日に、優紀 と 優紀の娘で在る 真紀を招待したのかと言えば、其れには深い理由(わけ)が有ったのだ。



そして、総二郎の誕生日で在る『12月3日』…。
其の日は、普段、滅多に、自邸(西門邸)に居ない筈の総二郎が、自身の母親で在る 西門流 家元夫人からの言い付けを守るかの如く、西門邸の自室に居たのだった。


勿論、事前に、西門家の使用人頭から其の事実を聞いて知って居た此の時の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、優紀 と 優紀の娘で在る 真紀が西門邸に着いた時点で西門家の使用人頭に言付けて(ことづけて)居たのだった。


「総二郎に此方(西門邸の母屋の中に在る 居間)に来る様に伝えてくれるかしら。」と…。



だからだったのだろう。
西門家の使用人頭から、自身の母親で在る 西門流 家元夫人の言付け(ことづけ)を聞いた此の時の総二郎は不貞腐れ乍らも、西門邸の母屋の中に在る 居間に向かうのだった。


其処で、西門邸の母屋の中に在る 居間から楽しそうな幾つかの声を聞いた此の時の総二郎は不思議そうな顔付きに成り乍らも、西門邸の母屋の中に在る 居間の外から中に向かって声を掛けるのだった。


「失礼します。
 総二郎です。
 中に入ります。」と、嫌みっぽい言い方で…。


そして、西門邸の母屋の中に在る 居間の中から総二郎の父親で在る 西門流 家元の声が聞こえて来たのだ。


「総二郎か、中に入りなさい。」と…。


だからだったのだ。
そんな風に自身の父親で在る 西門流 家元から言われた此の時の総二郎は、「失礼します。」と、言い乍らも礼儀作法通りに西門邸の母屋の中に在る 居間の襖を開けて中に入るのだった。


云わば…。
此の時点に於いての総二郎は、まだ、他人行儀だと言えたのだ。



だが、西門邸の母屋の中に在る 居間の中に一歩…自分自身の足を踏み入れた途端、此の時の総二郎は、一瞬、凍り付いたかの如く、驚愕で言葉を発せない程…だったのだ。


そして、暫く経ってから、漸く、我に返った総二郎は、一言…ほんの一言だけ発する事が出来たのだった。


「優紀ちゃん…⁉」と…。


其れでも、此の時の総二郎は、まだ、驚愕顔を顔に貼り付かせたまま…だったのだ。


何故なら…。
優紀の隣には、此れ迄、総二郎自身、全くと言って良い程、見掛けた事が無い何処か自身の幼少期の頃にそっくりな幼女が座って居たから…だったのだ。



だからだったのかも知れない。
そんな風に自身を見て来る総二郎に気が付いた優紀の娘で在る 真紀がそんな総二郎に挨拶の言葉を口にするのだった。


「こんにちは!
 まつおかまき(松岡真紀)です。
 おじさんのおなまえ(名前)は⁉」と…。


実は、優紀の娘で在る 真紀から『おじさん』呼ばわりされてしまった此の時の総二郎は、依然として不貞腐れて居たのだが、総二郎の父親で在る 西門流 家元は豪快に笑い出し、また、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は俯き乍らも、クスクスと、笑い出す始末…だったのだ。


