司は、F3と話しした後…。
つくしと知り合った事に関して、“此れは、運命だったんだろう。”と、悟って居たのだ。
そして、其の後の司は、道明寺総合病院の理事長から連絡が有った通り、つくしと会う事に成ったのだ。
此の時の司は、何故だか?
“あいつ(つくし)を引き留める事が出来る。”と、勿論、確信して居たのだ。
実は、此の時の司は、時間よりも早く、理事長室に現れて居たのだが…。
此の時のつくしは、時間通りに、理事長室に現れて居たのだ。
実の事を言うと…。
此の時の司は、“理事長と打ち合わせをして置きてぇ‼”と、考えて居たのだ。
だからだったのだろう。
先に、理事長室のソファに座って居る司を観た此の時のつくしは、驚愕し乍らも、顔には出さず、詫びの言葉を述べるのみだったのだ。
此の時のつくしは、別に遅れた訳では無かったのだが…。
「遅く成り、申し訳御座いません。」と…。
そして、其れに続いて、つくしは、自身の上司で在る 理事長にも、挨拶を交わすのだった。
先ずは、つくしが、挨拶の言葉を述べるのだった。
「お疲れ様です。」と…。
そして、其れに続いて、理事長が、返答したのだった。
「お疲れ様です。
牧野先生…此方に、お座り下さい。」と…。
其の時だったのだ。
司が、打ち合わせ通りに、理事長に指示を出したのだ。
「理事長…悪ぃが、此処で、席を外してくれるか?
牧野と、二人だけで話しがしてぇ‼
で、牧野は、こっちに座れ‼」と、先程迄、理事長が座って居た場所を指で指し乍ら…。
其処で、つくしは立ったまま、司からの言葉を聞いて、理事長に申し出るのだった。
何故なら…。
司の指示に寄り、既に、此の時の理事長は、席を立って居たから…だったのだ。
なので、此の時のつくしは、慌てるかの様に、理事長に申し出て居たという訳…だったのだ。
「理事長も、ご一緒に、私の話しを聞いて下さいませんか?」と…。
だが、此の時の理事長の答えは、『NO』…だったのだ。
「牧野先生は、自身の思いを、ちゃんと、副社長に仰るべきです。
ですので、お二人だけで、お話し下さい。」と…。
なので、此の時のつくしは、思わず、本音の言葉を発してしまったのだ。
「そんな…。」と…。
だからだったのだ。
此の時の理事長は、つくしが発してしまった本音の言葉を聞いて居たのだが、何も言わず、其の場を後にして居たのだ。
なので、其の後のつくしは、仕方無く、司の目の前に、腰を下ろしたのだった。
そして、先ずは、つくしが、口火を切ったのだ。
“気拙く成る前に、先に、話ししてしまおう‼”と、つくしが考えての事…だったのだ。
「副社長…此方をお受け取り頂けませんか?」と、此の時のつくしは、自身の退職届を、司の目の前のテーブルの上を滑らせ乍ら…。
だからだったのだろう。
此の時の司は、つくしが、自身の目の前に置いた退職届を手に取り、其の退職届を破棄する為に、つくしの目の前で破いて魅せたのだ。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、思わず、心の声が出てしまって居たのだ。
「あっ‼」と…。
其処で、我に返ったつくしは、司に、訊き始めるのだった。
「何を為さるのですか?
此れは、如何いう意味でしょうか?」と…。
だからだったのだろう。
此の時の司は、飄々と、つくしに言って除けるのだった。
訊き返すかの如く…。
「牧野の退職は、“受理しねぇ‼”と、いう意味だが、何か、問題でも在るのか?」と…。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、まるで、司に反論するかの如く、訊き始めるのだった。
「其れは、大有りです。
先日の部長会議の折、副社長から私は、“要らない。”と、言われたも、同然だったんじゃ
無いのでしょうか?
なのに、今更ですよね?
退職届を受理して下さらないだ何て…。」と…。
其処で、此の時の司は、更に、飄々と、言って除けるのだった。
「何が、今更…何だ?
俺は、お前を、“要らねぇ‼”とは、言った覚えはねぇよ。
“実績を上げろ‼”とは、言った覚えは有るが…な。
“要らねぇ‼”とは、言った覚えはねぇな‼」と…。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、反論が出来無い状況だと言えたのだ。
だが、此の時のつくしは、反論と云う寄りも、自身の思いを発するのだった。
「其れでも、私は、私自身を信頼して貰えない様な上司の下で、ドクターを続けたくは有り
ません。」と…。
其処で、司は、漸く、気が付いた自分自身のつくしへの想いを、話しし始めるのだった。
前のめりに成り乍ら、懇願するかの様に…。
「お前が、俺の下で、ドクターを続けたくねぇと言うのなら…ドクターを続けなくて良い。
其の代わり、俺の傍に居てくれねぇか?」と…。
だからだったのだ。
意味が分からない此の時のつくしは、そう懇願して来た司からの言葉に、唯、驚愕するだけだったのだ。
だからこそ…。
此の時のつくしは、司に訊けた言葉だったのだろう。
「はぁ~??
