俺を見てくれ‼…<つかつく> 15.
つくしは、弁護士事務所的には、海外赴任と言う事に成って居た。
勿論、つくしが在籍している弁護士事務所の所長は、最終的には、道明寺HDへつくしに出向してもらい、道明寺HDとの提携を楓と共に目論んでいた。
それに加え、楓は、司とつくしの結婚にまで、考えが及んで居たのだった。
一方のつくしは、“後は、(つくしの)ママにも、話ししなくてはいけない。”と、思って居た。
椿は、道明寺家の娘。
もし、つくしが、“お世話に成るのが道明寺家の娘だ。”と分かれば、つくしママが、反対する事は目に見えていた。
だから、つくしは、つくしママに…。
「弁護士事務所のオファーで、LAのロースクールに通って、国際弁護士の資格を取得する事に成った。」と、話しした。
つくしママは、つくしが前向きに成ってくれた事を喜び、即、賛成してくれた。
これに寄って、つくしのLAへの渡米は、決定したのだった。
そして、つくしは、椿と共に、LAへと、渡米したのだった。
楓は、喜んで居た。
やっと、つくしが、前を向いてくれた事が…。
楓の気持ちを知らないつくしは、椿以外、道明寺家と拘わる事を避ける事にした。
その事は、つくしは、敢えて、椿に話しした。
「椿お姉様、お願いが有ります。」
椿は、つくしの真剣な顔付きに不安に成って居たのだった。
椿が、頷いたので、つくしは、続けて話しを始めた。
「私は、今後、椿お姉様以外、道明寺家と関わる気持ちは、毛頭、在りません。
了承を宜しくお願いします。」
「つくしちゃん…?」
椿は、つくしの言葉に、驚愕しか無かった。
椿は、LAに連れて来た事で、また、何かが動き出す事を望んでいた。
“それが、報われないというのか?”と、項垂れてしまった椿だった。
だが、椿は、最後の賭けで、つくしに訊いて居た。
「つくしちゃん、タマさんもダメ…?
道明寺邸で、タマさんと、再会してもらえないなら…。
タマさんに、LAに渡米してもらおうかと、思って居たの?
タマさんにも逢ってはくれないの?」
そう言われては、つくしは、了承するしかなかった。
「私もタマさんには、逢いたいです。」
椿は、嬉しかった。
「つくしちゃん、有難う‼
早速、タマさんに連絡するわね‼」
つくしは、返事していた。
「はい。」
そして、椿は、タマに連絡した。
そして、近日中にも、タマが、LAに渡米して来る事に成った。
つくしも、その事を椿から聞き、楽しみで、仕方なかった。
タマが、LAに渡米して来た頃には、つくしは、椿のお陰で、有る程度、元のつくしに近い様相に戻って来ていた。
顔の色艶、赤味は戻りつつあったのだった。
タマは、そんなつくしの様子を見て、ほっとしていた。
タマは、2~3週間、椿の邸に泊まる事に成っていた。
勿論、その間、楓の命(めい)を受けて、楓につくしの様子を報告する事に成っていた。
勿論、その事は、椿は、了承しているが、つくしは、一切、知らされて居なかった。
タマは、椿の邸に着いた時に、つくしに声を掛けていた。
「つくし…‼
元気だったかい?」
「タマさん…‼
はい。」
そう言いながら、タマとつくしの二人は、抱き合っていた。
涙を流しながら…。
其れからは、毎日、常に、椿とタマは、つくしの様子を窺っていた。
「つくし、今日の目覚めは、如何だい?」
「はい。
大丈夫です。」
「そうかい。
其れは、良かった。
顔色も良い様だね。」
「はい。
ご心配をお掛けしてすみません。」
つくしは、椿とタマに心配を掛けて、“申し訳無い。”と、常に、思って居た。
だが、そんなつくしを優しく見詰める椿とタマだった。
そして、つくしは、ロースクールに3年間、国際弁護士資格の取得を目指して、大学に通う事が決まった。
つくしは、椿のサポートの下、勉学に励む事に成った。
つくしは、思っていたより、かなり、過酷な講義内容に、元々、学業を苦に思わないつくしでさえも、疲弊する程だった。
だが、兎に角、今の生き甲斐を求める様に、つくしは、勉学に邁進するのだった。