だが、此の時の優紀は、予期して居なかった事も在り、総二郎を見ただけで、依然として、驚愕顔を顔に貼り付かせたまま…だったのだ。



其処で、総二郎の父親で在る 西門流 家元は、其の場の雰囲気を鎮める為に、自身の息子で在る 総二郎に声を掛けるのだった。


「総二郎…折角、真紀が挨拶してくれて居るんだろ!
 ちゃんと、真紀に挨拶してお遣り為さい‼」と…。


だからだったのかも知れない。
此の時の総二郎は開き直った事で確信した事を優紀の娘で在る 真紀に言いつつも、優紀本人には訊き始めるのだった。


「俺は、西門総二郎だ‼
 俺は、『おじさん』じゃねぇよ。
 俺は、真紀のパパだ‼
 なっ、そうだよな⁉
 優紀…。」と…。
「………」


だからだったのだ。
此の時の優紀は目を大きく見開いたまま、更に、驚愕顔を顔に貼り付かせる形と成り、言葉を発する事さえ出来無く成って居たのだった。



だからだったのだろう。
そんな自身の母親で在る 優紀を気遣う事さえ出来ぬまま、放って置くかの様に、此の時の優紀の娘で在る 真紀は、自身の母親で在る 優紀に訊き始めるのだった。


「ママは、“まき(真紀)にはパパはいない(居ない)。”って、いつ(何時)も、いってい
 た(言って居た)でしょ!
 なのに、ほんとう(本当)は、まき(真紀)にもパパがいた(居た)の?
 ママは、まき(真紀)にうそ(噓)をついて(吐いて)いた(居た)の?」と…。


実は、此の時の優紀の娘で在る 真紀の顔付きは、自身の母親で在る 優紀から噓を吐かれて(つかれて)居たと、勘違いを起こして、悲しそうな顔付きに成って居たのだった。


だからだったのかも知れない。
そんな自身の娘で在る 真紀の顔付きを見た此の時の優紀は、急に息苦しく成り、慌てて、訂正の言葉を口にするのだった。


「ごめんね、真紀…。
 ママは、真紀に噓を吐いた(ついた)訳じゃ無いの。
 でも、結果的に噓を吐いた(ついた)事に成ってしまったね。
 許してね、真紀…。」と…。



其処で、此の時の総二郎は、そんな優紀からの話しを聞いて居て、自身の娘で在る 真紀に声を掛けるのだった。


「なっ、真紀…言ったろ。
 俺は、真紀のパパだ‼
 パパの所に来い、真紀…!」と、自身の腕を出し乍ら…。


だからだったのかも知れない。
先ずは、自身の母親で在る 優紀の顔を見て、自身の母親で在る 優紀からの頷きを確認した此の時の総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀は、まっしぐらに、脇目も振らず、総二郎に向かうのだった。
そして、一気に抱き着いたのだった。


「パパ…。」と、言い乍ら…。


だからだったのだろう。
其の後の総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀は、初めて見る自身の父親で在る 総二郎から離れ様とし無かったのだ。



そして、其の後の総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀は、自分にもパパが居たという嬉しさの余り、泣き疲れたのだ。


そして、更に言うと、実は、其れだけでは無かったのだ。
漸く、泣き止んだ後の総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀は、自身の父親で在る 総二郎との会話に夢中に成り、何時(いつ)しか話し疲れた事で、まだ、夕方にも成って居ないお昼間の時間帯にも関わらず眠ってしまったのだ。



だからだったのだ。
此の時の総二郎の心の中では、“優紀に訊きてぇ話しが山程在る。”という思いが在り、自身の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人に頼む事にしたのだった。


「真紀が目を覚ます前に、優紀と話しして置きてぇんだわ。
 勝手して申し訳ねぇんだけど…よ。
 其の間、真紀の事…頼んで良いか?」と…。


勿論、此れ迄の総二郎の中に、例え、自身の両親だったとしても、こんな風に物を頼んだ事が無く、少し、照れ気味に訊いて居たのだった。



だからだったのかも知れない。
勿論、例え、自身の息子だったとしても、此れ迄、そんな総二郎を見た事が無かった総二郎の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人は、また、笑い出すのだった。


だが、何故、自身の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人が笑って居るのか?
理解出来無い当の本人で在る 総二郎は、更に、不貞腐れ始めるのだった。



ところが、一転して、母親らしい優しい眼差しをした此の時の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、自身の息子で在る 総二郎に声を掛けるのだった。


