浴衣パーティー…<総優>・<つかつく> 6.
<総二郎side>
そんな時だった。
F3が俺の傍まで来て、頻りに様子を窺っていた。
あきらが俺に声を掛けて来た。
「総二郎、どした?
さっきから、優紀ちゃんばかり目で追って、優紀ちゃんを頻りに見詰めてるだろ?」
「ああ、うるせ~なぁ⤵。
俺の事は放って置いてくれ‼」
「もしかして、総二郎、松岡に惚れた?」
「ああ、だったら、如何なんだよ⤵。」
「へぇ、開き直るんだ‼」
司は、俺をちらちら見るけど、司は、俺に何も言わねぇ。
って、事は、あの時、庭から俺が部屋に入った後で、司が部屋に入って来て、その後を牧野が部屋に入って来た。
という事は、俺と優紀ちゃんが庭に居た時は、司と牧野も庭に居たって事だよな…?
という事は、俺と優紀ちゃんが話ししていた話しの内容を、司と牧野は、知っているって事か…?
「総二郎、優紀ちゃんに惚れたんなら、見詰めるだけじゃねぇで、優紀ちゃんに向かえ
よ‼
総二郎らしくねぇな?」
「遣れるなら、遣ってるって…⤵。
遣れねぇから、見てるしかねぇんだよ⤵。」
「えっ、それって、如何言う意味?」
「あれだけ言えりゃあ、向かえねぇわな、総二郎‼」
司の一言に、F2、驚愕していた。
「司、何か知ってんのか?」
「ああ、まあ…な。
偶然、俺とつくしが聞いてたんだ‼」
成程ね、やっぱり、牧野も知ってたんか。
「何だよ、勿体振らずに、類と俺にも言えよ‼」
「総二郎、俺から言って良いのか?
総二郎からじゃあ、言い辛いだろ?」
「ああ。」
で、司から、あの、『寒中浴衣大会』の日の俺と優紀ちゃんの出来事が話された。
「総二郎、お前、酷ぇなぁ‼
確か、優紀ちゃんを傷付けたのは、それだけじゃねぇだろ?
大概、優紀ちゃんを傷付けてるよな⤵。」
「ああ、そうだな⤵。」
「そりゃあ、松岡に向かう事は出来ないね。」
「如何すんだよ?
今でも、俺等と話ししてるのによ、優紀ちゃんばかり、目で追って…。」
「総二郎、本気なんだ‼」
「ああ、眩暈がする程な‼」
「如何すんだ?
この後、滋ん家(ち)の別荘だろ?」
「優紀ちゃんに告れよ、総二郎‼」
「ああ、チャンスが有ればそうしてぇけどな⤵。」
「俺等、F3プレゼンツでもしようか?」
「何だそりゃ?」
こいつ等、本気で、告らせようとしてるだろ?
ヤベっ‼
<司side>
類が何気に確認するように聞いて来た。
「司は大丈夫なの?
あの、別荘に良い思い出ない筈でしょ?
「ああ??
つくしとの思い出の上塗りを済んだよ⤴。
別荘には、その為に行くんだよ。
つくしにとって、類との記憶はなかった事にして遣るよ‼」
類は、“そうだろうね‼”と、言いながら、笑ってやがる。
「何だ?
この話しもじっくりと聞かせてもらわねぇといけねぇみてぇだな?」
あきらは、“あっちもこっちも…⤵。”とか言いながら、俺と類を責めやがる。
で、俺と類は、あの日の俺とつくしと類と滋の4人で行った滋ん家(ち)の別荘での出来事を総二郎とあきらに聞かせていた。