記憶の上書き…<総優> 1.
【プロローグ】
<総二郎side>
俺は、西門総二郎 23歳。
西門流 次期家元…。
次期家元に、成りたくて襲名した訳じゃねぇ‼
兄貴が、“医者に成る。”と、言い出し、西門家を出て行ってしまった。
兄貴から、託される形で、成った様なもんだった。
まあ、茶の世界は、俺の性に合ってるのか?
“天職だ‼”と、思わなかった訳じゃねぇが…?
成らされた感MAXの中、“俺しか居ねぇ。”と、言われて、自然に任せた様なもんだった。
それなのに、俺に対しては、親からの小言が増えて来て居た。
“次期家元に相応しい振る舞いをしろ‼” だの…。
“こんな時間に帰って来て‼
次期家元として、恰好が付かない。” だの…。
“煩くて、堪らねぇ‼”と、俺は、思って居た。
そんな俺は、中学の頃から、あいつ等 F3(まあ、類は、居ねぇ事の方が多かったが…。)と、つるんで、夜遊びを覚え、女の味を覚えてしまった。
だから、俺は、(西門)家の厄介事も在り、(西門)邸に寄り付かなく成って行った。
朝帰りは、朝飯前だった。
そんな俺が、英徳高校で、牧野と知り合い、牧野といつもバイトで一緒だった優紀ちゃんと知り合った。
そして、色々有った中、司の恋の成就の為…。
カナダ旅行に牧野を誘う際、牧野とバイトで一緒だった優紀ちゃんをも連れ出しに成功して(まあ、俺とあきらの活躍のお陰(?))、カナダ旅行に、牧野を連れ出した。
その時の優紀ちゃんは、俺にとっては、単なる、『牧野の親友』ってだけだった。
でも、今は…。
あきらは、俺の気持ちに気付いてる様だし…。
類も、既に、勘付いてる…。
まあ、“司は…?”って、処(とこ)か?
司は、NYから、公言通り4年で日本に帰国して、1年…。
司と牧野は、4年間の遠距離恋愛を経て、この1年も、色々、有りながら、恋人として、交際は続いて居た。
牧野が、大学4年に成って、司法試験現役合格を目指し合格した事から、司の母ちゃんが、牧野を認め始めた。
だからだろう…?
牧野が、大学を卒業したら、婚約発表すると、司が言って居た。
牧野は、道明寺HD 法務部に就職が内定している。
と言う寄り、決定だろ?
優紀ちゃんも、“今年の春、大学卒業が決まった”と、牧野から聞いた。
で、F3&T2で、牧野と優紀ちゃんの卒業前結わい『party』を計画して実行した。
其処で、F4は、F4で…。
T4は、T4で…。
離れて(それぞれ話し声は聞こえて来る距離では在ったが…。)、話しし出していた。
近い距離だけに、T4の話し声は、俺等 F4にも聞こえていた。
牧野が、言い出して居た。
「ねぇ、優紀?
あのさぁ、卒業旅行…何だけど?
大学の友人達と行く予定とかある?」
優紀ちゃんは、即答していた。
「無い、無い。
大学内では、仲良くしてるけど…。
プライベートでは、一緒に何処かに行くとかしてなかったから…。
どんな風に対応すれば良いか、分からないし…。
誘われたけど…断わったの。」
牧野は、相槌を打っていた。
「そうなのよね。
私も、英徳の学生とは、親しくして居た学生も居なかったし…。
同じ行くなら、“優紀と行きたいなぁ~‼”って、思ってたのよ。」
「私も、同じ行くなら、“つくしと行きたい‼”って、思ってたよ。」
そう、言い合って、牧野と優紀ちゃんは、隣り合わせに座って居たのを、向かい合わせに成って、手と手を取り合って、頷いて居る。
其処に、桜子と滋が参戦して居た。
「先輩と優紀さんだけで行かれるのはあんまりじゃ在りません?」
牧野は、反論していた。
「何でよ?
桜子の卒業は、来年でしょ?」
「あら、卒業は、確実ですもの。
私は、『卒業の前結わい』って事で…。」
「何、其れ…?
そんなのは、聞いた事無いわよ?」
「良いじゃん、良いじゃん‼
私は、『卒業の後結わい』って事で…?
私も、一緒に行くわよ‼」
「はぁ~??」
「………」
で、此処は、桜子が、仕切っていた。
「って事で、決まりですね。
何処に行きます~?」
牧野と優紀ちゃんは、顔を見合わせて、驚愕して居るだけだった。