忘れていた気持ち…<つかつく> 9.
<一部の言葉に、不快に思われるかも知れない言葉が入って居ます。
お詫びします。>
<つくしside>
私は、如何も、あいつに懇願されると、弱いらしい‼
“ダメか?”と、言われたら、“ダメ‼”って、言い返せない私が此処に居た事に驚愕するしかなかったのだった。
それに、あの、あいつの縋る様な目付きにも、弱い私が居たのも、事実だった。
如何してか?
頷いてしまって居る私が居た。
“如何するんよ‼
今頃に成って、“経験が有らへん。”とは、言えへんちゅうねん?
如何したらええんやろな?
悩む処(とこ)やんな。”
<司side>
俺は、つくしが、頷いたのを確認して、抱き上げて、ベッドルームに連れて行った。
そして、其処で、俺は、更に、確認した。
俺から、逃げられねぇ様にする為の、防御策の様な感じだった。
「つくし…?
本当に、良いんだな?」
つくしは、頷いてくれた。
だが、何か、こいつが、言いたそうにしてるから…。
俺は、“言え‼”って、顎で合図を送って言わせた。
「う~ん、何て言うてええんやろ?
分からんのやけど…なぁ。
私、経験が有れへんのよ。
ごめんね。」
俺は、つくしの言葉に嬉しかった。
だから、俺は、つくしを強く抱き締めてしまって居たと、思う。
自覚は在るから…。
つくしが、苦しそうにして居る事も、頷けた。
だから、腕の力を緩めて言って遣った。
「何で、謝ってんだ?
俺は、嬉し過ぎるぜ‼
俺も、初めてだから…よ。
俺は、お前以外、考えられねぇから、仕方ねぇわな‼」
何故、つくしが、驚愕して居るのかは、分からなかったが…⁉
つくしの心の声が聞こえて来た。
「嘘っ‼」
俺は、“お前が、好きで、好きで、仕方ねぇ‼”って、言ってんのによ…。
“他の女で…。”って、考える方が可笑しいだろ?
そんな野蛮な考え方しかしねぇF2(総二郎とあきら)と、“一緒にすんじゃねぇよ‼”と、俺は、言いたかった。
だが、敢えて、俺は、言わなかった。
俺は、“あいつ自身に、俺の気持ちを分からせて遣る‼”と、誓っていたからだった。
そして、俺と、つくしは、一つに成れた。
やっとって、感じだった。
こんな日が来る事を、どんなに、夢で見た事か。
俺は、夢の中で、あいつと何回…。
否、夢の中だけじゃ無く、妄想を入れれば…。
俺は、何百回・何千回…、あいつと情事を重ねて居たと思ってんだ‼
現実に成った事で、寄り一層、俺は、こいつしか居ねぇと思った。
<つくしside>
私は、あいつの発言に吃驚した。
『初めて=経験が無い』って、事だよね?
私は、心の中で、叫んでいた。
“嘘っ‼”
でも、もし、其れが本当なら、ほっとしたかも…。
“私だけじゃないんだ‼”って…。
ほんと、あいつは、モテるだろうに…。
どんな女性も、あいつを放って置かないだろうに…。
『初めて』という言葉には、若干、吃驚してしまった。
まあ、確かに、大阪に居ても、西門さんと美作さんの噂は、聞こえて来ていた。
でも、あいつの噂話は、私の耳には、聞こえて来た事が無かった。
だから、“NYに居るから…だろう。”と、結論付けていた私が、確かに居た様な気がした。
にしても、不思議だった。
もう、あいつとは、会えないと思う事で、私の気持ちを封印してしまっていた。
『忘れていた気持ち』=気持ちを封印…して居た私。
私だったから、忘れていた振りを自分自身にして、自分自身の気持ちを偽って居たのだろう。
あいつと会って行く内に、封印が解かれて行く事が、手に取る様に分かった。
私の中で、何かが変わって行った。
私は、関西弁を喋る事で、東京での全ての事を忘れ様として居た。
ううん、自分自身の気持ちを偽ろうとしていた。
でも、あいつは、関西弁を喋るそんな私が、“可愛い‼”と、言って来た。
だから、今でも、私は、あいつの前で、関西弁を喋る。
何か、あいつの前で関西弁を喋っている私が居る事に吃驚しか無かった。
けど、ここ最近は、何か、慣れて来た。
此れからの私は、如何成って行くん遣ろうなぁ~?