もう、逃がさねぇ…<つかつく> 短編 後編
<司side>
俺とつくしの会話を、タマが、扉の向こうで聞いて居るとは、俺もつくしも知らずに居たのだった。
俺は、現在、邸での自室は、東の角部屋を使用していた。
俺とつくしとの一番の思い出の有る部屋だからだ‼
その部屋で、久し振りに、俺とつくしとで寛いで居た時に交わした会話…。
俺が折れなければ、別れなきゃならねぇ程、話しは、ヒートアップしてしまった。
だが、取り敢えず、俺も、将来の為、折れて遣る事にした。
其れがだ、何故か、つくしが入社試験を受けてもねぇのに、道明寺HDの4月度の新入社員に決まっていた。
否、俺は、コネ入社でも何でも良いんで、俺の力で、入社させるつもりで居た。
其れがだ、何故、俺が操ってもねぇのに、つくしが、入社に成ってんだ…??
その理由をつくしが教えてくれた。
「私の下に、道明寺HDからの内定通知書が届けられて来たの…。
それで、お義母様にお会いして確認して来たの…。
“此れって、完全なるコネ入社…。
否、もしかして、強要入社?”って…、思ってね。
そしたら、お義母様に怒られちゃった。
“司の彼女として、覚悟が無さ過ぎる‼”って…。」
コネでも、強要でも、何でも良い…。
つくしが、道明寺HDに入社するなら…な。
「で、お前は、如何するんだよ?
まさか、ババアの気持ちを無にする訳ねぇよな?」
「………うっ‼」
「如何すんだ?」
「嫌ぁ~、入社しなきゃダメ?
…ダメだよね?」
「当然だ‼」
「………、やっぱり…⤵。」
如何も、あの日、俺とつくしの会話を聞いて居たタマが、ババアにこの話しの内容を報告していた様だった。
後で、姉ちゃんに聞いて、その事を知った。
ナイスだぜ、タマっ‼
で、つくしは、今や、俺の第2秘書。
何度でも、言いてぇ…‼
で、序に、またもや、ババアが俺に言って来た。
「つくしさんとは、如何成っていらっしゃるの?
つくしさん一人も説得出来ないの?
タマから聞いた話しに寄ると、司、貴方、つくしさんに丸め込まれてるらしいじゃない
の?
やはり、私(わたくし)が、つくしさんに話しをしなきゃダメらしいわね?
情けないわ‼」
俺は、情けなくて悪かったな…。
だが、つくしには、頭が上がんねぇんだから、仕方ねぇだろ‼
惚れた弱みなんだよ‼
まあ、しゃあねぇな‼
ババアに任せるとするか?
で、早速、コトを起こし始めたババア…。
『司とつくしさんのお付き合いは何年に成るのかしら?』
『遠距離恋愛も含めると、8年か?』
『そう、じゃあ、つくしさん、お邸で、司と一緒にお住みなさい。』
其れこそ、驚愕と言うか、開いた口が塞がらねぇ状態のつくしだった。
で、俺とつくしは、即座に世田谷の道明寺邸で、同棲を始めた。
部屋は、俺とつくしとのあの思い出の部屋…東の角部屋。
で、あれよあれよと、言ってる間に、ババアが全てお膳立て…。
俺は、つくしの両親に道明寺邸で挨拶をして、そのまま、俺は、つくしとの結婚の承諾をつくしの両親から得られた。
そして、その場で、婚姻届の証人欄に親父とつくしの親父さんに、サインしてもらった。
ほんと、貰いに行ってもらって良かったぜ‼
西田、サンキュなっ‼
で、無理矢理、つくしにも、全ての家族が居る前で、婚姻届にサインをさせた。
で、あれよあれよという間に、つくしは俺の婚約者と成り、婚約パーティーが開かれ、あれよあれよという間に、挙式・結婚式が執り行われ、入籍も済ませ、つくしは、名実共に、『道明寺つくし』としての第二の人生が始まる事に成った。
そして、いつの間にか、親父とババアの命を受けて、つくしは、道明寺HD 専務に成っていた。
俺は、やっと、つくしを手に入れる事が出来た。
一生、ぜってぇ、俺は、つくしの事を、もう、逃がさねぇ‼
fin