Once again~再び~ 11.
【『Once again~再び~ 10.』のエピローグ】
〈総優〉
総二郎 と 優紀が、区役所の夜間休日窓口に婚姻届を提出して帰って来た。
何時(いつ)も成らば、夜間の時間帯という事も在り、総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀は、既に、夢の中の筈なのだ。
だが、此の日の総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀は、昼間にお昼寝をして居た事で、中々寝付けず、結局、自身の両親で在る 総二郎 と 優紀が区役所から帰って来るのを、今か今かと、待って居たのだった。
だからだったのだ。
優紀の両親も一緒に、西門邸にて、総二郎 と 優紀の帰りを待って居た位…だったのだ。
何故なら…。
総二郎 と (総二郎 と 優紀の娘で在る)真紀の二人のBirthday Partyを開く為…だったのだ。
其の為、西門家の料理長は、何時(いつ)も通りに、大人用のディナー料理だけを用意するのでは無く、久し振りに、子供用のディナー料理 や Birthday Cakeも合わせて用意出来る事に喜びを感じて居たのだった。
其れに、総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀は、何も文句を言わず、唯、「おいしい(美味しい)、おいしい(美味しい)!」と、ニコニコと微笑み乍ら、本当に、美味しそうに食して居たのだった。
勿論、(総二郎 と 優紀の娘で在る)真紀のそんな様子を端で見て居た此の時の総二郎の両親で在る 西門流 家元 と 家元夫人 と 優紀の両親は、自身達の孫娘で在る 真紀を微笑ましく思うのだった。
勿論、此の日の主役は、本日、12月3日に誕生日を迎えたばかりの総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀…だったのだ。
例え、真紀の父親で在る 総二郎が、自身の娘で在る 真紀と同じ日が誕生日…だったとしても、此の日の主役に躍り出るのは、『真紀』の役目と言えたのだった。
其れに、実は、此れ迄の総二郎は、幼少期の頃の自分自身なら未だしも、自分自身の誕生日に対して、全く、興味が無かったのだ。
其れが如何だろうか?
此の時点に於いての総二郎は、娘の誕生日が自分自身と同じ誕生日(12月3日)だと知り、自分自身の誕生日(12月3日)に愛着を感じ始めたのだ。
だからこそ、自分自身 と 妻との入籍日を『12月3日』にしたのだから…。
人間という生き物は身勝手な生き物なのかも知れない。
だからだったのかも知れない。
実は、此の時の総二郎は、婚姻届を区役所に提出した事に寄り、自身の妻と成った 優紀に懇願するのだった。
実の事を言うと、此の日の総二郎は、婚姻届を区役所に提出する迄は落ち着けなかったからなのか?
区役所を出て西門家のリムジンに乗車して居る最中に自身の妻と成った 優紀に訊ねて視たのだった。
「なぁ~、優紀…。
真紀は、どんな物に興味が在るんだ⁉」と…。
だが、此の時の優紀にとって、自身の夫と成った 総二郎が、何故、自分自身にそんな事を訊いて来るのか?
全く、分からなかったのだ。
だからこそ、此の時の優紀は、自身の夫と成った 総二郎に訊き返すのだった。
「へっ??
如何して、そんな事が気に成るんですか?」と、素っ頓狂な顔付きで…。
だからだったのかも知れない。
此の時の総二郎は、自身の妻と成った 優紀からそんな風に訊き返されて呆れてしまうのだった。
勿論、此の時の総二郎は、溜息混じり…だった事は言う迄も無かったのだ。
「あのなぁ~⤵。
今日は何の日だ‼
今日は、俺の誕生日でも在るけど…よ。
俺等の娘の誕生日でも在るだろ‼
親父達が真紀の為にプレゼントを用意して遣ってんのに、今更だが、例え、俺が、事前に
知らなかったとしても、何も用意してねぇんだぞ‼
親としての立場がねぇだろうよ。
だから…よ。
真紀の為にプレゼントを用意して遣りてぇんだよ!
