助け出したい…<つかつく> 14.
<つくしside>
もし、私が、道明寺に言われた通りにしなければ、道明寺が、如何出て来るか?…位は、分かり切っていた。
だからだろうか?
躊躇いながらも、足は、道明寺の居る、特別室の道明寺の個室に向かって居た。
私の心の中は…?
“誰にも見付かりません様に…。”と、唱えていた。
私は、不審者の如く、辺りをきょろきょろと、窺いながら、足を進めていた。
“一体、私は、何を遣って居るんだろうか⁉”と、自分自身の行動を、自分に確認していた。
そして、そうこうして居る間に、道明寺の病室の前に来ていた。
就寝の時間だから…。
如何しようかと思ったが?
行き成り、部屋に入る訳にも行かず…。
取り敢えず、ノックをしてみた。
勿論、音は、小さめ。
【コンコン】…つくしがノックした。
「誰だ‼」
やはり、道明寺は、起きていた。
「私です。
つくしです。」
勿論、声は、小さめに答えた。
「おお、入れ‼」
なのに…。
道明寺は、普通の声。
“もっと、周りを気にしろっつーの‼”と、心の中で、私は、叫んでしまった。
相変わらず、道明寺は、空気を読まない男だね…。
で、一応、病室の中に入った私だった。
何時までも、扉の外に居る訳にも行かなかったから…。
で、病室に入った私は、警戒してたけど…。
道明寺から、道明寺の傍に来る様に手招きされた私は、従順にも、道明寺の傍に近付いた。
こう成る事は、何と無く、予想出来たのに…ね。
で、ベッドに腰掛けて居る道明寺に引き寄せられて、声を掛けられた。
「来てくれたんだな?
来ねぇかと思ってた。
また、俺から逃げられれでもしたら…。
俺、生きては行けなかったかもな。」
私は、道明寺の顔色を見ながら、やや下目遣い状態で、道明寺に話ししていた。
「はぁ~??
そんな大袈裟な‼」
道明寺は、バツが悪そうに、私を抱き締めながら、私の胸辺りに、道明寺は、道明寺の顔を埋めて、私の顔を見ずに、答えていた。
「大袈裟じゃねぇよ‼
また、お前を取り戻してぇんだよ‼
如何したら、お前は、俺の所に戻って来る?」
「………」
私は、道明寺のその言葉に、何も応えられずに居た。
だって、辛そうに話す道明寺の声を聴いたら、何も応えられそうになかったから。
<司side>
俺は、つくしを俺の懐に取り戻してぇ‼
俺の記憶が戻った時点で、俺は、もう、こいつしか居ねぇんだよ‼
『鈍感 牧野』は、今でも、健在なのか?
俺の言葉に驚愕してやがる。
ほんと、気付いて無かったのかよ~?
信じられねぇ~‼
俺は、こいつに一言、“ふざけんな‼”と、罵倒しそうな気持ちを振り切るのに、必死に成って居た。
もう、こんなこいつに付き合うしかねぇよな、今の俺は…?
悲しいが…。
<つくしside>
道明寺は、終始、辛そうな顔付きに、辛そうな声で…。
私を見詰めていた。
こっちまで、辛く成るっつーの‼
でも、そう成ってしまって居る事が、私のせいなら、道明寺を受け入れなくては成らない様な気さえして来た。
私は、道明寺を忘れられなかったのは、確か…。
でも、私を故意で捨てたのじゃなくても…。
結果的には、私を捨てて居た事に成る。
それは、認識させなくては、私の気持ちも埒が明かない。
じゃあ、私から、認識させて視ますか?