好きに成ってしまった訳…<あき桜> 19.
<あきらside>
あれ以来、滋は大人しくなり、成りを潜めていた。
牧野に言われた言葉がかなりショックだったようで、“自分だけに彼氏の出来ない状態が辛かった。”と、後で、T4に詫びを入れてきたらしい。
素直なら、見た目の容姿は良いんだから、モテるだろうに…な。
『宝の持ち腐れ』って、やつか…。
あれ以来、F4&T4の集まりにも、ぜってぃ参加だった滋が、来ない日も有り、T3は心配しているようだった。
特に、あの日以来、牧野と桜子は気にしていたようだった。
「ねぇ、私、滋さんにきつく言い過ぎたのかなぁ~?」
「私も滋さんだけ、除け者のようにしてしまったから…⤵。
気に成っていたんです⤵。」
「仕方なかったと思うよ。
滋さんに彼氏が出来れば、また、滋さんにも分かってもらえるとは思うんだけど…?」
「誰か良い人、居ないのかな⤵?」
「そんな簡単な事じゃないですよね?
人の気持ち何ですから…⤵。
先輩が一番分かってらっしゃるんじゃないですか?」
まあ、滋の事だから、時間が経てば、ケロッとして、また、現れると思うがな。
そんな事が有ってから、半年が経った頃。
所謂、桜子と付き合い出して、半年が経った頃、親父から呼び出された。
例の件だろうと、察した俺は、意気揚々と、親父の執務室に向かっていた。
「あきら、あれから、如何なんだ?」
「あれから直ぐ、俺に好きな娘(こ)が出来て、半年掛ったけど、やっと、付き合う事に
成ったんだ。」
「何方のお嬢さんだ?」
「旧華族出身の三条家のお嬢様。」
「はぁ~??
もしかして、三条の大奥様のお孫さんか?」
「もしかしなくても、そうだけど…⤴。
相手としては、申し分ない相手だろ?」
まさかとは思うが、ダメな訳ねぇよな?
「相手が大き過ぎるだろ?」
「はぁ~??」
如何いう意味だよ??
「まあ、取り敢えず、ご挨拶は早目の方が良いだろ。」
付き合ってまだ、半年だぜ?
「まだ、早ぇだろ?
まだ、付き合って半年しか経ってねぇんだし…。」
「将来は見据えて居ないのか?」
やっと、大学を卒業するって年で、将来って…⤵。
「否、そんな事はねぇけどよ。」
「三条の大奥様を怒らせられないだろ?」
「はぁ~⤵、まあ、そうだろうな⤵。
噂は色々、聞いてるけどよ⤵。」
「まあ、そう言う事だ。」
「分かったよ。
桜子と相談しとくわ。」
「そうしなさい。」