貴方を忘れる為…<総優> 4.
総二郎とあきらが、総二郎からの呼び出しで、Barで会った数日後…。
あきらの下に、美作商事 イギリス支社に出張する話しが出て来たのだ。
美作商事 イギリス支社に出張する話しが出た後の其の日のあきらは、司との仕事の打ち合わせの為に、道明寺HDに出向いて居たのだった。
其の打ち合わせ後…。
あきらは、司の執務室に残り、司に伝えて居たのだった。
其れは、あきらから、司に相談をする為だったのだ。
「司…?
俺にイギリス支社の出張の話しが有んだ‼
○月○○日の優紀ちゃんのフライト先が、イギリスなのか?
調べてくんね?
もし、其の日の優紀ちゃんのフライト先が、イギリスじゃねぇのなら…。
何処に、フライトかも…?
調べてもらえねぇか?」
司は、怪訝な顔付きに成っていたのだが、あきらには、了承して置いたのだった。
「ああ。」と…。
だが、司は、司で、“何故…?”と、いう部分が知りたかったので、あきらに、訳を訊き出そうと思って居たのだった。
何故なら…。
世話焼きのあきらが、自身の事で、自ら、司に相談するとは思えなかったからだ。
だとすれば…。
“誰かに、頼まれたのだろう。”と、思う方が正論の様に、司には、思えて居たのだった。
なので、司は、あきらに、訊き始めるのだった。
「あきらは、誰から、頼まれた?」と…。
なので、あきらも、正直に、司に、伝えるのだった。
「総二郎だ。」と…。
だが、司には、解せなかったのだ。
高等部以来…。
総二郎が、優紀と関わりが有ったとは聞いて居なかったのだ。
だからだったのだろう。
司は、あきらに、不思議そうな顔付きをして魅せるのだった。
だからだったのだろう。
あきらは、続けて、話しし始めるのだった。
「総二郎と優紀ちゃんは、高等部以来…。
会った事が無かったらしいが…。
此の前の司の話しから…。
総二郎が、優紀ちゃんに会って視たく成ったらしい。」と…。
だが、あきらは、一旦、話しを止めて、司の様子を確認した後…。
そんな司に、更に、付け加えて話ししたのだった。
「牧野には、此の事は、言うなよ‼
牧野に言ったら、優紀ちゃんに、直ぐ、伝わるだろうし…よ。
其れに、牧野が、総二郎の気持ちを理解せずに、“優紀(ちゃん)の為だ‼”とか言って
来て、総二郎の邪魔をして来ねぇとも限らねぇし…よ。」
司は、つくしの事を、事も無げにいうあきらには、怪訝な顔付きに成っては居たのだが…。
つくしに知られれば、有り得る話しなので、其処は、司も了承していたのだ。
何故なら…。
司が、此の話しを、F3にした事が、つくしにバレれば…。
つくしから、怒られる事は、司には、分かり切って居たのだから…。
其れに、司にしても、総二郎は、幼馴染で親友…なのだ。
司も、あきら同様、総二郎の幸せを願って居る一人なのだから…。
だからこそ、司は、あきらの意見に、賛同するかの様に、了承の言葉を告げたという訳だったのだ。
「そうだろうな。
分かったわ。
つくしには、言わねぇで於いて遣るよ。」
そんな風に、上から目線では在ったのだが…。
司から、賛同の言葉が聞けた事で…。
あきらは、ホッとするかの様に、司に、言って除けるのだった。
「だろ‼
だから、牧野には、バレねぇ様に頼むぞ‼」
で、司は、総二郎の気持ちと共に、“つくしには、内密だ‼”と、いう事を付け加えて、西田に、優紀のフライト日を調べさせて居たのだった。
道明寺HDに、あきらが打ち合わせに来ていた日は、西田も、一緒に、司の執務室に居たので、話しの流れは、或る程度、西田も知っていたのだ。
だから、西田は、素直に、調べる事にして居たのだ。
「承知しました。」と、言う言葉と共に…。
そして、次の日には、西田から報告を受けた司に寄って、あきらにLINE報告した司だったのだ。
『あきら…。
松岡のフライト日、分かったわ。
あきらが、イギリス支社に出張するって言ってた○月○○日は、松岡も、イギリスにフ
ライト予定らしいぞ‼』
あきらは、司からのLINE報告を見て、総二郎の想いが、通じた事を喜ぶと共に…。
思うのだった。
“偶然が重なったな‼”と…。
そして、あきらは、既読と共に、司に返信するのだった。
『分かった。
総二郎に伝えるわ。
サンキュ、司‼』
あきらは、司にLINEを返信した後…。
総二郎に、TELを入れていたのだ。
「司に調べる様に頼んで於いたんだけど…よ。
俺の出張日の○月○○日は、優紀ちゃんもイギリスにフライト予定らしいぞ。
総二郎…。
如何する?