勿論、此の時の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、嫌み気味に、自身の息子で在る 総二郎に声を掛けて居た事は言う迄も無かったのだった。


だからこそ、此の時の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、嫌み気味で在ったとしても、自身の息子で在る 総二郎に訊けた言葉…だったのだろう。


「真紀ちゃんの事は、此方に任せて置きなさい!
 其れ寄りも、総二郎…良かったわねぇ~。
 貴方の優紀さんへの想いが実って…。
 “ここ最近の総二郎が荒れて居たのは、総二郎の身に何か在ったんじゃ無いのかし 
  ら?”と、危惧して居たからこそ、母親として、私(わたくし)成りに総二郎の様子を
 見て居たんだけど…。
 でも、もう、此れで大丈夫そうね。
 総二郎…本当に、良かったわね!」と…。



だが、そんな話しを優紀の目の前で話されてしまった当の本人で在る 総二郎は、此の場が居た堪れない状況と成って居た事で、「行くぞ‼」と、言い乍らも、無理矢理、優紀の腕を引っ張って自身の自室に優紀を連れて行こうとして居たのだ。


だからだったのだろう。
此の時の優紀は、無理矢理な形で総二郎に自身の腕を引っ張られた事で、優紀の身体は引き摺られてしまって居たのだった。


だからだったのだ。
此の時の優紀は、総二郎の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人に、自身の娘で在る 真紀の事を、ちゃんとお願いする事が出来無かったのだ。


だが、其れでも、此の時の優紀は、早口で、総二郎の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人に願い出るのだった。


「申し訳在りません。
 真紀の事を宜しくお願い致します。」と…。



そして、其の後の総二郎 と 優紀は、総二郎の自室に向かい、総二郎のエスコートの下、一緒に、総二郎の自室の中に入るのだった。


其処で、此の時の総二郎は、真紀が自分自身の娘で在るという事実を優紀自身が認めてくれたお陰で、嬉しさが募り、自身の自室の中に入った途端、優紀の腕を自身の方へと引き寄せて抱き締めて居たのだった。


だからだったのかも知れない。
此の時の優紀は無抵抗だった事も在り、総二郎の腕の中で、ぐらっと、ぐらつくのだった。
勿論、此の時の総二郎は、そんな優紀をしっかりと抱き締めて居た事は言う迄も無かったのだが…。

Once again~再び~  7.





〈総優〉


実は、此れ迄、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人にとってすれば、『牧野つくし』と言う名は聞いた事が有ったのだが、『松岡優紀』と言う名は、今迄に聞いた事の無い名前故…。
桜子の祖母で在る 三条家の大奥様に如何返答すれば良いのか?
悩む位に戸惑いを見せて居たのだ。



だが、其れでも、其の後の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、桜子の祖母で在る 三条家の大奥様から『松岡優紀』と言う名の女性について、色々と話しを聞いて行く内に、
『松岡優紀』に興味を持ち始めるのだった。


だからだったのだろう。
此の時の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は考え始めて居たのだった。


“『松岡優紀』と言う女性は、三条家の大奥様に、其処迄、言わしめるとは…。
 大奥様が仰る通り、例え、優紀さんが一般家庭出身の女性…だったとしても、総二郎には
 真紀ちゃんが居る訳だし、一層の事、総二郎 と 優紀さんを結婚させれば良いだけだ
 わ!
 と言う寄りも、優紀さんは、総二郎が馬鹿な女遊びをして居た女性達と同じ様な女性じゃ
 無くて、本当に良かったわ。
 其れに、三条家の大奥様が認める女性…成らば、絶対に間違い無いわ。
 元々、三条家の大奥様は、人を見る目が有る方ですものね。”と…。


だからだったのだろう。
密かに、そんな風に考えて居た此の時の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、其れはまるで、自分自身の事の様に楽しそうに、そう考えて居たのだった。


