ソファに寝転んで居た筈の類が、起き上がって迄、言った言葉に寄って、此の時のF3は、驚愕して居たのだ。
其の類の発した言葉とは…。
「俺は、司のそんな顔を観たのは、初めてかも…ね。」…だったのだ。
だからだったのだろう。
此の時のF3のそれぞれは、同じ事を思って居たのだ。
“類は、寝てたんじゃねぇのかよ⁉
起きて、俺等の話しを聞いてたっつー訳かよ?”と…。
だからだったのかも知れない。
此の時のF3のそれぞれの返答の言葉は…。
「はぁ~??」
「訳…分かんねぇ⁉」
「類、何の事を言ってんだぁ~?」…だったのだから…。
其処で、此の時の類は、ニヤニヤし乍らも、司に、そう言った訳を話しし始めたのだった。
「司の今の顔…凄く、良いと思うよ(笑)。
司が、生きてるって、感じがするよ。
今迄の司の顔には、艶が無かったっていうのか?
生きてるって、感じさえし無かった。
其れに、司の顔に覇気が無いと同時に、司の目も、氷の様に冷たくて、何時(いつ)見て
も、司の目に力が入って居るというのか?
目くじらを立てて居る様に、俺には見えてた。
でも、今の司の目は、優しく見える。
其れに、司の顔にも、覇気が有る様に見える。
漸く、俺等の知ってる本来の司が帰って来たって、感じがするよ。」と…。
其処で、総二郎も、類の言葉に賛同するかの様に、話しし始めるのだった。
「確かにそうだな。
何時(いつ)見ても、司の顔には、陰りが有ったというのか?
曇って居た様に見えてたな。
でも、今の司は、何て言うのか?
ヤル気が漲ってるって言うのか?
良い意味で、司の目にも、力が入って居る様に見えるな。」と…。
其処で、此の時の類は、ドヤ顔で、総二郎に返答するのだった。
「でしょ!
誰が、如何見ても、司の顔と目には、違いが出てるんだよ。」と…。
其処で、あきらも、類の言葉に賛同するかの様に、話しし始めるのだった。
「ああ、確かに、類の言う通りだな。
人間は、恋をすると変わるんだな。
其れは、男も、女も、同じって事だろうな。」と…。
だからだったのだろう。
司は、あきらからの言葉を聞いて、反論するかの様に、口を開くのだった。
「はぁ~??
俺が、何時(いつ)、恋したよ⁉
何で、俺が、恋してるっつー風に、何だよ?
意味が分かんねぇ⁉」と…。
だからだったのだ。
一斉に、類と総二郎とあきらは、口を開いたのだ。
「「「此れだから…。
恋愛初心者は…。」」」と…。
そして、尚も、あきらが、口を開いたのだ。
「司…。
お前、自分自身が、其の女医(=つくし)に恋心を抱いてるっつー事に、気が付いてねぇ
のか?」と…。
だからだったのだ。
此の時の司は、自分自身の頭の中で、『??』を浮かべ乍ら、あきらからの問いに返答するのだった。
「俺が、あいつにか?
有り得ねぇだろ?」と…。
だが、其れでも、類は、司に突っ込もうとするのだった。
「じゃあさぁ~、司…。
訊くけど…。
もし、其の女医が、“道明寺総合病院を辞める。”と、言って来たとする。
司は、如何する?
引き留める or 引き留めない。
さぁ~、どっち?」と…。
実は、今、正に、此の状況が、道明寺総合病院内で、起こって居るのだ。
何故なら…。
つくしが、退職届を道明寺総合病院の理事長に提出したのだから…。
例え、つくしが提出した退職届を、道明寺総合病院の理事長が受理し無かったとしても…。
だからこそ…。
此の時の司は、正直に、今の自分自身の気持ちを言えたのだろう。
多くを語らずとも…。
「引き留めるだろうな。」と…。
だからだったのだ。
類は、司からの返答の言葉に、ニヤッとし乍らも、言って除けるのだった。
「ほら、今、司は、自分自身で、言ってんじゃん!
其の女医(=つくし)の事が、“好きだ‼”って…(笑)。」と…。
だからだったのだろう。
此の時の司の顔は、真っ赤に成り乍らも、言って除けるのだった。
怒った様な顔付きに成り乍らも…。
「アホ抜かせ‼
何時(いつ)、俺が、“あいつの事を好きだ‼”と、言ったよ⁉
言ってねぇだろ。
っつー事は、そんな話しを、俺は、“言ってねぇ‼”って、話しだろ。
変な事を言うじゃねぇよ‼」と…。
其処で、類は、溜息を吐き乍らも、更に、司を突っ込むのだった。
「はぁ~⤵。
じゃあさぁ~、司…。
また、訊くよ。
今迄の司が、会社を辞め様として居る女子社員を、辞めない様に引き留めた事は有るの?
