もう一度、取り戻す…<つかつく> 5.
司は、朝、リムジンに乗る成り、西田に確認した。
「つくしの配属部署は何処だ?」
昨夜に、楓より連絡が有り、“つくしさんには、司にバレて居る事を伝えて有るので、宜しく頼むわね。”と、言われていたので、司にはすんなり対応していた西田だった。
「広報部でございます。」
「広報部?」
「以前の会社の時に、『広告アワード』で、グランプリを取るくらい優秀
の様でございます。」
司は、吃驚していたが、ポーカーフェイスを装い、話しを紡いだ。
「そうか、流石、『俺の女』だ‼」
西田は馴れているので、至って冷静で有った。
リムジンが道明寺HDに着くや否や、司は、広報部を目掛けてビルの中に入って行った。
そして、広報部のオフィスに入るなり、つくしを見付け出し、つくしを連れ出そうとしていた。
女性社員が司を見るなり、黄色い悲鳴めいた声を発していた。
司は馴れているので、女性社員の声も無視して、つくしに一直線に向かっていた。
「牧野、久し振りだな⤴。」
つくしは必死で書類と睨めっこをしていたので、司の登場と女性社員の悲鳴は気付かずに居た。
司に声を掛けられた事で、初めて、司の登場に気付いて振り向き、驚愕していたつくしだった。
顔色が、蒼褪め始めたつくしを見て、司は、何も言えずに居たが、つくしから、返答して来た。
「………」
「ご無沙汰しております、副社長⤵。」
部長が慌てて、司とつくしの二人の様相から、二人の間に割って入って来た。
「副社長、牧野とはお知り合いでしょうか?」
「ああ、牧野は、俺等が高校の時の俺の後輩だ‼
部長、牧野に用が有る。
悪ぃが、牧野を借りるぜ‼」
「はい、それは構いませんが…。」
司は、得意げにつくしの顔を見て、つくしの腕を持ち、つくしを椅子から立たせ、つくしを連れ出そうとした。
つくしは、血相を変えて、慌てて連れて行かれそうなのを阻止するべく、司を制しし始めた。
「ちょっと、いい加減にして‼
私、今、仕事中⤵。
連れて行かれても困るの‼」
司は、つくしを見ながら、ニヤニヤ顔で有る。
『お前、気付いてんか?
俺に、この俺にタメ語だぞ‼
この俺にタメ語で話させる奴は数える程しか居ねぇ‼
お前、周りを見てみろ‼
吃驚してるぞ‼』
司は、心の中で、苦笑しながら、つくしに意を唱えていた。
司は、気付いていないつくしを今のうちと、オフィスから連れ出した。
そして、司は、広報部のオフィスの有る階の応接室に、つくしを連れ込み、鍵を掛けて、誰も入って来れないように仕向けた。
驚愕していたのは、つくしで有った。