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花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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記憶の上書き…<総優>  続編⑩




<総二郎side>


親父は、にこやかだった顔付きを、急に、一変させて、厳しい顔付きに成った。


そして、優紀に語り掛ける様に、訊き出そうとして居た。


「優紀さんを脅すつもりも無ければ、傷付けるつもりもない。
 だが、優紀さんには、言って於かなければ成らない事も有るし、確認して於かなければ
 成らない事も有るんだ。
 総二郎の恋人だけで終わらせると言うなら、其れは、其れで、構わない。」


俺は、此処で、親父の話しを止めて、間に入ろうとした。


「親父…。
 俺と優紀は、その先の事を考えて居るって、言って於いたよな?
 俺と優紀は、………。」


其処に、お袋が、俺の話しの続きを止めて、間に入って来た。


「総二郎…‼
 家元は、優紀さんの覚悟を知りたいだけ…よ。
 あなた方が、高校生の頃に、此方(西門邸)に、友人をお連れして居らした時…。
 司さんの彼女の牧野さんが、居らしてたでしょ。
 私(わたくし)は、あの時が、牧野さんとは、初めてだったんだけど…。」


俺は頷きながら、お袋に相槌の様な、返事をした。


「ああ。」


で、お袋は、また、話しし始めた。


「先日、楓さんとご一緒の所に、偶然、牧野さんとお逢いしたの。」


俺は、“何処で、牧野と会ったんだ?”と、言う言葉は、喉の奥に押し込んだ。
後で、優紀から、牧野に訊かせれば良いだけの事だから…。


「その時、楓さんが、仰ってたのよ。
 最初は、牧野さんも、道明寺家に嫁ぐ意味を理解して居なくて…。
 “如何成る事か?”と、苦慮されて居たらしいの。
 でも、“自信を付けてからは、見る見る間に変わって行った。”と…。」


お袋は、優紀の方を向きながら、話しを続けて居た。


「こんな事を言ったら、優紀さんには、失礼だと思うけど…。
 優紀さんは、一般家庭のお嬢さん。
 お小さい頃から、淑女に成る為のレッスンは受けて育って居ないわよね。
 総二郎と結婚するという事は、私(わたくし)の後を継いで頂かねば成らないの。
 という事は、淑女に成る為のレッスンだけじゃ無く…。
 西門流 次期家元夫人としてのお稽古も待って居るの。
 優紀さんには、覚悟は出来ていらっしゃるのかしら?
 優紀さんには、今後、総二郎のお嫁さんというだけじゃ無く、西門流の嫁、強いては、
 西門流 次期家元夫人としての役割も担って頂く事に成るの。
 耐えられるのかしら?」
「「………」」


お袋の言って居る言葉は、ごもっとも過ぎて、優紀だけじゃ無く、俺自身も、何も言えずに居た。


だが、親父から、フォローの話しが、為された。


「優紀さん…?
 そんな気負わなくても良いんだよ。
 家元夫人は、優紀さんに期待して居るんだよ。
 総二郎を真面な人間に変えてくれた女性だから…ね。
 唯、優紀さんを消し堕とそうとする輩が居る事も覚えて於いて欲しいんだ。
 その為のレッスンで有り、お稽古、何だよ。
 司君のお父上で在る道明寺HD 会長の保が、言って居たんだが…ね。
 “今更、司から、つくしさんを引き剥がせない。
  今、引き剥がせば、司は、この世の中で、通用しない男に成り下がるだろう‼”
 と…ね。
 其れは、総二郎にも言える事、何だよ。
 何処かの令嬢だろうと、一般家庭の娘さんだろうと、今後の優紀さんのお稽古次第で
 は、優紀さんが、西門流にとって、役に立つのか? or 立たないのか? は、決まっ
 て来ると思うんだ。
 だから、優紀さん次第、何だよ。
 だから、私も家元夫人も、優紀さんに其の覚悟が有るのか?
 確認しているんだ‼
 優紀さんの率直な気持ちを聞かせてくれるかな?」


優紀は、俺の顔を見てから、話しし出した。


俺は、優紀の言葉を不安気に聴いて居た。


「勿論、私で、お役に立てるのかは、些か、不安では在ります。
 今まで、つくしの頑張りを見聞きして来て、大変さを認識して来ました。
 総二郎さんとお付き合いして行く中で、総二郎さんの気持ちに応えたい自分自身と、不
 安とが、入り混じって居た事は事実です。
 ですが…。
 逃げるのは、簡単だという事も、つくしから教わりました。
 私でお役に立てるのなら、頑張りたいと思います。
 私は、つくし程、強い人間では在りませんが…。
 つくしが、頑張って来た様に、私も頑張ってみたいと思って居ます。」


お袋は、頷いて居た。


そして、お袋は、優紀に声を掛けていた。


「分かったわ。
 優紀さんの覚悟を受け取ったわ。
 これからは、どんなに厳しいお稽古にも、堪えて頂戴。
 私(わたくし)の全力で、優紀さんをサポートするから…。」
「はい。
 宜しくお願いします。」


そして、俺と優紀は、結婚を許される事に成った。


勿論、“俺も、全身全霊を掛けて、優紀を守って行く‼”と、誓った事は、言うまでも無かった。



<優紀side>


その後、総二郎さんだけでは無く、家元と家元夫人も、私の両親にご挨拶に訪れて下さった。


私の両親は、相当、緊張していた様子だったが…。


総二郎さんも、『自分(総二郎)自身がして来た素行の悪さを反省して居る事』と、『私を一生大切にしてくれる事』を、私の両親の前で、誓ってくれた。


また、総二郎さんのご両親で在る家元と家元夫人は、私が、『西門家にとって、必要だという事』を力説して下さった。


「優紀さんは、総二郎を改心させてくれただけじゃ無く、優紀さんが、冷たい冷え切った
 西門家を、暖かみの在る西門家に変えてくれました。
 総二郎の為だけでは無く、もう、西門家にとっても、優紀さんは、無くては成らないお
 嬢さんです。
 総二郎と優紀さんとの結婚をお許し頂きたい。」


家元に、此処まで言われては、何も言えない私の両親は、総二郎さんに、“誓って欲しい。”と、頼み出した。


「総二郎君…。
 優紀を嫁に出す前に、誓って欲しいんだが…?
 『優紀が、絶対、不幸に成る事は無いという事』と、『今後、変な癖は出さないとい
  う事』を…。」


総二郎さんは、私の両親の前で、はっきりと、誓ってくれた。


「勿論です。
 私は、優紀さん以外、必要として居ません。
 今後は、優紀さんだけです。
 先程も、お伝えしましたが…。
 “優紀さんを私の全身全霊を掛けて守って行く‼”と、誓います。」


そして、家元と家元夫人も、私の両親に誓って下さった。


「総二郎の今の発言は、親で在る私共も、此の耳で、聞きました。
 総二郎が、優紀さんのご両親とお約束した事は、きちんと、守らせます。
 西門流の家元と家元夫人の名に懸けて、総二郎には、約束させます。」


家元から、其処まで言われれば、私の両親も、感服したらしく、許してくれた。


「分かりました。
 優紀を宜しくお願いします。」


そして、総二郎さんと私は、結婚を許され、正式な婚約期間に入った。

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