だからだったのかも知れない。
其の後の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、西門邸に自邸後、其れはまるで、桜子の祖母で在る 三条家の大奥様との約束事を忘れてしまったかの如く、三条邸でのお茶会の報告と共に、自身の夫で在る 西門流 家元に桜子の祖母で在る 三条家の大奥様から聞かされた『松岡優紀』と言う名の女性 と 其の女性の娘で在る 『真紀』について、話しして聞かせるのだった。



だからだったのだ。
『松岡優紀』と言う名の女性 と 其の女性の娘で在る 『真紀』について、自身の妻で在る 西門流 家元夫人からそんな話しを聞かされた此の時の総二郎の父親で在る 西門流 家元は、唯、じーっと、何も言わず、そんな話しを聞いて居るだけ…だったのだ。


だが、此の時の総二郎の父親で在る 西門流 家元は、其の後、唯、一言だけ、言葉を発したのだ。
其れはまるで、自身の妻で在る 西門流 家元夫人からそんな話しを聞いただけで、『松岡優紀』と言う名の其の女性 と 其の女性の娘で在る 『真紀』について、興味を示めし始めたかの様に…。


「私も一度、其の『松岡優紀』と言う其の女性 と 其の女性の娘で在る 『真紀』と言う
 少女と会って視たいものだ。」と…。



だからだったのだ。
総二郎の父親で在る 西門流 家元からのそんな言葉を受けて、桜子の祖母で在る 三条家の大奥様は、西門流から打診を受けるのだった。


「西門流 家元からのご要望で御座います。
 三条家にて、お世話に成って居らっしゃいます『松岡優紀』様 と 其の女性のお嬢様の
 『真紀』様と、(西門流 家元が)お会いに成りたいとのお話しが御座いました。
 如何(いかが)で御座いましょうか?」と…。



実は、桜子の祖母で在る 三条家の大奥様からして視れば、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、自身との約束事を不履行にした訳なので、本来成らば、此の件に関して、例え、怒りを露わにしたとしても、何等、可笑しくないと言える事案なのだ。


だが、そんな要望を西門流から打診された此の時の桜子の祖母で在る 三条家の大奥様は、決して、怒りを露わにする事は無かったのだ。


其れ処か?
寧ろ、クスクスと、笑って見せて居たのだった。


何故なら…。
此の時の桜子の祖母で在る 三条家の大奥様にとってすれば、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人のそんな行動は想定内と言えたから…だったのだ。


と言う寄りも、桜子の祖母で在る 三条家の大奥様は、『松岡優紀』と言う名の其の女性 と 其の女性の娘で在る 『真紀』について、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人と話しを進めて行く内に、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人が優紀に対して、興味を示めし始めた事を確認して居たのだ。


という訳で、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人のそんな行動は、此の時の桜子の祖母で在る 三条家の大奥様にとってすれば、想定内と言えたからこそ、怒りを露わにする必要も無かったのだ。


だからこそ、桜子の祖母で在る 三条家の大奥様は、総二郎の父親で在る 西門流 家元からのそんな要望を受け入れる事にしたのだった。


「承知しましたわ。
 “優紀さんにお伝えします。”と、家元にお伝え下さい。」と…。



という訳で、此の時の優紀は、桜子の祖母で在る 三条家の大奥様から、総二郎の父親で在る 西門流 家元からのそんな要望について、話しを聞く事と成ったのだった。
勿論、桜子の祖母で在る 三条家の大奥様からそんな話しを聞かされた此の時の優紀は困惑気味…だったのだ。


何故なら…。
桜子の祖母で在る 三条家の大奥様からの申し出に寄り実現した自身の娘で在る 真紀の『初めての半東』は、何事も無く、無事に終了出来、ホッとして居たのも束の間…。
優紀にとっては、思っても視なかった所からの要望話に驚愕し無い方が不思議な位の話し…だったのだ。


