俺に革命を起こしてくれた人~ファンタジスタ~…<総優> 中編
【F3&T3…。】
取り敢えず、あきらが、総二郎から、訳を訊き出す事に成った。
<総二郎side>
俺は、あきらから、飲みに誘われた。
“二人だけで、飲まねぇか?”と…。
だから、了承した。
あきらなら、俺の胸の内を話せる様な気がしていた。
否、寧ろ、聞いて欲しかった。
もう、苦しくて仕方なかった。
『見えねぇ・傍に居ねぇ・会えねぇ』女を思い乍ら、追い掛ける事に…。
その日は、メープルのラウンジのVIPルームで、あきらと会う事に成って居た。
メープルのラウンジには、俺が、通るだけで、ここ最近、BARとかに現れねぇからだろうけど…よ。
“キャー、キャー”
煩くて、仕方ねぇ‼
“いい加減にしろよ‼”って、叫んで遣りたく成った。
だから、無視して通って遣った。
いつまでも、愛想の良いだけの『西門総二郎』じゃねぇっつーの‼
で、メープルのラウンジのVIPルームに入ると、既に、あきらは、来ていた。
ほんと、あきらは、律儀な男だよな‼
感心するわ‼
「よぅ、遅かったか?」
「否、そうでもねぇだろ?」
行き成り、あきらは、本題に入って来たみてぇだった。
「なぁ、総二郎…?
この前の司の凱旋帰国で集まった時…よ。
お前、何で、あんな、飲み方してたんだ?」
俺は、あきらの顔をじーっと見ていた。
で、確信を突いて話ししていた。
「好きな女が出来た。」
あきらは、驚愕してんだか?
“やっぱり…か?”とでも、思って居るのか?
何か、複雑そうな顔をしていた。
“俺は…?”というと、一言、俺の秘めた想いをあきらに話ししただけなのに、何か、気持ちが楽に成って居た。
「其の、総二郎が、好きに成った女って、誰だよ?」
俺は、あきらから、確信を突かれて、息を吸い込んで吐き出して居た。
「すぅ~はぁ~。
優紀ちゃん…だよ。」
あきらは、驚愕していた。
「はぁ~??
何処で、再会したんだよ?
高校の時から、優紀ちゃんとは、会ってねぇだろ?」
「ああ。
会ってねぇ。」
「じゃあ、何で、今頃…?」
「そうだよな。
そう思うよな?」
あきらの驚愕顔は、更に、濃厚さを増していた。
だから、俺は、話しを続けて居た。
「う~ん。
夢を見たんだよ、優紀ちゃんの夢?」
「はぁ~??」
俺は、あきらに、正直に話ししていた。
「あの頃の高校の頃の優紀ちゃんのまんまの夢‼
あの頃には、気付かなかった優紀ちゃんが、俺の夢の中に出て来て…。
其れからは、寝ても覚めても、優紀ちゃんが頭から、離れねぇんだ?
凄ぇ苦しくて、堪んねぇんだよな‼
見る事は出来ねぇし、俺の傍には居ねぇし、優紀ちゃんには、会えねぇし…。
“何で、今頃、俺の心を揺さ振るんだよ‼”って、優紀ちゃんに言いてぇよ‼
でも、考えたら、俺が気付けてねぇだけで、俺の心の中には、優紀ちゃんは、常に、居
たのかも知れねぇって…。
ここ最近、思うんだよな。
それに、俺は、優紀ちゃんを傷付けた事で、優紀ちゃんと疎遠に成ってんだ。
だから、苦しんだけど…な。」
「………」
あきらは、もう、何も言えねぇのか?
俺の話しを、じーっと、聴いてくれていた。
だが、あきらが、突然、俺に言って来た。
「牧野に訊き出してもらう様に、桜子に相談してみるか?」
桜子からは、煩く言われるかも知れねぇが…?
その手が有った事には、俺は、気付いて居なかった。
最悪、この手を使うしかねぇよな?
だから、俺は、あきらに頼んでいた。
「ああ。
宜しく頼むわ‼」
「ああ。
分かった。」
あきらも、了承してくれた。
其れから、2~3日後、あきらから連絡が来た。
“よぉ、総二郎…?
その後、気分は如何だ?”
「最悪だ‼」
“まあ、そうだろうな?
優紀ちゃんの居場所が分かったわ‼”
「マジ…か(笑)?」
“ああ。
今、牧野が、優紀ちゃんに連絡を取ってくれてる。
けど…な。
時間が掛かるかも知れねぇな?”
「マジ…か(悲)?」
“で、今日、牧野が、“進歩状況を伝える。”って、言ってんだけど…よ?
如何するよ、総二郎…?
来れるか?”
「ああ。
何処に行けば良い?」
“今日は、T3が女子会するらしいだわ。
滋ん家(ち)の(大河原財閥が経営する)カジュアルレストランの個室に集まるらしい
んだよな。
総二郎、如何する?
来れるか?”
「ああ。
分かった。
でも、女子会に邪魔して良いのか?」
“俺等だから、許されたみてぇだ‼”
「ああ。
分かった。」
その時の俺は、何の疑いもなく、此の後、訪れるだろう事までは、予想出来ずに居たのだった。