記憶の上書き…<総優> 7.
【あきら&T2…。】
滋と桜子が、あきらの部屋の前に来ていた。
時間は、10:00…。
早い時間ではない。
けれど、起こすのじゃないかと、桜子自身は、躊躇していた様子だった。
「皆さんを起こしてしまうんじゃありません?」
「でも、優紀が居なく成ったんだよ?
此れは、一大事じゃない?
神隠しにでも在ったみたいじゃん‼」
「はぁ~??
何を仰ってるんですか?
そんな非現実的な発想…?」
「だって…?」
「仕方ありません。
取り敢えず、こういう時は、美作さんですよね?
美作さんのお部屋に行きますよ‼」
で、あきらの部屋の前に居る滋と桜子…。
【コンコン】…あきらの部屋のノックの音。
「はい、誰…?」
あきらは、上半身裸で、ドアを開けた。
“F4は、いつも、上半身裸で寝てるのか?”と、滋は、思って居た。
桜子が、あきらに話しを繋げた。
「優紀さんがお部屋に居ないんです?
此処(カナダの別荘)は、周りは、雪の山ですし…。
一歩、外に出てしまうと、大変な事に成るんですけど…?
優紀さんも、其の事は、心得て居ると思いますので…。
此の雪空に、無茶な事はしないと思いますが…?
如何しましょうか?」
「別荘内、探したのか?」
「はい、先程…。」
「そうか?
もしかしたら…?」
思い付いた様に言うあきらに、首を傾げて、あきらを見て居る桜子が、其処には居た。
あきらは、一瞬、ドキッとしてしまった。
あきらは、自分自身に、“錯覚だ‼”と、言い聞かせていた。
で、あきらは、桜子に、言って除けていた。
「取り敢えず、総二郎にTELしてみるわ?」
「えっ??
何故、“西門さん…?”、何ですか?」
「まあ、後で分かるわ‼」
で、あきらは、総二郎に連絡していた。
「総二郎…?」
“ああ、あきら…か?
何だ?”
「優紀ちゃんが、部屋に居ないらしくて、別荘内も見当たらねぇらしい。
優紀ちゃんが、行方不明に成ったらしくてよ。
滋と桜子が、大騒ぎしてんだわ?
総二郎、知ってか?」
“あっ?”
あきらは、“やっぱりな⁉”と、思い、呆れていた。
「後で、皆に説明しろよ⁉」
“ああ、悪ぃ‼”
あきらは、桜子に如何、説明しようか?
迷っていた。
だが、察しの良い桜子は、ピンっと来た様で、あきらに、言って来た。
「後で、西門さんが、説明して下さるんですよね?
分かりました。」
「えっ??
如何いう意味よ、桜子…?」
滋は、まだ、分かって居ねぇ様子だったが、桜子は、滋を引き連れて、あきらの部屋の前から、自分達の部屋に戻って居た。
あきらと桜子は、それぞれ、総二郎には、ランチの時に説明させ様と、密かに思って居た。
【F4&T4…。】
で、ランチの時間に成り、『コト』の次第を総二郎は、仲間に説明していた。
本来は、バスルームの出来事で在ったが…。
優紀が、全てを説明する事を嫌がったので…。
総二郎から、優紀が、服を着て脱衣所から出ようとして居る所に総二郎と優紀が出くわして、こう成ったと説明するに留めたので有った。
折角、総二郎と優紀は、此のカナダの別荘での『記憶の上書き』が出来たのだ。
優紀は、総二郎と優紀の大切な思い出にしたかったのだった。
また、司とつくしも、ゆっくり、此のカナダの別荘で過ごせた事で、『記憶の上書き』をする事が出来て居た。
また、“あの時、何故、ドキッとしたか?”と、言う訳を知りたくなったあきらは…?
桜子を呼び出し、話しして居るうちに謎が解けていたあきらだった。
で、桜子に気持ちを伝え、付き合う事に成ったあきらと桜子だった。
桜子にとっても、残り少ない日本に帰るまでのこの後のカナダの旅行中…。
桜子の『黒歴史』を無かった事に出来る『記憶の上書き』を、あきらと共に、残り少なく成った時間で、上書きする事が出来た桜子だった。
また、類は、“静と今度は来たい‼”と、思って居た。
此のカナダの別荘は、“静にとっても鬼門だろうから…?”と、思う類だったのだ。
今回のカナダ旅行、スケジュール変更して、結局、1泊多く、滞在する事に成って居た。
で、取り敢えず、仲間それぞれが、楽しい滞在の日々を送る事で、『記憶の上書き』が出来て居た。
今回のカナダ旅行は、つくしと優紀にとっては、唯の卒業旅行では終わらなかったのだった。
fin