だからだったのかも知れない。
此の時の優紀は、総二郎の父親で在る 西門流 家元からのそんな要望話について、勿論、お断りするつもり…だったのだ。


だが、そんな優紀の困惑気味な状況を知ってか? or 知らずか?
此の時の桜子の祖母で在る 三条家の大奥様は、優しい眼差しで、そんな優紀を諭し始めるのだった。


「優紀さん…宜しいかしら?
 真紀ちゃんの事は、何れ、西門家にバレる話しよ!
 何時(いつ)迄も隠し通せる話しでは無いわ。
 だとしたら、思い切って、此処で、家元 と 家元夫人にお会いするのも良いんじゃ無い
 のかしら⁉
 優紀さんはそう思わなくて?
 其れが、延いて(ひいて)は、真紀ちゃんの為にも成るのよ。
 父親が近くに居るのに、何時(いつ)迄も、父親の居ない娘(こ)にするのは如何(いか
 が)なものかしらね。
 優紀さん…何時(いつ)迄も、頑固を張るのは真紀ちゃんの為に成らないわよ。」と…。


だからだったのかも知れない。
桜子の祖母で在る 三条家の大奥様からのそんな話しの中で、思っても視なかった言葉を言われてしまい、此の時の優紀自身、動揺してしまうのだった。


“私って、頑固…だったんだぁ~。
 其れが真紀の為に成らない…か‼
 ホント、そうかも知れないなぁ~。”と…。


だからだったのだ。
此の時の優紀は、桜子の祖母で在る 三条家の大奥様に了承の意を伝えるのだった。


「承知致しました。
 家元 と 家元夫人にお会い致します。
 宜しくお願い致します。」と…。


そして、其の後の優紀 と 自身の娘で在る 真紀は、西門邸にて、総二郎の両親で在る 家元 と 家元夫人に会う事と成ったのだった。



という訳で、其の後、優紀と会った時の総二郎の父親で在る 西門流 家元は、先ず、優紀に願い出るのだった。


「優紀さんにお願いが在るんだが、聞いてくれるかい?」と…。


だからだったのだろう。
此の時の優紀にとって、総二郎の父親で在る 西門流 家元からのそんな願いを拒める筈も無く、了承の意を伝えるのだった。


「はい、どの様なお話しでしょうか?」と…。


其処で、総二郎の父親で在る 西門流 家元は、了承して来た優紀に提案するのだった。


「私 と 家元夫人に茶を点ててくれるかい?」と…。



実の事を言うと、此の時の優紀は、既に、総二郎の両親で在る 家元 と 家元夫人を前にして緊張して居たのだ。


そんな状況の中…。
総二郎の父親で在る 西門流 家元から、「私 と 家元夫人に茶を点ててくれるかい?」と、言われてしまった此の時の優紀は如何して良いのか?
戸惑い始めるのだった。


だからだったのだ。
此の時の優紀は、既に、“如何し様⁉”と、動揺して居た事も在り、何時(いつ)迄経っても総二郎の父親で在る 西門流 家元に返答の言葉を告げられずに居たのだった。



だが、そんな優紀に助け舟を出す人物が居たのだ。
其れは、そうなのだった。
総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人…其の女性(ひと)…だったのだ。


何故なら…。
自身の母親で在る 優紀のそんな緊張して居る様子を心配そうに、傍で見て居た優紀の娘で在る 真紀が其処に居たから…だったのだ。


だからだったのかも知れない。
此の時の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、そんな優紀の娘で在る 真紀の様子を見て居たからこそ、そんな優紀を助けずには居られなかったのだ。


だからこそ、此の時の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、そんな優紀に言えた言葉…だったのだ。


