1season女…<あき桜> 5.
<あきらside>
今回の集まりの目的は、本来、総二郎と優紀ちゃんの『付き合い宣言』の為だった筈だ。
其れが、主旨が変わってねぇか?
総二郎が、類に聞き出した。
「類…?
何が言いてぇんだよ?
目配せされても、全く、意味が、分かんねぇしよ‼
類、早く言えよ⁉」
類は、俺の方を向いて、目配せで俺に確認をして来やがる。
俺は、何も言わずに居ると、類から、口を開いた。
「………」
「あきら…?
いつまでも、隠し通せる訳でも無いし…。
早目に皆にバレた方が、気が楽に成るんじゃない?
だから、今、此処で、発表したら…?」
「はぁ~⤵。」
俺は、もう、溜息しか出ねぇわ‼
何で、最初にバレたのが…『類』、何だ?
有り得ねぇだろ?
もう、こう成ったら、やけくそだよな?
「ああ。
任せるわ?」
「へぇ~??
あきら自身で言わなくても良いの?」
「………」
俺は、“俺からは、良い難いだろうが…?”と、言う言葉は、喉の奥に押し込んだ。
で、類自身が、ラウンジのVIPルームに入って来た時の此の部屋の雰囲気を話しし出した。
「俺が、此処(ラウンジのVIPルーム)に着いた時には、既に、あきらと三条が、着いて
たみたいだったんだ。」
司と総二郎は、不思議そうに、俺を見て来やがる。
“偶然だっつーの‼”と、俺は、心の中で、叫んでいた。
総二郎が、聞いて来た。
「へぇ~?
珍しい、組み合わせだな?」
「俺は、幹事だから…。
早目に来てたんだけど…よ。
その後に、桜子が、早目に着いたみてぇだったんだよ‼」
「「へぇ~??」」
司と総二郎の野郎⁉
ハモらなくても、良いだろうよ。
何だよ、やっぱり、俺を餌食にするつもりかよ?
また、類が、口を開き出した。
「でね、其の時のあきらと三条の二人の…というか?
あきらと三条の二人の雰囲気が…?
何て言えば良いのか?
柔らかいというべきなのか?
元々、あきらは、柔らかい雰囲気、何だろうけど…ね。
そう言うんじゃ無くてね?
………。」
類は、暫く、考えて居るみてぇだったが…?
「あっ、そうだ‼
色で例えれば…?
『pink』だったんだよ。」
司と総二郎が、一斉に、叫び出した。
「「………『pink』…??」」
「………」
俺も、類の突拍子もねぇ言葉に、驚愕しか無かった。
否、『空いた口が塞がらねぇ』状態に成ってしまった。
類は、司と総二郎の驚愕振りは、スルーして、尚も、飄々と、淡々と、話しを続けた。
「季節で言う所の『春』っていうの?
陽だまりみたいな?
何か、柔らかい雰囲気を、あきらと三条が、醸し出してたんだ。
で、直ぐ分かったんだ‼
あきらの顔の表情を見て…。
あきらが、この時、三条を如何思って見て居るのかを…。」
俺は、居た堪れずに居た。
「で、大河原が、此処(ラウンジのVIPルーム)に、入って来た時も、俺と同じ事を感じ
たみたいでね。
『何か、有った…?
今日は、いつもと、この場の雰囲気が、何~か、違うんだよね?
桜子の雰囲気って言うのかな?
何だろう?』って、言ってたんだよね。
俺が見た感じだと、一言でいうなら、『春爛漫』って、感じ…かな?」
「「………、はぁ~??
何だよそれ?」」
「………」
俺は、言われ放題だな?
それに…類さんよ。
“滋の言った言葉を、一字一句、聞き逃さずに、覚えてんじゃねぇよ‼”って、俺は、言いたかったが、言わずに、言葉は、喉の奥に押し込んだ。
司と総二郎は、驚愕してんだろう?
同時に、瞼を瞬いてやがる。
類の話しを聞いてる俺は、如何言うリアクションを取れば良いんだろうか?
ほんとに、此処(ラウンジのVIPルーム)に居る事が、居た堪れねぇ⁉
けど、類の話しじゃあ、俺は、相当、舞い上がってたって事だよな?
俺は、マジで、本気に成ったって事なのか?
正直、やべぇわ‼
類が言う事が本当で、俺の姿の見た目に出てるなら…。
其れは、今までの俺のキャラじゃねぇだろ?
如何するよ、俺…?