だから…な。
真紀がどんな物に興味が在るのか?
俺に教えてくれねぇか?」と…。
其処で、此の時の優紀は、そんな風に自身に訊いて来た総二郎に言い始めるのだった。
「今、真紀は、『◆★☆■▲●▼◇(真紀が好きなキャラクターのネーミング)』に嵌まって
るんです。
ですが、実は、真紀が好きなキャラクターの関連グッズは、既に、家元 と 家元夫人か
らの誕生日プレゼントとして頂戴して居るんです。
だから、其の他の物の方が、真紀には嬉しいと思います。
其れに、“まき(真紀)のおたんじょうび(誕生日)にパパからもらった(貰った)!”っ
て、言い乍ら喜ぶかと思いますよ。
しかも、其の方が、真紀にとって、印象深いと思いますし、大切にすると思います。」と…。
其処で、此の時の総二郎は、核心を突く様な言葉を優紀に訊き始めるのだった。
「だから、其れが何か訊いてんだろ‼」と…。
だからだったのかも知れない。
此の時の優紀は、密かに思うのだった。
“真紀は『おませ』な所が在るから…。
お出掛け用のバッグとかが良いじゃ無いのかしら!”と…。
だからだったのだ。
此の時の優紀は、思い切って、自身の考えを総二郎に言い始めるのだった。
「核心を突いて居るか如何かは分かりませんが、元々、真紀は『おませ』な所が在るので、
お出掛け用のバッグとかが良いじゃ無いかと思います。」と…。
という訳で、「真紀の年齢でブランドのバッグは、まだ、早いです。」と、優紀から言われて居るにも関わらず、其れでも、此の時の総二郎は、閉店時間ギリギリのブランドショップに入り、真紀の年齢でも使えそうな小ぶりなバッグを買って遣るのだった。
そして、“序でに…。”と、でも言わんばかりに、此の時の総二郎は、其のブランドショップにて、優紀の洋服 や バッグ や パンプス や ブーツ等々を揃えて遣るのだった。
しかも、其れ等は、全て、総二郎好み…其のもの…だったのだ。
勿論、そんな総二郎に呆れて居た優紀は、溜息混じりに、総二郎に訴えるのだった。
「はぁ~⤵。
私は、今日が誕生日でも何でも無いんですよ。
今日が誕生日の西門さんからプレゼントされて居る様なら、私にとっては、何の意味も無
いですよね。」と…。
其処で、話しを逸らすつもりは無かったのだが…。
此の時の総二郎は、其れでも、態と、自身の妻と成った 優紀に言って遣るのだった。
勿論、此の時の総二郎も、溜息混じりに…。
「あのなぁ~⤵。
ママが綺麗に成ったら、真紀も嬉しいだろ‼
其れに、俺にとっても、優紀が綺麗なままなら、滅茶苦茶、嬉しいぞ!」と…。
其処で、更に、総二郎は、優紀に不満をぶつけるのだった。
「で、俺には優紀に言いてぇ事が在る。
さっきは、親達の前で、『総二郎さん』って、呼んでくれたよな?
俺は、優紀からそう呼ばれて嬉しかったんだけど…よ。
何で、また、『西門さん』に戻ってんのかな⁉」と…。
だからだったのかも知れない。
自身の夫と成った 総二郎からそんな風に言われるとは予想だにし無かっただけに、此の時の優紀は俯き乍ら、総二郎に訴えるのだった。
「西門さん と 私は、今後、夫婦に成る訳ですから…。
西門さんのご両親がお出ででしたし、“失礼が無い様に…。”と、そう考えて、西門邸で
は、敢えて、『総二郎さん』と、呼ばせて頂きました。
でも、『総二郎さん』呼びは、まだ、慣れなくて…。」と…。
実は、其処迄、話しして居た優紀は、此の後、「『総二郎さん』と、呼べる様に頑張ります。」と、言いたかったのだが、総二郎が先に言葉を発した事で、優紀が言いたかった其の言葉は言えなかったのだ。
だからだったのだろう。
実の事を言うと、此の時の総二郎は、此の後、優紀が如何言って来るのか?
