1season女…<あき桜> 10.
<桜子side>
私は、美作さんに、私の言いたい事を伝えるだけ伝えて、慌てて、席を立って、お辞儀しながら、ドアに向かって居た。
先輩が、私を引き留め様と、声を掛けてくれて居たみたいだったけど…。
この場は、とても、私には、居た堪れない空間だった。
私が話しして居る間、あんなにシーンと、成る何て思わなかった。
<あきらside>
俺は、桜子の話しを聞いて、如何したら良いのか?
分からずに居た。
否、如何、解釈して良いのか?
迷っていた。
そんな時、牧野が、俺に声を掛けてくれた。
「美作さん…?
桜子の告白、受け止めて上げて…。
今、美作さんは、多分、迷ってるよね?
でも、あれが、桜子の気持ち、何だよ。
美作さんが、迷わないで上げて…。
其れと、今日は、ゆっくり、桜子の事を考えて…上げて‼
だから、今日の所は、桜子の事は、私に任せて‼」
牧野は、司の方を向いて、断りを入れていた。
「司…?
桜子が、心配だから、私…。
桜子の所に行って来るね。
後で、報告するから…。」
司は、渋々、牧野が、桜子の所に行く事を許して居る様子だった。
「ああ。
分かった。」
俺は、司と牧野に、“借りを作っちまった‼”と、思って居た。
今日の処は、俺が、桜子の下に行くより…。
桜子を支えて癒せる牧野に任せる事にした。
だから、素直に、牧野に声を掛けていた。
「済まねぇな、牧野‼」
牧野は、笑いながら、俺に言葉を返してくれた。
「大丈夫だよ‼
桜子は、そんな、柔じゃないでしょ?」
で、牧野は、慌てる様に、ラウンジを出て行った。
その後、司の言葉に、寝転んでいた類までもが…飛び起きた。
“類、寝てたんじゃねぇのかよ⁉”と、俺は、突っ込みたく成ったが…。
そう思って居るのは、多分、俺だけじゃねぇだろう…な⁉
「三条って…?
つくしに癒されるって…?
もしかして、三条は、女好きか?」
司の解釈の仕方に、F3&T2の誰もが、ズッコケそうに成って居たのは、言うまでも無かった。
一応、桜子の心情を、分かり易く、総二郎が説明してくれた事は、言うまでも無かった。
「あのな、司…?
安心しろ‼
桜子は、女好きでも、牧野の事を好きとかでもねぇよ。
所謂、桜子は、牧野の事を尊敬してるって意味だ‼
『LOVE』じゃなく、同じ女として尊敬して居るって意味の『LIKE』だ‼
勘違いすんなよ‼
牧野に、また、怒られるぞ⁉」
「………、そうか?
良かった。」
司は、納得したのか?
あからさまに、司は、ほっとしてやがった。
<桜子side>
先輩から、LINEが入って来た。
『桜子…?
今、何処に居るの?』
私は、間髪入れずに、LINEに返信を入れた。
『ラウンジ階に在る、パウダールームです。』
『了解‼
直ぐ、行くから、待ってて‼』
やっぱり、先輩だわ‼
来てくれる人が、美作さんじゃ無く、先輩で良かった。
美作さんなら、どんな顔して会えば良いのか?
迷って居たと思うから…?
で、先輩は、パウダールームに入って来て、私を抱き締めてくれた。
何も、言わず、唯、抱き締めてくれていた。
其れが、また、私には、心地良かった。
“やっぱり、先輩が、一番、私の事を分かってくれているんだわ‼”
私は、そう思って居た。
<あきらside>
あれから、数日が経ったある日…。
司から、LINEが、入って来た。
『あきら…?
今日、飲みに行かねぇか?』
『ああ。
総二郎と類には、連絡済か?』
司からのLINEが、『F4LINE』のグループLINEじゃ無かったので、そう確認したんだが…?
司からの返信は、予想にもしてねぇ話しだった。
『つくしがな、“このままで良い訳ねぇ”って、言いやがるから…よ。
だから、俺とつくしとあきらと三条とで、“飲まねぇかな?”って、思ってよ?』
俺は、一瞬、面食らった。
そりゃあ、あの時は、俺から、桜子に告って於いて、“あのままだった…‼”ってぇのは、認める。
けどよ。
突然過ぎんだろ?
何の前触れもねぇってのは、ちょっと、否、かなり、堪えるんだよ‼
けど、このままってのも、良い訳ねぇのは、分かり切ってる。
だから、俺は、覚悟を決めた。
『ああ。
分かった。』
で、いつもの所で、待ち合わせに成った。