一緒に行くか?」
総二郎は、こんなに早く実現するとは思っても視なかったのだ。
だからだったのだろう。
即答していた総二郎だったのだ。
“ああ。
頼んで良いか?”と…。
そして、あきらも、苦笑いでは有るのだが…。
総二郎に、即答したのだった。
「了解‼」と…。
あきらは、今まで、あきらが感じた事の無い総二郎の神妙な声に…。
一瞬、驚愕はしたのだが…。
あきらは、思っていたのだった。
“総二郎も、本当の恋をすれば、男に成るってか?”と…。
だから、あきらは、総二郎との電話を切った後…。
苦笑いから、本気で、笑ってしまって居たのだ。
そして、あきらに伴って、総二郎も、イギリスに渡英する日が、遣って来たのだ。
優紀の此の日は、総二郎とあきらが、搭乗する飛行機に、予定通り、フライトする事に成って居たのだ。
そして、搭乗者を迎え入れる為…。
準備をして居る時に、優紀の下に連絡が入って来たのだった。
優紀は、連絡内容に驚愕していた。
「其のフライト便に、西門流 次期家元の西門総二郎 様と、美作商事 専務の美作あき
ら 様が、搭乗される予定だ。
粗相の無い様に、お願いする。
お二人には、松岡君が、対応してくれ賜え‼」
優紀は、驚愕して居たので、一瞬、言葉に詰まったのだが…。
其れも、直ぐに、我に返り、返答して居たのだった。
「………。
かしこまいりました。」と…。
しかし、此の時の優紀の心の中では、“嘘でしょ⁉”と、叫びたかったのだ。
優紀は、優紀自身の気持ちを抑える事に必死だったのだ。
そして、そうこうしている間に、搭乗者をお迎えする時間に成ってしまったのだ。
此の時点に於いての優紀は、既に、覚悟を決めていたのだ。
そして、にこやかに、搭乗者を迎え入れる優紀だったのだ。
そんな時…。
総二郎とあきらが、搭乗して来たのだった。
此の時の総二郎は、何故か?
優紀に、意味深な笑みを浮かべて居たのだ。
勿論、総二郎とあきらは、ファーストクラスに搭乗して来た。
今日の優紀は、ファーストクラスの担当に、変わっていた。
上司からの命令では、何も、言い返せない優紀だったのだ。
そして、優紀は、総二郎とあきらの担当に就いて居た。
総二郎は、ニヤ付きが収まらなかった。
そして、優紀に渡す為に、総二郎は、総二郎の名刺を取り出し、名刺には、総二郎の連絡先を記載していた。
其の総二郎の行動に、笑いを堪えるのに必死なあきらが居た事も、また、事実だったのだ。
そして、離陸準備や、搭乗者への声掛け等…。
優紀も忙しく、動き回っていた。
そして、離陸後…。
総二郎は、優紀を呼び出した。
総二郎の連絡先の記載の入った名刺を渡す為だった。
勿論、総二郎は、優紀に一言、添えて渡していたのだ。
「失くすなよ‼
他の奴等に、見られるなよ‼
で、イギリスに着いて、仕事が終わったら、此処に連絡して来い‼
良いな、優紀…?」
優紀は、此の場は、取り敢えず、穏便にと思い…。
了承だけして於いたのだ。
「賜わりました。」
けれど、総二郎と優紀のそんな様子を見ていたあきらには、解せなかったのだ。
総二郎の言葉振りだと…。
総二郎と優紀は、付き合って居るとしか思えなかったからだ。
だから、あきらは、総二郎に訊いて居たのかも知れない。
「なぁ~、総二郎君…。
今の、優紀ちゃんとの会話は、何を示してるのかな?」
総二郎は、観念したかの様に、あきらには、言って除けて居たのだ。
「あぁ~。
俺と優紀との間には、高等部のガキの頃に、そう言う関係に成って居るって事…。
俺は、優紀の『初めての男』って訳…だ。」
あきらは、驚愕していた。
「はぁ~??」
此の時の総二郎は、ニヤッと、笑って居たのだが…。