tukatuku-inotiのブログ

花より男子の二次小説です。 cpはつかつく・総優・あき桜

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勘当…<総優>  3.




<優紀side>


上を向いた私は、驚愕していた。


だって、何故、此処(道明寺総合病院のロビー)に、家元夫人…?
ううん、総二郎さんのお母様がいらっしゃるの?


“総二郎さんが、呼んだのか?”と、一瞬、思った位…。
不自然な現象だった。


「優紀さん…?
 お隣、宜しいかしら?」


私は、返事しか、返せなかった。


「はい。」
「お久し振りね、優紀さん…?」
「ご無沙汰致しておりました。
 ご挨拶が、遅く成り、申し訳御座いませんでした。」


私は、家元夫人からは、にこやかに言われていた。


「いいえ、宜しい事よ。
 今の現状を考えたら、中々、難しいでしょ?」
「………」


私は、何も、言葉を発せなかった。


「ところで、優紀さん…?
 もう直ぐなのかしら…産み月は?」
「はい。
 もう直ぐで、9か月に入ります。」
「そう、其れは、良かったわ。
 男女、何方かお分かりなの?」
「いいえ、総二郎さんが、産まれて来るまで、楽しみで居たいと言ってくれて居るの
 で…。
 聞いて居ないんです。」
「そうなのね。
 総二郎も、意外とロマンチストだという事かしら?」
「………」


私は、何も言えなかった。


其処に、家元夫人から、飛んでも無い事を言われてしまった。


「今から、ランチ…。
 ご一緒して下さらないかしら?
 嫁と姑…。
 親交を深めたいと思うんだけど…。
 如何(いかが)かしら?」
「はい。」


私は、断る事も出来ず、ご一緒する事にした。



其処で、家元夫人から言われた言葉に、私は、驚愕していた。


「優紀さん…?
 お願いが有るの?
 総二郎を説得して下さらない?」
「えっ??」
「実は、総二郎が、居なく成った西門流は、火の車なの。
 総二郎の代わりに、巧三に次期家元の仕事をさせているんだけど…。
 不評でね。
 総二郎が、家元から勘当されて、西門家を出てしまってから、“西門流は、地に落ち
 た様だ。”と、言われて居るの。
 家元は、総二郎の親として、家元から総二郎に折れる事は、プライドが許さないと思う
 のよ。
 でも、優紀さんから、総二郎を説得してもらえたら、家元も折れる様な気がするの。
 “優紀さんの為…。”とか、言ってね。
 だから、お願いよ、優紀さん…。
 総二郎を説得してもらえないかしら?」


家元夫人の並々成らない状況を理解した私は、家元夫人にこう言うしかなかった。


何故なら、決めるのは総二郎さんだったからだ。


「お役に立てるか如何か?
 分かりませんが…。
 総二郎さんにお話しだけはしてみます。」
「有難う、優紀さん…。」


家元夫人から、そう仰って頂いた私では有ったのだが…。
心は、晴れなかった。


何故なら、総二郎さんが、西門家に戻ってしまったら、“此の子は如何成るのだろうか?”と…思い悩んでしまって居た私だった。


そんな私の顔の表情を見て居たで在ろう家元夫人は…。
更に、私に、話しし始めて居た。


「優紀さんにも、私(わたくし)に就いて、出来るだけ早く、次期家元夫人としての役割
 を務めて欲しいわ。」
「えっ??」
「あら、何を、そんなに素っ頓狂な顔で、私(わたくし)を見ていらっしゃるのかしら?
 総二郎と優紀さんは、籍を入れて居るのよね?
 じゃあ、優紀さんは、総二郎の妻…。
 って事は、優紀さんは、私(わたくし)の後を継いで下さる方よね?
 違うのかしら(笑)?
 産まれて来る孫も楽しみね。」


私が、驚愕した顔付きだった事から、そう、仰って下さったとは、思うけど…。
家元夫人は、本心なのか?
私には、分からなかった。


だが、唯一、私が言える事は…。
西門流にとって、総二郎さんは、必要な存在だという事だけだった。



そして、私は、家元夫人にマンションまで、送って頂き、家路に着いた。



その日の夜…。
総二郎さんが、帰宅後に、私が、家元夫人と会った時の事をお話しして居たら、急に、顔付きが変わって来て、怒りを露わにし始めていた。


唯、私には…。


「分かった。」


と、言っただけで、その後、何一言、言わなく成っていた。


“私が、怒らせてしまったのか?”と、焦り出した事は言うまでも無かった。



あんな総二郎さんを見たのは、後にも先にも、あの時以来だった。
そう、私達が、高校生の頃に美作邸で行った『寒中浴衣大会』の時以来…。


私が、総二郎さんを怒らせたのは…。
そう、あの時、以来だった。


何だか、雲行きが怪しい事を察知した私だった。



唯、あの時の家元夫人の様子を見た時…。
“このまま、何事も無く、元の形に納まって欲しい‼”と、願って居た私だった。

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