「優紀さん…そんなに緊張し無いで頂戴ね。
 此れは、『試験』という訳では無いわ。
 優紀さんは、三条家の大奥様からお茶のお稽古を付けてもらって居るのよね。
 三条家の大奥様からお話しを伺って居るのよ。
 “優紀さんは、お茶に対して、真摯な態度で、真摯に向き合って居るのよ。
  優紀さんは、相当、お茶がお好きな様ね。”って…。
 だからこそ、優紀さんの茶道に対してのそんな真摯な姿を見て視たかっただけなの。
 ごめんなさいね。
 優紀さんを吃驚させてしまって…。
 家元の言い方…だったら、緊張しても当然よね。」と…。


実は、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人の最後の物言いの時には、既に、クスクスと、笑い混じりに言って居た程…だったのだ。



だからだったのかも知れない。
自身の妻で在る 西門流 家元夫人のそんな様子を見て居た此の時の総二郎の父親で在る 西門流 家元は、自身の妻で在る 西門流 家元夫人に対して、“失敬な‼”と、思って居た程…だったのだ。



だが、反対に、優紀にとってすれば、総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人のそんな様子は、何時(いつ)の間にか、自身の緊張が噓の様に解れて行く程…だったのだ。
しかも、優紀自身が気付かぬ間に…。


其れ位、此の時の総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人のそんな様子は、優紀自身、驚愕するもの…だったのだ。


だからだったのだ。
何時(いつ)の間にか、冷静に戻る事が出来た此の時の優紀は、自身の娘で在る 真紀のそんな様子を確認した事で、自身の娘で在る 真紀に心配をさせない様に小声で伝えるのだった。


「大丈夫だよ!」と、微笑み乍ら…。



そして、其の後の優紀は、総二郎の両親で在る 家元 と 家元夫人の前でお茶を点てるのだった。


其処で、総二郎の両親で在る 家元 と 家元夫人は、茶道の作法通りに優紀が点てたお茶を飲んだ後…。
お互いの顔を見て確認した事で、総二郎の両親で在る 家元 と 家元夫人のお互いは、同じ様な思いで居た事が分かったのだった。


“三条家の大奥様が仰って居る通り…だった(わ)。”と…。


云わば…。
総二郎の両親で在る 家元 と 家元夫人の言いたかった事は、茶道に対しての真摯な態度で、真摯に向き合って居るそんな優紀の姿を認めたという訳…だったのだ。


其れ位、此の時点に於いての総二郎の両親で在る 家元 と 家元夫人は、優紀の事を気に入ったという訳…だったのだ。



だからだったのだ。
優紀 と 真紀が三条邸に帰邸した後に、西門邸に帰邸した総二郎を呼び出した総二郎の母親で在る 西門流 家元夫人は、自身の息子で在る 総二郎に言って除けるのだった。


「総二郎に伝えて置くわね。
 貴方のお誕生日で在る 12月3日は、(西門)邸に居なさい!
 お客様を呼んで在るから…。」と…。


だが、自身の母親で在る 西門流 家元夫人からのそんな強制的とでも取れる様な物言いに、嫌気が差して来る此の時の総二郎はイライラし始めるのだった。


だからこそ、此の時の総二郎は、そんな自身の母親で在る 西門流 家元夫人に言えた言葉にも棘が在ったのだ。


「はぁ~??
 其れって、見合いじゃねぇのかよ?
 だったら、俺は、(西門)邸に居る必要がねぇな。
 其の日は、俺の誕生日だっつーのに…よ!
 態々、何してくれてんだ‼
 いい加減、諦めろっつーんだよ‼
 其れに、今更、親らしい事し様としてんじゃねぇぞ‼」と…。


だが、其処は西門流 家元夫人…だったのだ。
だからこそ、勿論、自身の息子で在る 総二郎に言えた言葉…だったのだ。


「だったら、(西門)邸に居なくて結構よ‼
 後悔するのは、総二郎…貴方自身…何ですからね!」と…。


だからだったのだろう。
此の時の総二郎は、そんな自身の母親で在る 西門流 家元夫人に悪態を吐く(つく)のだった。


「チェッ」と、言い乍ら…。