予想がついて居た事で、敢えて、優紀よりも先に口を開いたのだ。
だからだったのだ。
此の時の総二郎は、自身の呼び名について、自身の妻と成った 優紀と約束を交わそうとするのだった。
「優紀は、今日、俺と入籍した。
っつー事は、優紀も、もう既に、『西門さん』だぞ‼
と言う事は、優紀は、俺の名を呼んだんじゃ無くて、優紀自身の名を呼んだ事に成るぞ‼
其れで良いのか?
今から、『総二郎さん』呼びに変えろ!」と…。
だからだったのだろう。
此の時の優紀は、自分自身の心の中で、密かに、自身の夫と成った 総二郎へ悪態を吐く(つく)のだった。
“ちょっと、強引過ぎませんか?
名前呼びするのは、まだ、慣れて居ないのに…。
恥ずかし過ぎますよ!”と…。
だが、此の時の総二郎には優紀が如何思って居るか位…手に取る様に分かって居たのだ。
何故なら…。
此の時の優紀は、恥ずかしさの余り、頭からデコルテ迄…真っ赤…だったからなのだ。
だからこそ、此の時の総二郎は、優紀に言えた言葉…だったのだろう。
「優紀…約束だから…な!」と…。
という訳で、今から、経った今から、優紀自身、強引な迄に、自身の夫と成った 総二郎の呼び名を『総二郎さん』呼びに変える事に成ったのだった。
PS.
西門邸に戻って来た総二郎 と 優紀は、まだ、起きて待って居た自身達の娘で在る 真紀に、先程、用意したばかりの娘への誕生日プレゼントを自身達の娘で在る 真紀に見せるのだった。
勿論、総二郎のお見立て通り…。
自身の両親で在る 総二郎 と 優紀から誕生日プレゼントを手渡された此の時の真紀は、大喜び…だったのだ。
「かわいい(可愛い)、かわいい(可愛い)!」と、言い乍ら…。
そして、総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀は、更に、自身の両親で在る 総二郎 と 優紀にお礼の言葉を伝えるのだった。
「パパ、ママ…。
ありがとう(有難う)!」と…。
そして、其の後の総二郎 と 優紀の娘で在る 真紀が出掛ける時は、必ず、『パパからの誕生日プレゼントで在る バッグ』を持ち歩く様に成るのだった。
実は、出掛ける時は、必ず、『パパからの誕生日プレゼントで在る バッグ』を持ち歩く自身の娘で在る 真紀のそんな可愛らしい行動に、総二郎自身、嬉しさが隠し切れて居なかったのだ。
実の事を言うと、総二郎自身、此れ迄、女性への贈り物は数え切れない位にして来たのだ。
だが、其れは、総二郎にとって、『心の籠もった贈り物』では無く、所謂、『打算的な贈り物』だと言えたのだ。
ところが、自身の妻と成った 優紀に対してもそうだが、自身の娘で在る 真紀に対しても同じ事が言えるのだ。
所謂、自身の娘で在る 真紀の為に『誕生日プレゼントで在る バッグ』を用意して、自身の娘で在る 真紀に其の『バッグ』を手渡した時の総二郎は、所謂、『打算的な贈り物』では無く、寧ろ、其れは、『愛情の籠もった贈り物』…だったのだ。
此れ迄の総二郎の中では、『愛情の籠もった贈り物』を誰に対しても手渡した事が無く、寧ろ、優紀以外では『初めて』の事…だったのだ。
だからこそ、此の時点に於いての総二郎は、優紀によく似た満面の笑みで喜んで居るそんな自身の娘で在る 真紀を見た時…。
『初めて』、人にプレゼントを贈る意義みたいな物を知ったのだった。