忘れていた気持ち…<つかつく> 12.
<楓side>
私(わたくし)は、司を私(わたくし)の執務室に呼び出して居た。
<司side>
俺は、ババアに呼び出された事で、ババアの執務室に居た。
で、ババアから、何を切り出されるのかを警戒しながら居た。
そんな時に、ババアが、口を開いて来た。
「司、今日は、此れから、大阪らしいわね?
毎月、大阪に出張らしいわね?
しかも、一回、大阪に出張すれば、半月は、大阪に出張したままで、東京には、戻って
来ないそうね。
そんなに、大阪の仕事が有ったのかしら?」
俺は、怪訝な顔付きに成っていたと思う。
ババアは、何が、言いてぇんだ?
俺は、警戒しながら、返答していた。
「うるせぇなぁ~‼
視察だよ、視察‼」
「………」
ババアは、何も言わねぇ?
何なんだよ?
だから、俺から、口を開いた。
「何が、言いてぇんだよ?」
ババアは、ニヤッと、笑った様に感じたが…?
俺に、確信を突いて来やがった。
「牧野さんに、会いに行くんでしょ?」
「………」
もう、調べは就いてんのかよ?
俺は、何も、答えられなかった。
「司…。
貴方と牧野さんには、1年の猶予を与えたわ‼
でも、其の直後に、貴方が、NYに渡米する事に成った。
そして、貴方がNYに渡米する為、貴方と牧野さんは、別れた。
そして、貴方が、日本に帰国して返って来て、また、貴方と牧野さんは、付き合い出し
た。
成らば、貴方と牧野さんに、あの1年の猶予を与えるわ‼」
俺は、意味が分からなかった。
「はぁ~??
如何いう意味だよ?」
ババアは、溜息を付いてやがる。
「はぁ~⤵。
司…?
本当に、意味が分からないと仰るの?」
「………」
何も答えねぇ俺に、尚も、ババアは、溜息を付き出した。
「はぁ~⤵。
あの1年の猶予を与えると言ったのよ?
お分かり…?
1年後には、貴方と牧野さんには、婚約してもらいます。
だから、1年後は、婚約発表します。」
「………」
俺は、ババアの言葉に面食らった。
だからだろうか?
言葉が出て来なかった。
ババアは、笑い出した。
「あははは~。
何なの?
司のその顔は…?
『鳩が豆鉄砲を食った』様な顔をして…?
まあ、良いわ‼
司…?
牧野さんに仰って於いて‼
“今度、ディナーをご一緒しましょ‼”と…。
その時は、椿も、呼び出すから…。
“女子会でもしましょ‼”と…ね。」
「………。
ああ。」
俺は、ババアのレアなモノを見過ぎて…。
直ぐには、ババアに、返答出来ずに居た。
此れが、あの、『鉄の女』なのか?
俺は、些か、不安を感じずには、居られなかった。
そして、ババアの執務室を出た後、俺は、直ぐ様、大阪に向かった。
で、その日のつくしとは、大阪メープルの俺がキープして在る俺の部屋で、待ち合わせして居る。
俺より先につくしが、到着する事も見越して、既に、俺の部屋のスペアキーは、つくしに預けて有る。
だから、俺より先に到着して居ても、部屋で、待って居る様に伝えてある。
俺は、気が急きながら、急いで、俺の部屋に着いた。
案の定、あいつは、俺より先に着いて居た。
俺がドアを開けて入る成り、俺の首につくしの腕を回して来て、抱き着いて来た。
俺は、咄嗟の事に、つくしを支えて遣る事で精一杯だった。
だけど、俺は、つくしを支えて遣れる嬉しさに、俺の顔が緩みっぱなしだったと思う。
それ程までに、幸せを感じていた。
ババアが、俺とつくしの仲を認めた今と成っては、俺は、やっと、つくしを手に入れられた事を実感するのだった。