記憶の上書き…<総優> 続編③
そして、美作邸で、集まる日が来た。
この日の件に関しては、F3(司・総二郎・あきら)は、それぞれの彼女…。
所謂、T3(つくし・優紀・桜子)に、何も言わない様にする事にした。
何故なら、F3➡T3に事前に伝えると、勘の良い桜子は、T3に話しして、T4で相談し兼ねないと、理解していたからだった。
だが、場所は、美作邸…。
なので、あきらは、当日には、桜子にだけは、伝える事を、総二郎に了承させていた。
ちゃんと、理由を桜子に話せば、桜子とて、『藪から棒』に、変な行動はしないと、踏んで居たあきらだった。
で、当日を迎えたので在った。
で、全員、事前に、浴衣を着付けて、美作邸に集合する事に成っていた。
T4に怪しまれない為の苦肉の策だった。
だが、総二郎は、リムジンに乗車する際には、優紀に伝えなければ成らない事も、また、認識している所だった。
優紀の反応が怖い総二郎だった。
<総二郎side>
この日…。
そう、あきらん家(ち)(美作邸)に集まるこの日…。
俺は、優紀に、俺の所有…。
と言う寄り、西門家所有の俺のマンションに来る様に、事前に伝えていた。
何故なら、早朝の仕事が、入るかも知れなかったからだった。
優紀には、既に、俺のマンションのスペアキーは、渡していた。
だが、その仕事を、速攻、終わらせて、今日は、俺から、迎えに行きたくて…。
仕事が終わった後、事前に、優紀に連絡を入れて於いた。
そして、俺は、愛車を走らせて、優紀を迎えに行った。
そして、マンションに着いた後…。
俺は、優紀に浴衣を見せた。
俺は、其の浴衣を優紀に着付けて遣った。
そして、優紀は、照れた様に、俺に言って来た。
「総二郎さん…⁉
此の浴衣…?
総二郎さんが、誂えてくれたんですか?」
「ああ。
優紀が、寝ている間に、俺が、優紀のサイズを計ったんだ‼」
「私が、寝てる間って…?」
「ああ。
大変だったんだぞ。
優紀にバレねぇ様に計るのは…?」
優紀は、驚愕していた。
「えっ??
だったら、教えてくれても良かったのに…。」
優紀自身、最後の言葉は、独り言の様に…。
俺に聞かれない様に、喋っているつもりだった様だ。
だが、俺は、しっかり、優紀の言葉は聞き取っていた。
この俺が、優紀の言葉を、聞き逃す筈等ねぇのに…よ。
俺と優紀は、1年も付き合ってるのに…。
優紀は、“俺の何を見てんだ?”と、言いたく成った。
“まさか…と、思うが?
まさか、優紀は、俺の本質を見てねぇ訳ねぇよな?”
と、優紀に訊いてみたく成ったのも、また、事実だった。
そんな優紀に、俺は、言って遣った。
「優紀を喜ばせたかったんだ‼」と…。
俺の言葉を聞いた優紀は、急に、晴れやかな顔付きに成り、言ってくれた。
「総二郎さん…。
有難うございます。」
俺は、その時…。
“優紀から、この言葉を聞きたかったんだ‼”
と、その時の俺は、そう思えていた。
そして、俺と優紀は、リムジンに乗車した。
そして、俺は、優紀に正直に、話しした。
何故なら、優紀から訊かれていた。
俺には、優紀から訊かれるで在ろう理由は、理解していた。
何故なら、優紀は、俺から、事前に聞かされてねぇんだから…。
優紀が、訊きたく成る事は、言うまでも無かった。
「総二郎さん…?
今日は、何方に向かって居るんですか?」
「ああ。
言って無かったが…?
今日は、あきらん家(ち)(美作邸)で、『浴衣パーティー』が開かれるんだ‼
あきらから、招待を受けてんだ‼」
「………」
優紀の顔は、俺の言葉を聞いたからだろう。
蒼白く成って来た。
否、驚愕顔に成って来たと言えば分かり易いかも知れなかった。
そんな、優紀の顔色を魅せられれば、俺は、不安でしかなかった。
やっぱり、優紀にとって、あきらん家(ち)(美作邸)は、“鬼門だったんだろう‼”と、言う事は一目瞭然だった。
だが、優紀は、それ以降、口を開く事は無かった。
些か、不安な俺が居たのは、事実だった。
そして、そうこうして居る間に…。
リムジンは、美作邸に着いて居た。
俺は、不安顔の優紀の手を取って、誘導するかの様に…。
優紀をリムジンから降ろした。
そして、俺は、優紀を美作邸に誘導していた。
あきらも、優紀の不安な顔付きを見たのだろう。
俺に怪訝な顔付きで、不満を訴えるかの様に、あきらは、俺を凝視して来た。
其のあきらの顔付きを見て、また、俺も、その場に居る事が居た堪れずに…居たのは事実だった。