好きなのに…<総優> 3.
そうこうしている時、つくしの携帯に、優紀からラインが入った。
『つくし、今日はごめんね。
これからの集まりは行けないから、誘わないで。
女子会には参加するから、また、誘ってね。
おやすみなさい!』
「つくし、優紀、何て?」
「もう、集まりには誘うなって…。
西門さん、優紀に何したの?」
「………」
「今日の優紀さん、いつもと違っていましたよね?」
「総二郎、これから、どうする?」
「俺、馬鹿だわ。
今頃、気付くなんてな。
高校の頃のガキの俺に言いたいわ、馬鹿な事は言うなって。」
「高校の頃?
あっ、思い出したぁ~。
高校生の時、西門邸に、優紀が優紀の高校の先輩に連れて行かれた時の事かな?」
「ああ。」
「総二郎と類と俺(あきら)と牧野とので西門邸に居た時の事か?」
「あれ、西門さんと優紀の高校の先輩 更さんだっけ?…が、知り合いって知らなくて西
門邸に連れて行かれる事も知らされずに、優紀は着いて行ったみたいよ。
後で、先輩から、“連れて行って、ごめんね。 幼馴染なの。”って、謝られたって
言ってたよ。」
「………はぁ~⤵、俺はそうとも知らず、あんな言葉を投げ付けたんか?
そりゃ、傷付くわな。 はぁ~⤵。」
「えっ、高校生の時、優紀、あれから何も言ってなかったけど…?」
「良いんだよ。
馬鹿なのはこの俺、馬鹿なガキだった頃の俺。
今頃、気付いても遅いわな。 はぁ~⤵。
悪ぃ、今日は帰るわ。
騒がせて悪かったな、じゃぁな。」
「総二郎、大丈夫か?
かなり、落ち込んでいるだろ。」
「再起不能じゃないの?」
「おい、類。」
「ちょっと、どういう事?」
「滋は黙っとけ、ややこしくなる。」
「なんでよぉ~、私だけ黙っとけは無いんじゃないの?」
「取り敢えず、つくし、松岡の気持ちを探れ。」
「あぁ?? 私は無理よ。
桜子が適任じゃない?」
「仕方ありませんね、桜子様が聞いてしんぜましょ。」
「何か、名案でも有るのか?」
「優紀さんに西門さんを意識させれば良い訳ですよね?
じゃあ、簡単でしょ。」
「出た、女策士‼」
「じゃあ、先輩に出来ます?」
「無理に決まってるじゃん‼」
「其処、威張る処じゃありませんから。」
かくして、“女策士桜子 降臨‼”って、どんだけよ~。