Overflowing as in kindness~優しさで溢れる様に~…<つかつく> 短編
つくしは、英徳大学2年、優紀は、女子大2年に成って居た。
つくしは、司が、NYに渡米後、1年経って高校を卒業後、就職する予定だった。
だが、司は、つくしが、英徳大学に進学出来る様に、就職内定していた企業を道明寺HDの傘下に入れ、英徳学園には、授業料を4年分払ってくれていた。
本当は、大学に進学したかったつくしにとって、有難い話しだった。
だから、つくしは、司に文句を言いながらも、指示に従っていた。
そんな司とつくしは、遠距離恋愛も、3年経とうとして居た。
だが、司とつくしの『TV TEL』の遣り取りも、ここ最近は、かなり、減って来ていた。
何故なら、司の大学が卒業まじかの上、ビジネスでも頭角を現す様に成り、多忙を極めて来て居たからだった。
そんな時、つくしの元気が無い事に気付いた優紀が、つくしを誘い出した。
つくしは、久し振りに、優紀と大学帰りにカフェに来ていた。
其のカフェに流れて来たBGMに、何気に優紀が触れて来た。
「此の曲…?
確か?
♪ やさしさで溢れるように ♪ じゃ無かった?
良い曲だよね~。」
「………」
つくしは、頷いたままで、何も言えずに居た。
つくしと優紀は、一旦、会話を止めて、音楽に酔い痴れていた。
と言う寄り、つくしは、居た堪れなく成って居た。
つくしは、涙が溢れて来たのだった。
最後のサビ…。
♪♪ 巡る季節の中でも この手を離さないでいて
二人を繋ぐ想いが決して色あせないように
あなたを包むすべてがやさしさで溢れるように
わたしは強く迷わずあなたを愛し続けるよ
どんなときもそばにいるよ
離れていてもそばにいるよ ♪♪
つくしは、今のつくしの心情にぴったりだと思っていた。
そう思えば、思う程…。
つくしの目から涙が溢れて、涙が零れ出していた。
優紀は、つくしの涙に吃驚して、つくしに声を掛けていた。
「つくし…?
如何したの?」
「あっ??
ごめん~‼
大丈夫だから…。」
否、今のつくしは、大丈夫な訳無かった。
いつもの強がりなつくしが出ていると、優紀は密かに思っていた。
その話しを優紀から聞いた総二郎は、何か、気に成り、司にTELしてみた。
つくしからは強がって司にTELしない事は、予想が付いて居た総二郎だったからだ。
「司…?」
“ああ、総二郎…か?
如何した?”
「お前、牧野に、ここ最近、TELして遣ってるか?」
“否…。
ここ最近、時間なくてよ。
声を聴けてねぇんだ‼”
「だろうな‼
道理で…。」
“はぁ~??”
「優紀が…な。
つい最近、牧野と会ったらしいんだが…な。
カフェのBGMを聴いて、急に、涙したらしい。」
“………”
総二郎は、更に、司に突っ込み出した。
「お前、牧野にTELして遣れ‼
牧野の性格、知ってるだろ?
逢いたくても、逢えなくても、声を聴けなくても…。
強がって、我慢する女だろ?
だから、お前は、牧野を好きに成ったんだろ?
誰よりも、牧野は、お前の事を想ってるんだよ‼
経った1分でも良いだろ?
声を聴かせて遣れよ‼」
“………”
そんな話しを、総二郎から聞いた司は、居ても経っても居られなかった。
その日の司は、落ち着きを失くし…。
司は、仕事も上の空で熟して居る感MAXだった。
西田も、こんな時の司に仕事の指示を促しても、用を足さないのは分かり切っていた。
だから、西田は、仕事を早目に切り上げ様と考えて居た。
で、司は、思ったより早めに仕事が終わり、(道明寺)邸に帰宅していた。
つくしは、久し振りに、『TV TEL』の呼び出し音が鳴った事に吃驚していた。
そして、慌てて、受話器を取った。
「よぅ~‼
元気だったか?」
“うん、元気だったよ‼
今日は、早いね?”
「ああ。
仕事が早く終わった。」
“じゃあ、疲れを取る為に、早く、寝なきゃね‼”
「お前の顔を見ながら喋ってる方が、疲れは取れるんだよ‼」
“また、そんな事ばかり言って…。”
急に、つくしの目から涙が溢れ出した。
司は、そんなつくしを見て、慌て出した。
こんな時に傍に居て遣れない自分自身の環境を恨んでいた。
「如何した?
大丈夫か?」
“久し振りに、道明寺から、TELが来て、嬉しく成ったの。”
「お前…な。
俺は、お前の傍に居れねぇのに…。
そんな可愛い事、言われると…。
ごめんな‼
中々、TEL出来なくて…な。
ここ最近、仕事と学業に追われてた。」
“信じてる…から。
大丈夫だよ‼
仕事と学業、頑張ってね‼”
「ああ。
お前にそう言ってもらえると、遣る気に成れる。
後、1年ちょっと、待ってろよ‼
ぜってぇ、4年で迎えに行くから…な。」
“うん、信じて待ってるね‼”
その日から、つくしは、泣く事無く、司の帰りを待つ事が出来た。
総二郎と優紀は、そんなつくしを見ていて、『司効果』に、驚愕するしかなかったのだった。
fin
<JUJUさんの ♪ やさしさで溢れるように ♪ の歌詞の一部を、勝手に借用させて頂
いております事をお詫び申し上げます。
関係者各位 様、申し訳御座いません。>