忘れていた気持ち…<つかつく> 2.
<司side>
俺は、態と、牧野が就職した会社に、プロジェクトの打診を掛けていた。
そして、今日、関西に降り立った。
そして、牧野が居る会社に赴いた。
其処で、偶然、あいつと、同期らしい女と喋っている会話を聞いてしまった。
何故なら、俺が、社長に、施設案内を頼んだからだった。
“あいつの配属部署までは、分からなかったから…。”と、言うのが最大な理由だった。
で、其処で、あいつと同期らしい女との会話を聞いてしまった。
あいつは、俺には、気付いてねぇみてぇだった。
そして、あいつの行動を、更に、しっかり強化する様に、SPには伝えて於いた。
そんな事が在った数日後、SPから、飛んでもねぇ報告が俺に入って来た。
<つくしside>
私は、社長の奥様…。
所謂、専務の第2秘書をして居る。
で、エリカから、合コンに誘われた数日後、私は、専務から、飛んでも無い話しを切り出されていた。
「あのなぁ、つくしちゃん…?」
私は、専務の問い掛けに答えていた。
「はい、如何為されました?」
「うん…。
確か、つくしちゃん、今、彼氏、居らん(おらん)かったよね?」
私は、専務の表情を見ながら、答えていた。
「はい、居りません。」
「じゃあさあ、此れ…?
渡しとくね‼」
「此れって…?
お見合い写真…ですか?」
私は、中を見ずに、聞いて居た。
表紙だけで、明らかに、お見合い写真って、分かる代物だった。
「否なぁ…?
頼まれたちゃったんよぅ~。
お得意さんがなぁ、つくしちゃんを気に入っちゃったらしくてさぁ。
まあ、悪い話とちゃうと思うんやだけど…?
如何…?
女は、『若いうちが華』って、言うやんね?
売れるうちに『つくしちゃん』を売っといたら…?」
私は、怪訝な顔付きに成って居たと思う。
「専務…?
其れって、『パワハラ』ですよ?」
「あぁ、そうやんね?
ごめ~ん‼」
私は、謝って居ても、悪びれて居ない様子の専務に、私の心の中は、溜息しか出なかった。
“はぁ~⤵。”
で、その日の夜、エリカと待ち合わせして居たので、例の話しをして居た。
「つくし、何か有ったん?」
「何で、分かんの?」
「顔に描いたぁるわ?」
「何て、描いたぁる?」
「専務にまた、無理難題、押し付けられたんちゃうの?」
私は、“私って、顔に正直に出るんだな?”と、秘書の立場として、反省していた。
「そうやねんなぁ…?」
「今度は、何なん?」
「『お見合い』や…って⁉」
エリカは、笑い出した。
「あははは‼
お腹痛っ‼
ご愁傷様やな‼」
エリカは、エリカの顔の前に両手を合わせて、拝む様なポーズを始めた。
私は、エリカを睨み付けた。
「拝まんといて‼」
エリカは、他人(ひと)事の様に、私に揺さ振りを掛けようとして来た。
「ええやん、ええやん。
何事も、経験やて‼
あかんかったら、断ったら、ええんやから…さ?
取り敢えず、お見合い、受けてみたら…?」
私は、尚も、エリカを睨み付けた。
「嫌やわ~。
他人事やと思うて…?」
「だってぇ…?
他人事やん。」
「ええ加減にしてや~。」
「あはははは‼」
私は、エリカを睨む事は、忘れて居なかった。
その日は、この話しの事は、私が、無理矢理、ぶった切った。
<司side>
俺は、SPの報告を聞いて、慌てた。
此方の話しを早く進めねぇと、“つくしを持って行かれてしまう‼”と、俺は、焦っていた。
其れよりも、つくしは、流暢な関西弁で、同期らしい女と話しして居たと聞いて、“お前は、『関西ナイズ』されてんのかよ‼”と、突っ込みたくなった。
つくしは、関西に骨を埋める気にでも成って居るのだろうか?
つくしにとって、関西が、『終の棲家』とでも、思って居るのだろうか?
如何言う理由にしても、関西弁が、流暢なら、“そのつもりで居るのだろう。”と、俺は、推測していた。