Love Story~信じる事が全て~…<つかつく> 4.
其の頃のつくしは、NYに居た。
つくしがNYに渡米した事は、つくし自身、F3にも、勿論、優紀と桜子にも、伝えず渡米していた。
何故なら、楓が、そうして欲しいと望んで居た事だったからだ。
司には、知られずに、渡米する事を望んで居たつくしだった。
そんな事とは、知らない司は、類から、連絡を受け、驚愕していた。
“司…?
ごめん。
牧野が失踪した。
ちゃんと、弁護士の仕事を熟して居るみたいだったから…。
油断してたよ‼
っていう寄り、忘れてたよ‼
牧野が、失踪魔だって事を…。”
「………」
其の話を聞かされた司は、言葉に出来ず、何も、考えられず、頭が真っ白に成っていた。
倒れ込む様に、その場に座り込み、立ち上がる事さえ出来ない司を、背後から、支えて居たのは、西田だった。
一気に、身体の力が、抜けた様に成って居る司に、西田は、驚愕しか無かったのだった。
思わず、西田は、司に声を掛けていた。
「坊っちゃん、何が遭ったんですか?」
司は、うわ言の様に…。
唯、つくしの名前しか言えずに居た。
「牧野が…?
牧野が…?」
で、西田は、まだ、類とTELが繋がって居る事を気付き、司からTELを代わり、類と話しし始めていた。
「類様…?
申し訳御座いません。
司様は、身体の力が抜けた様に成られて、お話し出来る状態では、御座いません。
代わって西田が、お受け致します。」
類も、“致し方ないだろう‼”と、西田に伝えていた。
“牧野が、失踪した。
探したんだけど…。
見付けられなかった。
花沢・西門・美作・三条・大河原を結集させても、見付けられなかった。
申し訳ない。”
「………」
西田も、如何言って良いのか?
分からずに居た。
類とのTELを切った後、此の事は、西田➡楓に伝わった。
楓は、驚愕していた。
楓は、つくしには、自然消滅の様な形で、司との別れを指示した事は言うまでも無かった。
しかし、“失踪しろ‼”とは、言って居なかった。
何故、つくしは、失踪の道を選んでしまったのか?
つくしの考えて居る事が、分からずに居た楓だった。
楓は、つくしを認めていたのだ。
何れは、また、司とつくしを『元さや』に戻すつもりで居た。
だからだろうか?
少なからずも、楓にも、責任を感じ始めていた。
一方の司は、ビジネスとしては、使い物に成らない様に成ってしまって居た。
NYの道明寺邸に在る骨董品を壊して回る程、始末に負えない状態に成っていた。
勿論、SPも其れを制止するも、反対に、殴られ、病院送りにされてしまうので、中々、司に近付こうとするSPも、執事も、使用人も居なかった。
此れには、困り果てて、楓は、タマをNYに呼び寄せて居た。
そして、タマは、司を嗜めていた。
「坊っちゃん…。
こんな坊っちゃんを見たら、つくしは、何と思いますかね?」
司は、タマを睨み付けていた。
そして、司は、タマに激怒していた。
「タマっ‼
あいつの名前は、俺の前では、二度と言うな‼
俺は、あいつに、また、捨てられたんだ‼」
司は、悲壮感漂う、様相に成ってしまって居た。
タマは、何が、NYで起こって居たのか?
知りたい為、楓へと向かって居た。
「奥様、坊っちゃんに一体、何が起こったんですか?
此の状況は、坊っちゃんが、つくしと出会う前より、酷い状態じゃ、御座いませんか?
全て、どうぞ、タマにお話し下さいまし…。」
楓は、タマだからこそ、つくしとの交わした約束の話しを話しして聞かせていた。
楓の話しを聞いたタマは、呆れていた。
「奥様…?
いい加減、目を覚まして下さいまし…。
奥様は、如何考えても、母親と言う寄り、ご自身の為に為さって居るとしか、タマに
は、考えられません。
坊っちゃんは、誰を一番、欲して居るのか?
考えれば、お分かりに成る筈でございましょ?
至急、つくしを探して下さいまし…。
さもなくば、坊っちゃんは、復活為さいませんでしょう。」
タマは、楓に脅しを掛ける様に、話しして居た。
楓に、そんな言葉を言えるのは、夫の保以外で、この世には、タマしか居なかった。
娘、息子で在る椿、司でも、無理だった。
で、楓は、タマの言う通り、つくしを探し出す様に、秘書とSPに指示を出して居た。
しかしながら、何の手掛かりも掴めずに居た。
“このままなら、司は、如何成るのだろうか?”と…。
誰もが、心配する処だった。
勿論、楓は、悲壮感と共に…。