無いよね?
なのに、何で、其の女医だけは、引き留め様とするの?
其れは、司が、其の女医に好意を抱いてるからでしょ!
司は、そう言う事も分からないの?」と…。
だからだったのだ。
此の時の司は、何も言い返せず、黙ったまま…だったのだ。
其処で、総二郎とあきらは、それぞれ、尚も、司に、突っ込もうとするのだった。
「あのなぁ~、司…。
先ずは、何で、其の女医を引き留め様とするかだろ?
司は、間違い無く、其の女医に惚れてんだよ。
其の女医が、司の傍に居ねぇと、今の司は、また、元に戻ってしまうぞ。
今の其の司の顔(付き)を生み出してんのは、間違い無く、其の女医じゃねぇのか?」
「そう言う事だ、司…。
なぁ~、司…。
お前、日本に帰って来てからのお前の評判を知ってっか?
NYの頃の司を知ってる親父達からは、“道明寺副社長と、話しがし易く成った。”と、評判
が上がってるらしいぞ。
其れって、其の女医と知り合ってからだよな?
って事は、其の女医を失えば、また、司は、元に戻ってしまうって意味だろ?
だからなぁ~、司…。
今の自分自身の気持ちが何処に在るのか。
早く、気が付けよ‼」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時の司は、何も言い返さず、唯、目を閉じたまま、ジーっと、考え事をして居たのだ。
否、此れ迄の自分自身の行動を思い出して居たのだ。
其の時だったのだ。
自分自身が、今迄と違う行動をして居た事にも気が付かないまま、唯、行動して居た事に、気が付いたのだ。
云う成れば…。
自分自身が、自分自身の気持ちの赴くままに行動して居た事に、漸く、気が付いたのだ。
だからだったのだろう。
此の時の司は、憑き物が落ちたかの様に、素直に、言って除けるのだった。
「そうだな。
そうかも知れねぇな。
俺は、あいつを好きに成ってたんだろうな。
俺にも、気が付かねぇ間に…。」と…。
其処で、司の顔付き と 目付きを観て居た類は、また、言って除けるのだった。
「司…。
今の司の顔付き と 目付き…とっても、良いよ。
リラックスしてるって言うのか?
尚も、優しく成ってる。
其の女医の話しをしてる司の顔付き と 目付きは、NYに居た頃の司とは、月と鼈(ス
ッポン)だよ。
良かったね、司…。
司にも、好きな女が出来て…。
でも、俺も会ってみたいなぁ~。
短時間で、司を此処までに変えた其の女医に…。」と…。
其処で、あきらも、類に賛同するかの様に、言って除けるのだった。
「其れは、俺も会ってみてぇ…。」と…。
だからだったのだ。
此の時の司は、そう言って来た類とあきらに、吠えるのだった。
「お前等は、会わなくて良い。
俺だけが、あいつを知ってれば良い。」と…。
だからだったのだ。
此の時のF3は、初めて知ったのだ。
司が、焼きもち焼きで、執着心の強い事を…。
だからだったのだろう。
此の時の類と総二郎とあきらは、一斉に、溜息を突くのだった。
「「「はぁ~⤵。」」」と…。
だが、其処で、此の時の司自身、引っ掛かって居る事を、類と総二郎とあきらに訊き始めるのだった。
「あいつ、総二郎の結婚式の時に来てたか?
で、類とあきらは、あいつに会ってねぇのか?」と…。
だからだったのだ。
総二郎は、司に、即答するのだった。
「ああ、来てたが、挙式だけで帰ったわ。
実は、披露宴にも、出席予定だったんだが…な。
挙式が済んだ後に、病院から呼び出されたとかで、優紀に、そう伝えて帰って行ったわ。
だから…よ。
挙式に間に合わず、遅れて披露宴に出席した司と、挙式だけ出席して帰った其の女医と
は、入れ違いだったっつー訳だな。」と…。
そして、類とあきらも、即答するのだった。
「会ってない。」
「俺も会ってねぇと思うぞ。」と…。
だからだったのだ。
此の時の司は、“此れは、運命だったんだろう。”と、悟ったのだった。