イケナイ夏…<総優> 2.
<総二郎side>
今日は、久々のF4&T4の集まりだった。
俺は、自分自身の気持ちを確かめる為、あいつに会える事を楽しみにして居た。
其れが、いつまで経っても、あいつは現れなかった。
しかも、いつも、仕事が長引いて、集合時間を遥かに超えてから来る司と牧野が、メープルのラウンジのVIPルームに着いても、尚、あいつは、現れないで居た。
そんな時だった。
桜子も、其の事に気付いたのか?
牧野に確認していた。
「先輩…。
優紀さんは…?
今日、集まりって、優紀さんは、知ってますよね?」
「うん、知ってるとは思うよ。
でも、優紀は、此れからは、集まりには、参加出来ないって…。」
桜子は、首を捻りながら、尚も、牧野に訊いて居た。
「其れって、如何いう意味ですの?」
牧野は、言い出す事を躊躇して居る様に、俺には、見て取れた。
「………。
うん…。
実はね、優紀…⁉
彼氏が出来たらしいのよね。
会社の先輩らしいわ。」
「へぇ~。
優紀、彼氏出来たんだぁ~‼
どんな人…?」
「う~ん…?
それがね、私は、まだ、会った事が無いんだよね。
今度、T3で、突撃訪問する~?」
「きゃあ~、それ良いじゃん‼」
牧野と滋は、大盛り上がりしってけど…よ。
俺にとっては、聞きたくねぇ言葉だわな。
かなり、ショックな俺が其処には居た。
けど…よ。
俺には、あいつを咎める事も出来ねぇんだよな‼
あの時に、“早く、良い男(彼氏)を見付けろよ‼”って、言ったのは…俺、何だよな?
今頃、後悔して、如何すんだよ⁉
俺は、何だか?
楽しめなくて、その日の集まりを早目に帰って来た。
其れが、ダメだったのか?
帰り際に、俺は、あいつが、彼氏とやらと、腕を組んで歩いて居る所に遭遇してしまった。
俺は、無意識だったのだが…。
あいつ等の後を就いて行ってしまった。
そして、ホテル街に入って行くあいつ等を見過ごす事が出来ねぇ俺は…?
あいつ等に早足で追い付いて、俺は、後ろから、あいつを抱き締めてしまった。
俺にとっては、引き留める為の行為で在って、あいつを抱き締めた事は、無意識の行為だった。
吃驚しているあいつに…。
その彼氏…。
そりゃあ、そうだわな。
訳が分からねぇだろうな。
だが、俺は、あいつを後ろから抱き締めたまま、あいつの肩に俺の顔を埋めて、俺は、顔を上げられずに居た。
なのに…よ。
あいつは、俺だと分かったらしい。
あいつが言って来た言葉に、俺は、吃驚して、思わず、顔を上げていた。
「西門さん…?
腕を離してもらって良いですか?」
<優紀side>
私は、背後から、誰かに、抱き締められていた。
中々、離してもらえない腕に、驚愕するしかなかった。
隣で、彼氏は、驚愕して、声も出せない様子だった。
この日…。
彼氏で在る職場の先輩から、夕食に誘われた。
彼氏とは、付き合い出して、丸1ケ月が経った。
それまで、私達には、身体の関係は無かった。
何故なら、そう言う雰囲気に成ると、私が、話しを逸らしていた。
でも、もう、そろそろ、其れも、時間の問題かと思っていた。
此れから、其の先に進むので在れば、“そろそろ、観念しなくてはいけないのだろう?”と、思う私が居たのも、事実だった。
そして、とうとう、先輩から、食事のその席で、誘われていた。
了承するしかなかった私が、其処には居たのだった。
「優紀…?
この後、時間有るか?
明日、休みだし…。
良いよな…?」
私は、頷くだけだった。
そんな時…。
西門さんに背後から、抱き締められていた。
私が、西門さんの香りを忘れられる筈等無かった。
やっぱり、私は、西門さんの事を、“まだ、好きだ‼”と、自覚してしまって居た。
だからだろうか?
こう成って居る事も、何処か…?
何だか、ほっとしている私が居たのは事実だった。
なのに…。
私は言ってしまって居た。
「西門さん…?
腕を離してもらって良いですか?」
彼氏だけじゃ無く、西門さんも吃驚している様子だった。