如何して、私が、ドクターを辞めて、副社長の傍に居ないといけないんですか?
私には、意味が分からないんですが…。」と…。
其処で、此の時の司は、更に、つくしに、言って除けるのだった。
「お前が、俺の下で、“ドクターを続けたくねぇ(ない)‼”と、言ったからだろ⁉
だからこそ…。
俺は、“俺の傍に居ろ‼”と、言った迄だ‼
何か、文句でも有んのか?」と…。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、呆れ乍ら、司に、更に、訊き始めるのだった。
「其れは、大有りです。
何度も訊く様ですが…。
如何して、私が、ドクターを辞めて、副社長の傍に居ないといけないんですか?」と…。
其処で、司は、自分自身がつくしに言って居る言葉の意図を、つくし自身が汲んで居ない事に気が付き、漸く、理解したのだった。
“そうか、そう言う事か?
こいつは、『鈍感』と言う事か?
だからこそ…。
俺が言ってる言葉の意図を、こいつは、理解出来てねぇって訳か?”と…。
だからだったのだ。
此の時の司自身、更に、悟ったのだ。
“こいつには、分かり易く言って遣らねぇと、いけねぇみてぇだな。”と…。
だからだったのだろう。
そう思った司は、つくしに、言えた言葉だったのだ。
「其れは…な。
俺が、お前の事を好きに成ったから…だ。
此れで、分かったか?」と…。
だが、此の時のつくしは、開いた口が塞がらない状況と成って居たのだ。
云わば…。
此の時のつくしは、司からの言葉に、驚愕して居たのだ。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、暫くの間、言葉を発する事も出来ない状況…だったのだ。
だからだったのだろう。
此の場は、一瞬、静まり返って居たのだ。
そして、此の時の司の状況と云えば…。
つくしの顔の表情を見るが為に、どんどん、前のめりに成って居たのだ。
そして、此の時の司は、唯、つくしからの返答の言葉を待って居たのだ。
だが、中々、返答の言葉を返して来ないつくしに、痺れを切らしたかの様に、此の時の司は、前のめりに成った状態のまま、再び、つくしに訊き始めるのだった。
「何か言えよ⁉
お前は、俺の言った言葉の意図を、理解したんだろうな?」と…。
だからだったのだろう。
此の時のつくしは、漸く、頷くのだった。
云わば…。
此の時のつくしは、頷くだけで、話しする事さえ出来ない状態だったのだ。
実は、此の時のつくしは、驚愕で、本当に、言葉を発する事は出来無かったのだ。
だからだったのかも知れない。
此の時のつくしは、心の中で、叫んで居たのだ。
“私の事が好きって…。
まだ、1回しか会った事が無かったよね?
其れなのに、私の事が好きって…。
如何言う意味よ。
意味が分かんないんだけど…。”と…。
実は、此の時のつくしは、心の声という名の此の独り言を、自身の口から発して居たのだ。
だからだったのだ。
此の時の司は、思わず、笑って居たのだ。
なので、怪訝な顔付きに成って居るつくしに、笑い乍ら、言って除けるのだった。
「お前の心の声は、口に出てんだよ(笑)。
お前の独り言は、何時(いつ)も、でけぇ声だな。
気を付けねぇと、お前の心の声は、患者に丸聞こえ何じゃねぇのか?」と…。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、反論処か?
言い訳も言えないままに、俯くしか出来無かったのだ。
其処で、此の時の司は、徐に、立ち上がり、俯いたままのつくしの後ろに回ったのだ。
そして、俯いたままのつくしが、そんな司の行動を観て居なかった事を良い事に、つくしの後ろから、つくしを抱き締めたのだ。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、“ハッ‼”と、成って、顔を上げたのだ。
そして、司に、懇願するのだった。
「副社長…其の腕を外して下さい。」と…。
だが、此の時の司は、そう言って来たつくしに、言って除けるのだった。
「外さねぇ‼
俺は、“お前が好きだ‼”と、言った筈だろ?
其れなのに…よ。
俺は、お前から、“意味が分かんねぇ(ない)。”と、言われたんだぞ。
だから…な。
意味が分かんねぇモンは、分からさねぇと…な。
という訳で、俺は、お前から俺の腕を外す訳にはいかねぇんだよ。
俺とお前が、此処(道明寺総合病院)で知り合ったという事は、運命だったんだから…
な。」と…。
だからだったのだ。
此の時のつくしは、司からそう言われても、座ったままの状態で、此の状況を打破する為に、一人、藻掻いて居たのだった。