忘れていた気持ち…<つかつく> 7.
<司side>
あれから、あいつは、俺の大阪での仕事の際は、俺の専属秘書の様な役割で俺に常に同行して居た。
俺は、月の内、半月ずつ、東京と大阪の職務を掛け持ちしていた。
だから、俺の大阪出張の際の住まいは、大阪メープルだった。
そして、そんな日が何ケ月か続いた頃、俺は、あいつを大阪メープルに誘い出そうと思って居た。
常に、リムジンでの行動。
俺とあいつが、乗車する場合は、西田は、助手席に座る様に伝えて居た。
だから、あいつは、西田は、常に、助手席に座るものと思って居るみてぇだった。
で、俺と言えば、リムジンの中で、俺とあいつとの二人っきりで座る時は、あいつには、関西弁で、其れ+タメ語で喋る様に言い包めていた。
あいつは、渋々、俺の言った事を、聞いてくれていた。
で、“今日こそは…?”との思いで、あいつを誘えば…。
「今日も、帰社します。」
と、来たもんだ。
何なんだよ、一体…?
“少しは、俺の気持ちにも成れよ‼”と、言いたかった。
だから、俺は、強引に、西田に言って遣った。
「西田…。
今日の牧野は、直帰すると、伝えて於け‼」
西田も、心得ているのか?
「賜りました。」
と、返事して来た。
此れで、あいつは、俺に就いて来るしかなく成った。
で、俺は、速攻、あいつをリムジンに乗せ、大阪メープルに向かわせた。
そして、大阪メープルのレストランの個室で、ディナーにした。
行き成り、俺の部屋って、訳には、行かねぇだろうという、俺の配慮だ‼
牧野、俺の想いを受け取れよ‼
勿論、こいつは、相変わらず…。
「美味しい‼」
と、言って、食事に舌鼓を打って居た。
無理矢理に近ぇ形には成ってしまったが…。
俺は、最上階専用エレベーターで、俺のキープしている部屋にこいつを連れ込んで遣った。
そして、こいつは、相変わらず、窓際に行き、ネオンをじーっと見詰めて、言って来た。
「あの時見た、東京メープルの夜景みたいに綺麗だね‼」
こいつは、言いながら、うっとりして来やがった。
だから、俺は、言い返して遣った。
「ったりめぇだろ。
大阪の一等地に立ってるんだからよ‼
此の大阪メープルも…。
それに、大阪は、日本の第2都市だろ。
当然だろ?」
こいつは、うっとりしながら、言ってやがる。
「そうだよね。」
だから、関西弁を喋らせたくて、俺は、こいつの背後から、抱き締めて遣った。
「えっ??
何すんの?
止めてぇ~‼」
俺は、尚も、離さなかった。
「もう、プライベートの時間だろ?」
ニヤッとした顔で、俺は、こいつに言って遣った。
そしたら、こいつは、じわーっと、涙目に成りながら、抵抗する様な言葉を言い出した。
「何がしたいん?
よう、分からんわ?
もう、うち等は、別れてるんやろ?
こういう事は、恋人達のする事やん?」
だから、言って遣った。
「俺は、お前の事が、好きだ‼
否、今も、昔も、変わらず、愛してる‼」
そしたら、こいつは、大きな目を尚、大きく見開いて…。
驚愕してやがる。
普通、俺の態度を見て、分かるだろ?
ほんと、相変わらず、鈍感だよな?
だから、こいつの顎を抑えて、kissを施して遣った。
で、抵抗するかと思いきや、全く、そんな素振りも無く、俺は、安心していた。
だからだろうか?
俺は、こいつに強要する様な言葉を投げ掛けていた。
「今日、此処(大阪メープルの司のキープして居る部屋)に泊まってけよ‼」
こいつは、困った様な顔をして言い返して来た。
「そんな事、出来る訳、有れへんやろ?
其れって、もしかして、うちに強要してるん?
嫌やし…。」
真っ赤な顔をして、俺を見詰めて来るこいつの瞳(め)に、俺は、煽られて、ついつい、言ってしまった。
「帰さねぇよ‼
まだ、俺の事、好きなんだろ?」
「えらく(*)、自信家やね?
うちの気持ちが、何で、道明寺に分かるん?」
こいつは、真っ赤な顔して、俺に反論するかの様に言ってるんだから…。
“今頃かよ⁉”と、俺は、言いたかったが…。
言わずに置いて於いた。
「分かるに決まってんだろ‼
『俺の女』の事、何だからよ‼」
こいつは、驚愕顔に成ってやがる。
だから、俺は、尚も、続けて、言って遣った。
<*えらく…とても・とっても>